日曜劇場『19番目のカルテ』の中心舞台、「魚虎総合病院」。
実は、静岡県駿東郡長泉町にある実在の「静岡県立静岡がんセンター」が撮影地なんです。
この記事では、ドラマで映る外観・ロビー・診察室などを、現地訪問ポイントと併せてご紹介します。
- 魚虎総合病院の正確なロケ地とその施設背景
- 静岡・千葉に分かれた撮影シーンの役割と意図
- 病院空間に込められた“演出される現実”の意味
ドラマの舞台「魚虎総合病院」はここ!
『19番目のカルテ』で、主人公・折原柊(松本潤)が勤務する「魚虎総合病院」。
そのリアリティあふれる外観と、清潔感ある診察室の描写は、多くの視聴者の記憶に残っているはずです。
この病院のロケ地として選ばれたのが、静岡県立静岡がんセンターです。
静岡県立静岡がんセンターがロケ地
静岡県駿東郡長泉町に位置する「静岡県立静岡がんセンター」は、全国でも有数のがん専門病院です。
富士山のふもと、緑豊かな丘陵地に広がる敷地は、医療機関としての機能美と自然との調和を兼ね備えています。
ドラマではこの病院の外観や一部内部が「魚虎総合病院」として登場し、リアルな医療の雰囲気を作り出しています。
特に印象的なのが、ドラマに何度も登場する正面玄関。
実際のがんセンターでも同じような広く開けたエントランスがあり、ガラス張りのモダンな建築が目を引きます。
劇中では仮設の「魚虎総合病院」看板が設置されていましたが、それ以外はほとんど実物のまま使用されており、映像に映る外観の多くはこの病院そのものです。
また、病院内での撮影についても、限られた範囲で行われたとされ、診察室前の廊下や受付カウンター周辺なども使用された模様。
ただし、現在は一般見学や内部撮影は許可されておらず、訪れる際は外観の見学にとどめましょう。
患者さんの安全とプライバシーを守るため、静かに敷地の雰囲気を感じるだけでも十分に価値があります。
撮影の様子:看板&院内シーンを忠実再現
撮影当時は病院の業務に支障が出ないよう、主に週末や夜間を中心にロケが行われたと報じられています。
この病院は医療機器が最新で、内装も非常に美しく整っているため、撮影隊が手を加える必要がほとんどなかったという話も。
病院スタッフも撮影に協力的で、「リアルさ」と「物語の演出」を両立させることに成功したロケ地といえます。
また、ロケ中には主演の松本潤さんが医療従事者へのリスペクトを忘れず、患者さんに配慮しながら撮影に臨んでいたというエピソードも伝えられています。
現場で働く医療関係者の緊張感と、ドラマ制作側の真剣な姿勢が合わさった結果、「嘘のない医療ドラマ」が生まれたのです。
なお、ドラマに登場する病棟の表札や案内板なども、実際の病院とは異なり撮影用に作られた小道具。
しかし背景の空気や、スタッフや患者が行き交う光景には、本物の医療現場としての説得力がしっかりと宿っています。
『19番目のカルテ』の魅力のひとつが「現場のリアル」だとすれば、その中核を担うのがこの静岡県立静岡がんセンターです。
もしロケ地を訪ねるなら、病院の空気感、建築、自然の調和を肌で感じながら、ドラマの世界に静かに浸ってみてください。
“魚虎総合病院”のロケセット巡りガイド
『19番目のカルテ』の撮影現場として登場した“魚虎総合病院”。
視聴者の間では「この病院、行ってみたい!」という声も多く、ロケ地巡礼の対象として人気が高まりつつあります。
ここでは、実際に現地を訪れる際に注目すべきポイントを、外観と内観に分けてご紹介します。
外観チェック:どの角度がドラマと同じ?
ドラマの中で何度も登場したのが、静岡県立静岡がんセンターのメインエントランスです。
建物の正面には広々としたロータリーがあり、その先にガラス張りのモダンな建築が広がっています。
劇中ではこのエリアに「魚虎総合病院」の仮設看板が立てられ、松本潤さん演じる折原柊が出勤するシーンに何度も使われました。
特に注目したいのは、建物右手から斜めに正面を捉えるアングル。
ここはタイトルバックや、登場人物が病院を見上げるカットに使われた“象徴的な画角”で、記念撮影にぴったりです。
また、建物の左奥にある立体駐車場のスロープ付近からも、ドラマと同じ構図で撮影されたカットがあります。
ただし、現地は実際の医療機関であるため、長時間の滞在や他の来訪者への配慮は必要不可欠。
早朝や診療時間外などの訪問が望ましく、写真撮影も公共マナーを守ることが大前提です。
ロビー&待合室:どこまで一般公開中?
ドラマ内では病院内部の描写も数多く登場しました。
白を基調としたロビーや、診察前に患者たちが座るソファの並ぶ待合エリアなど、まるで美術セットのように整った空間が印象的です。
これらのシーンの多くは、静岡県立静岡がんセンター内で実際に撮影されており、一部エリアは患者以外でも立ち入り可能なスペースに含まれています。
とはいえ、病院側はドラマ撮影後、ロケ地としての一般公開や見学会は行っていません。
そのため、訪れる際はあくまで病院の「公共スペースの通行」として捉えるのが正しい姿勢です。
内部の撮影は一切禁止されており、また患者さんや職員への迷惑となる行動は控える必要があります。
それでも、ロビーから差し込む光、廊下に響く足音、清潔で静謐な空間──
それらを感じ取るだけでも、ドラマの世界観に入り込んだような気持ちになります。
映像を通して見慣れた場所に、実際に足を運ぶ体験は、ドラマの余韻をより深く味わえる方法のひとつ。
また、スタッフインタビューによれば、内部シーンの一部は別の施設(後述)で撮影されたとのこと。
すべてが静岡がんセンターで完結しているわけではない点にも注意が必要です。
とはいえ、現地の空気や建物の質感に触れることで、ドラマに込められた“医療と人間のリアル”を五感で再確認できるはずです。
ロケ地巡りをする際は、病院という特別な場所であることを心に留めて、敬意と配慮を持って訪れるようにしましょう。
撮影現場のエピソード&アクセス情報
『19番目のカルテ』は、静かで確かな感情が流れる医療ドラマとして評価されました。
その空気感を支えていたのが、撮影現場の“リアル”と“熱量”。
ここでは、撮影現場でのエピソードと、実際にロケ地を訪ねるためのアクセス情報をまとめます。
松本潤さんの撮影、スタッフ証言あり
主演の松本潤さんは、総合診療医・折原柊という役柄を演じるにあたり、実際の医師からヒアリングを重ねたと言われています。
その結果、診察室での立ち居振る舞いや、患者へのまなざしに「本物の医師のような説得力」があったと、医療関係者からも声があがりました。
撮影現場では、患者役のエキストラとの自然な会話劇も印象的だったとのこと。
セリフのない場面でも「感情を背中で語る」芝居が多かったというスタッフ証言は、このドラマの静けさの中に宿る強さを物語っています。
特に病院の廊下でのシーンでは、台詞よりも“歩き方”や“目線の動き”に感情が込められていたという話もあります。
また、ロケは原則、病院業務の邪魔にならないよう早朝・深夜・週末に集中して行われました。
患者さんの動線を一切妨げないという徹底した配慮がされており、スタッフ・キャストともに静かな緊張感の中で撮影に挑んでいたそうです。
行き方ガイド:最寄り駅から徒歩ルート詳細
静岡県立静岡がんセンターへのアクセスは、公共交通と車どちらでも可能ですが、公共交通を利用するのが安全かつ便利です。
- 最寄駅:JR東海道本線「三島駅」または「長泉なめり駅」
- 三島駅からバス:約25分(がんセンター直通のバスあり)
- 長泉なめり駅からタクシー:約10分
特におすすめはJR三島駅からの直通バス。
日中は本数も多く、バスを降りたすぐ目の前が病院入口という分かりやすい導線です。
ただし、日曜や祝日は本数が減るため、訪問前に伊豆箱根バスの時刻表を確認しておくことをおすすめします。
車での訪問も可能ですが、病院の駐車場は患者および関係者用に設けられているため、ロケ地見学のみを目的とする場合は公共交通を推奨します。
施設周辺にはコンビニや飲食店はほとんどなく、静かな環境の中に病院があるため、事前に飲料などを準備しておくと安心です。
なお、病院は医療施設であるという性質上、撮影行為や騒音は厳禁です。
訪問の際にはマナーを守り、周囲の静けさを尊重する行動を心がけましょう。
病院正面や敷地内から見える富士山の稜線は、ドラマにもたびたび登場しました。
天気の良い日に訪れると、自然とドラマのシーンが蘇ってくるような、不思議な体験ができるかもしれません。
他にも協力ロケ地あり!八千代医療センターとは?
『19番目のカルテ』の主な舞台である「魚虎総合病院」の撮影には、静岡県立静岡がんセンター以外にも協力医療施設が関わっていました。
そのひとつが、千葉県にある東京女子医科大学附属 八千代医療センターです。
この施設では、特に「総合診療科」のシーンを中心に撮影が行われ、リアルな診察風景や医師同士のやりとりが収録されました。
千葉・八千代医療センターで総合診療科のシーン撮影
八千代医療センターは、千葉県八千代市にある大学附属病院で、高度医療を提供する中核的な存在です。
病院内の診察室、カンファレンスルーム、病棟廊下など、より細部にリアリティを求められるシーンにおいて、この施設が使われました。
特に診察シーンにおいては、八千代医療センターの実際の医療用家具や器具がそのまま使用され、「作り物ではない本物の現場」を感じさせる演出に貢献しています。
また、医療監修チームが撮影現場に立ち会い、医師の動きや手元の操作までチェックしていたとのことで、リアルさへのこだわりが際立っていたとされています。
劇中でよく見られる、医師たちのミーティング風景や複数の診療科が交差する描写は、この施設の協力がなければ成り立たなかったでしょう。
机上の脚本ではなく、“現場の呼吸”を取り入れたからこそ、視聴者の心を動かしたのだと感じます。
複数施設の協力でリアリティUP
医療ドラマにおいて、単一のロケ地ではカバーしきれないリアルな環境描写を実現するため、複数の病院や施設の協力が必要不可欠です。
『19番目のカルテ』もその例に漏れず、静岡と千葉という2拠点をベースに撮影を進めたことで、「生活感のある診察室」と「大規模病院の外観」を分けて撮ることができました。
これは、視覚的な単調さを避けると同時に、より深みのある空間演出を可能にしています。
結果として、視聴者には気づかれないレベルの細かな切り替えが、ドラマ全体の質感を底上げしていたのです。
また、撮影に協力した病院の関係者からも「医療を正しく描こうとする誠実さを感じた」といったコメントが寄せられており、現場での信頼関係がしっかり築かれていたことがうかがえます。
『19番目のカルテ』は、こうした地道な連携によって、単なるフィクションではない“命の物語”を映像に昇華させた作品だったといえるでしょう。
病院という“演技空間”に浮かび上がる、人と人の温度差
ロケ地としての静岡がんセンターや八千代医療センターの情報を追っていくと、撮影された空間の“リアル”さに目が行きがちだ。
でも、よく見てみると、あの空間は“リアルに見せるためのフィクション”として、むしろ巧妙に組み立てられている。
ガラス張りのロビーにこぼれる「無関心」
魚虎総合病院のロビー、あの開けた空間には、視線が交わらないまま擦れ違う人々が映る。
患者も医師も、誰かの人生の“ほんの一瞬”にしか関わらない。それが医療の現場であり、日常であり、どこかの会社や駅と変わらない無関心の連鎖だ。
ドラマはそこを丁寧に見せている。折原が立ち止まる、その瞬間だけ時間が止まったように見えるのは、周囲が「動き続けてる」からこそ。
“総合診療科”という孤独な立ち位置
八千代医療センターで撮られたシーン、折原の“視線”がやたらと描かれるのは意図的だ。
彼はいつも、病名じゃなくて「その人」を見ようとしている。だけど、他の医師たちは“疾患”しか見ていない。
そのズレ、温度差こそが総合診療科という存在の「宙ぶらりん」な立場を象徴してる。
この空間のロケ地は、広くてきれいで機能的だ。でも、折原の立っているポジションはいつも“ど真ん中”ではなく、ちょっとだけ端。
演技なのか、現実なのか。その狭間で揺れるような場所を、ロケ地という「本物」を使ってあえて描いてる。
それってつまり、“居場所のない人間の物語”ってことなのかもしれない。
魚虎総合病院ロケ地まとめ
ドラマ『19番目のカルテ』の舞台となる「魚虎総合病院」は、単なる背景ではなく、物語を支える重要な存在でした。
そのロケ地に選ばれたのが、静岡県立静岡がんセンターと東京女子医科大学附属八千代医療センターの2つの医療機関。
それぞれの施設の特性を活かしながら、リアリティある診療シーンとスケール感ある外観描写が丁寧に作り上げられていました。
静岡がんセンターは、主に外観やエントランス、病院全体の象徴的なカットに用いられ、その整然とした美しさと自然との調和が作品の世界観を下支えしています。
一方、八千代医療センターでは、診察室やカンファレンス、スタッフ同士の連携を描くリアルな室内描写が展開され、医療現場の緊張感と人間味がしっかりと表現されていました。
また、主演の松本潤さんをはじめとするキャストたちが、撮影現場に本物の医療の重みと敬意を持って臨んでいたことも、ドラマの説得力に繋がっています。
ロケ地を訪れることで、そうした“裏側の努力”を想像しながらドラマを思い出すことができるのも、ロケ地巡礼の魅力といえるでしょう。
ただし、いずれのロケ地も実際の医療機関であることから、見学や撮影は制限されています。
訪問の際には節度ある行動と、医療従事者・患者さんへの最大限の配慮が求められます。
ドラマの世界を大切に思うからこそ、現実の医療の尊さにも敬意を払うことが、この作品を深く味わう第一歩かもしれません。
『19番目のカルテ』は、「診断」ではなく「人間を見る医師」を描いたドラマでした。
その舞台となった“魚虎総合病院”を訪れることで、視聴者自身の中にもあった“誰かを理解したいという思い”に改めて気づけるかもしれません。
静かで、でも確かに熱を持つこの物語を、ぜひロケ地というリアルな場所からもう一度感じ取ってみてください。
- 「魚虎総合病院」のロケ地は静岡県立静岡がんセンター
- 診察室など一部シーンは八千代医療センターで撮影
- 主演・松本潤は現場で“本物の医師”の空気を意識
- ロケは患者への配慮から週末や深夜に実施
- 訪問時は公共交通推奨、内部撮影は禁止
- ロビーの無関心や医師の距離感が空間演出に表れる
- ロケ地は“物語の感情”を映す鏡として機能していた
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