NHKドラマ『シバのおきて』第1話ネタバレ 犬と人のリスタートが始まる夜、柴犬が編集部を動かす瞬間

シバのおきて~われら犬バカ編集部~
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2025年9月30日、NHKドラマ10枠で放送が始まった『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』。第1話から、ただの“犬かわいい”ドラマではない、仕事と人生を交錯させる濃い人間模様が描かれました。

編集長の再起、犬嫌いの新人との衝突、そして声優が命を吹き込む柴犬の存在感――この初回は、犬と人が互いを映し合う鏡のような回でした。

この記事では、第1話のネタバレあらすじとともに、キャスト・声優・見どころをキンタ流に深掘りしていきます。

この記事を読むとわかること

  • NHKドラマ『シバのおきて』第1話のネタバレあらすじ
  • 柴犬に声を与えるユニークな演出と声優情報
  • 犬が人間関係や仕事観に与える影響という独自視点

第1話の結論:柴犬は人間の再起を支える相棒だった

ドラマ『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』第1話を観終えて、まず心に残ったのは「柴犬は人間を再起させる相棒だ」という強烈なメッセージでした。

ただ可愛い存在として登場するのではなく、編集長・相楽の人生をもう一度立ち上げる支えとして、福助という柴犬がしっかりと物語の中心に座っていたのです。

犬は言葉を持たないはずなのに、その眼差しや存在感、そして声優を通じて与えられた“内面の声”が、人間の葛藤とリンクして響いてくる――この演出の切れ味が初回最大の収穫でした。

編集長・相楽と愛犬・福助の絆が物語の核

主人公・相楽俊一(大東駿介)は、かつてパチンコ雑誌の編集長としてそれなりの地位を持っていました。

しかし部下たちのボイコットに遭い、編集長の座を追われるという挫折を経験します。

人望を失い、プライドを傷つけられ、居場所をなくした男の傍らに残ったのは、唯一の相棒である柴犬・福助だけでした。

この設定がまず鮮烈です。「人間から見放されても犬は見放さない」という事実が、視聴者の胸に直接突き刺さります。

福助はセリフを喋るわけではありませんが、柄本時生の声が吹き込まれることで「この犬は何を思っているのか」が不思議と伝わってくる。

その声は決して過剰ではなく、相楽を励ますでも責めるでもない、ただ「お前はどうする?」と問いかける存在感でした。

この“犬からの問い”こそが、相楽を動かし、物語を動かしていく駆動力になっています。

「シバONE」創刊という再スタートの火花

相楽に与えられた新しい任務は、犬専門誌の立ち上げ。

一見すると左遷のような仕事ですが、彼は福助と過ごす日常を通じて、次第に「犬と人の関係を雑誌にする」という無謀で熱い挑戦に心を燃やしていきます。

ここで重要なのは、創刊する雑誌の名前が「シバONE」であることです。

このタイトルには、「柴犬の一番」「唯一無二」「ワン(犬の鳴き声)」といった複数の意味が重なっていて、相楽自身のリスタート宣言のようにも響きます。

失敗続きの過去を背負いながらも、愛犬と共にもう一度走り出す覚悟。

その決意が「犬雑誌」という突拍子もない企画を、本気の勝負に変えていくのです。

そしてその火花は、犬嫌いの新人編集者や、個性豊かな仲間たちとの衝突を呼び込み、第1話をぐっとドラマチックに引き上げていました。

つまり、第1話の結論はシンプルで力強い。

犬は人間を再起させる相棒であり、人生の転機を共に走り抜ける存在である――そう言い切れる回だったのです。

仕事に失敗した人、人生の方向性を見失った人、孤独に苛まれる人。そんなすべての人にとって、福助の姿は「まだ立ち上がれる」と語りかけてくる光でした。

第1話は単なる導入回ではなく、このドラマが何を描こうとしているのかを明確に突きつける宣言回だったと僕は思います。

第1話ネタバレあらすじ

『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』の第1話は、ひとりの編集者がすべてを失って、そこから立ち上がる物語として幕を開けます。

ただし彼を再起へと導くのは、人間の助けではなく、黙ってそばにいる柴犬でした。

ここからは、初回のストーリーを順にたどりながら、その意味をキンタ流に解き明かしていきます。

崖っぷち編集長の転落と再起

主人公・相楽俊一(大東駿介)は、かつてパチンコ雑誌の編集長として腕を振るっていました。

しかし、部下からの不信や内部対立によって突然のボイコットを受け、編集長の座を追われます。

プライドも肩書も奪われ、半ば左遷のように「新しい雑誌を立ち上げろ」と命じられる相楽。

人間関係の破綻と職業的な挫折を同時に味わった男が、孤独に陥る瞬間です。

そんな彼の足元に、無言で寄り添う柴犬・福助がいます。

「誰も信じてくれなくても、この犬だけは裏切らない」――そう思わせる存在感が、画面いっぱいに広がっていました。

ここで相楽は決意します。犬をテーマにした新雑誌「シバONE」を立ち上げてみせる、と。

転落した男が、犬と共に走り出す瞬間。これが物語の再起の第一歩でした。

犬嫌い新人・玲花との衝突

そんな再起のチームに加わるのが、新人編集者の石森玲花(飯豊まりえ)。

彼女は本来サッカー雑誌を希望していたものの、配属されたのは犬専門誌。

しかも犬が大の苦手という致命的な弱点を抱えています。

犬好きで暴走気味の相楽と、犬嫌いで現実主義的な玲花。

価値観が真っ向から衝突する二人のやりとりは、このドラマのもう一つの大きな軸となっています。

第1話では、犬雑誌の方向性を巡って早くも意見が噛み合わず、編集部の空気はピリピリ。

しかし同時に、福助との距離をどう詰めていくのかという玲花の課題も提示され、次回以降の成長を予感させました。

犬を嫌う彼女が、なぜ犬雑誌に放り込まれたのか――その理由も気になるところです。

クセ者だらけの編集部と犬たちの登場

編集部には、さらに強烈な個性を持った仲間が集まってきます。

ベテラン編集者・清家(片桐はいり)、癖のあるカメラマン・三田(こがけん)、犬の専門家で獣医師の滑沢(松坂慶子)。

どのキャラクターも一筋縄ではいかず、会話の端々から人間臭さがにじみ出ます。

犬好きが高じて偏屈になった者もいれば、プロ意識の高さから周囲と衝突する者もいる。

しかし「犬」という共通項を中心に据えることで、彼らは次第に同じ方向へと動き出していくのです。

さらに、編集部のもう一つの主役となるのが柴犬たち。

相楽の愛犬・福助だけでなく、三田の愛犬・ボムも登場し、犬同士の関係性も人間模様に絡んできます。

しかもこの犬たちには声優が声をあてる仕掛けがあり、第1話から物語にユニークな彩りを添えていました。

こうして第1話は、「崖っぷち編集長の再起」「犬嫌い新人との衝突」「クセ者揃いの仲間たちの登場」という三本柱で構成されていました。

笑いと緊張感が交互に押し寄せ、最後には「シバONE」創刊への希望が見える。

第1話はまさに、このドラマの世界観を一気に提示する“名刺代わり”の回だったといえるでしょう。

柴犬に“声”を与える仕掛け

『シバのおきて』第1話の中で、もっとも異色でありながら心を掴まれた演出が「柴犬に声を与える」という仕掛けです。

犬が人間のように言葉を話すわけではありません。

しかし、犬の心の声を声優が表現することで、視聴者は「犬が何を考えているのか」を自然に感じ取れるようになっていました。

この仕掛けは、単なるギャグでもファンタジーでもなく、人間と犬の距離を縮めるためのリアリティ装置として機能しています。

福助役:柄本時生の柔らかな存在感

編集長・相楽の愛犬・福助の声を担当するのは、柄本時生。

一歩間違えば「犬がしゃべる」という奇抜さが浮いてしまうところを、彼の声は絶妙に調整していました。

柔らかくて人間味がありながら、どこか素朴

犬という存在に過剰な知性を与えるのではなく、「ただそこにいてくれる相棒」の気配を声で体現していたのです。

第1話のハイライトは、落ち込む相楽の背中を見つめる福助のシーン。

柄本の声が入ることで、「頑張れ」ではなく「お前、どうする?」と静かに投げかけているように聞こえる。

このニュアンスが、福助を単なるマスコットから、相楽の人生に関わる“もう一人の登場人物”へと格上げしていました。

ボム役:津田健次郎の渋みが生む余韻

一方、カメラマン三田の愛犬・ボムの声を担当するのは津田健次郎。

低く響く渋い声が、ボムのキャラクターに圧倒的な存在感を与えています。

「犬にしては達観しすぎてる」という感覚が、むしろ魅力として成立していました。

柴犬・福助の素朴さと対比することで、二匹の犬がまるで人間同士の関係を映し出すように描かれる。

津田の声が入ると、ただ画面に立っているだけの柴犬が「哲学を語る存在」に見えてくるのだから不思議です。

大東駿介が「渋すぎて撫でにくくなった」とコメントしたという裏話も、制作側がこのギャップを楽しんでいた証拠でしょう。

犬の声が人間関係を揺らす構造

この「犬に声を与える」という仕掛けの真の価値は、人間関係を揺さぶる点にあります。

相楽が福助と会話するわけではありません。

しかし福助の声が視聴者に届くことで、彼の孤独や葛藤が際立ち、犬と人間の間にある“沈黙の対話”が浮かび上がってくるのです。

さらにボムの声が加わると、編集部の空気も変わります。

犬たちがただの背景ではなく、「人間の代弁者」や「関係の媒介」として機能している。

犬の声が、物語全体をもう一段深くする仕掛けになっていたのです。

普通の仕事ドラマなら、人間同士の会話でぶつかり合い、関係が変化していきます。

しかし『シバのおきて』では、犬たちの声がそのプロセスを揺さぶり、時に和らげ、時に挑発する。

だからこそ、犬が物語の“もう一人の主役”として成立しているわけです。

第1話を観て僕が感じたのは、この仕掛けが単なる gimmick(小道具)ではなく、犬と人間の共生をリアルに描くための装置になっているということでした。

犬の声を聞きながら「もし自分の犬にもこんな声があったら」と想像した視聴者は多いはず。

この共感の回路が、ドラマを“ただの犬モノ”から“人間を映す鏡”へと昇華させていました。

キャストとスタッフから見える作品の温度

『シバのおきて』第1話を見て強く感じたのは、この作品が「犬ドラマ」ではなく「人間ドラマ」として成立しているのは、キャストとスタッフの温度が揃っているからだということです。

キャラクターを通して伝わる熱量、映像のリズム感、音楽の温かさ――そのすべてが、犬と人間を等しく描こうとする誠実さにつながっていました。

大東駿介×飯豊まりえが火花を散らす

主人公・相楽俊一を演じる大東駿介は、崖っぷち編集長の「情けなさ」と「不屈さ」を両方抱えた人物を体現しています。

失意に沈む姿も、犬と共に立ち上がろうとする瞬間も、等身大の熱で演じられているのが印象的でした。

一方、新人編集者・石森玲花役の飯豊まりえは、犬嫌いという設定を生々しく引き受けています。

犬を避ける視線のぎこちなさ、編集長に反発する鋭い言葉。

それがすべて、視聴者に「この二人はいつ歩み寄るのか」という期待を植え付ける装置になっていました。

「犬好き」と「犬嫌い」という真逆の立場が交わる瞬間をどう演じるのか――ここに第1話のスリルが凝縮されていたといえます。

片桐はいり・松坂慶子ら脇を固める演技陣

そして、脇を固める俳優陣がまた強烈です。

片桐はいり演じる編集者・清家は、存在そのものが「編集部の不思議な重石」。

飄々としているのに、要所では鋭い言葉を放つ姿が、物語に奥行きを与えていました。

さらに松坂慶子が演じる獣医師・滑沢は、犬を愛しすぎるがゆえに人間味が濃く、相楽たちを包み込むような存在感を放っていました。

この二人のベテランが加わることで、編集部は単なる若者の集まりではなく、世代を超えたチームへと形を変えていきます。

他にも、カメラマン役のこがけん、勝村政信の安定感ある演技など、すべてが「犬バカ編集部」のカオスを支える重要なピース。

犬というテーマを笑い飛ばす余裕と、本気で語る情熱が同居しているのは、彼ら脇役陣の力によるものです。

音楽×演出がもたらす“犬仕事ドラマ”の新鮮さ

このドラマのもう一つの武器が、音楽と演出です。

音楽を担当するのはYOUR SONG IS GOOD。

疾走感のあるインストゥルメンタルが、犬と人間のドタバタ劇をポップに包み込み、時には胸にじんとくる余韻を残していました。

「犬ドラマ=癒しのBGM」という安易な発想を裏切り、お仕事ドラマとしてのテンションを音楽で支える工夫が光っていました。

演出陣もNHKドラマらしい職人技が際立ちます。

犬の表情を的確に切り取るカメラワーク、編集部の喧騒をリアルに描く群像劇の構図。

とりわけ、相楽と福助が部屋で向かい合う静かなシーンの照明は、「犬がいてくれるから生きていける」というテーマを視覚的に刻み込んでいました。

つまり第1話は、主演コンビのぶつかり合い、脇役陣の厚み、音楽と演出の誠実さがすべて合わさって、「犬ドラマ」の枠を飛び越えたのです。

キャストとスタッフが犬に本気で向き合っているからこそ、この作品の温度は視聴者に届きました。

結果として、「犬と仕事」という一見ユルいテーマが、リアルで骨太な人間ドラマへと昇華していたのです。

柴犬“のこ”の演技力と存在感

『シバのおきて』第1話で僕が何度も目を奪われたのは、人間キャストではなく、一匹の柴犬でした。

主人公・相楽の愛犬・福助を演じた柴犬“のこ”。

彼女はただの「犬役」ではなく、ドラマにおいて確かな演技力を持つ共演者でした。

ただのマスコットではなく共演者としての柴犬

犬が出てくるドラマは数あれど、多くの場合は「癒し要員」や「かわいい背景」として使われます。

しかし『シバのおきて』では、のこは徹底的に「登場人物」として扱われていました。

相楽が人生に迷い、落ち込む場面で、じっと彼の目を見つめるのこ。

その一瞬のまなざしだけで、台本以上の物語が語られていました。

「この犬は主人を信じている」という確信が、視聴者に強烈に伝わるのです。

つまり、のこは「ただそこにいる」存在ではなく、カメラの前で相楽と“芝居をしていた”。

共演者の大東駿介も「のこの視線に返すだけで芝居が成立する」と語るほどで、その存在感は人間キャストに並ぶものでした。

「柴犬界の芦田愛菜」と呼ばれる理由

のこが注目されるのは、今回が初めてではありません。

過去にも複数のドラマに出演し、その演技力から「柴犬界の芦田愛菜」と呼ばれるほどの実力派です。

第1話でも、その評価にふさわしい表現力を見せました。

例えば、玲花(飯豊まりえ)が犬を避ける場面。

のこは一歩近づき、少し首をかしげるだけで、「犬は敵意を持っていない」というメッセージを観客に伝えていました。

これは偶然の仕草ではなく、撮影現場で積み重ねられた訓練と、犬自身の集中力によるものです。

さらに驚かされたのは、編集部での群像シーン。

人間たちが激しく言い合う中で、のこは視線を動かし、時に伏し目がちになる。

「犬が空気を読んでいる」と感じさせる演技で、シーン全体を和らげていました。

キャスト陣も彼女の力量を認めています。

飯豊まりえは「のこがウィンクしてくれた」と驚きを語り、片桐はいりも「人間よりも芝居がうまい瞬間がある」とコメント。

このエピソードからも、のこが単なる“癒し”を超えて、ドラマの完成度を高める存在だとわかります。

第1話において、のこは相楽の再起の象徴であり、編集部をまとめる空気の潤滑油でもありました。

そして何より、視聴者にとって「犬と人間は言葉を超えてつながれる」というテーマを体現する存在でした。

のこがいることで、ドラマは単なる人間模様から“犬と人の共演劇”へと昇華していたと、僕は強く感じました。

『シバのおきて』第1話から見えるテーマ

第1話を観終えたあと、僕の頭に残ったのは「犬と人は互いの鏡だ」という一言でした。

ただ可愛い存在としての犬を描くのではなく、犬を通して人間の生き方を問う――これが『シバのおきて』の核心にあるテーマだと思います。

しかもそれは「犬モノの感動話」に留まらず、雑誌編集というリアルな仕事の現場を交差させることで、より切実で普遍的な物語に仕上がっていました。

犬と人は互いの鏡になる

編集長・相楽と柴犬・福助の関係は、第1話の中で「鏡の構造」として描かれていました。

相楽が落ち込むとき、福助はただ黙って寄り添う。

相楽が前を向こうとするとき、福助は嬉しそうに歩調を合わせる。

犬は人間の感情をそのまま映す存在であり、それはまるで鏡に自分の姿を映しているようでした。

しかもこの「鏡」は、時に人間を揺さぶり、思いもしなかった行動へと背中を押してくれます。

福助がいるからこそ、相楽は「シバONE」を立ち上げる決断を下せた。

つまり犬はただ人間の傍にいるだけでなく、人間の未来を変える力を持っていると、このドラマは語っているのです。

犬嫌いの玲花にとっても、福助は“避けたい存在”であると同時に、“自分の弱さを映す鏡”。

彼女が犬とどう向き合うかは、自己とどう向き合うかに直結しているのだと感じました。

仕事=生き方を問う「犬×お仕事ドラマ」

『シバのおきて』が面白いのは、単に「犬と人の絆」を描くだけではなく、そこに「仕事」という切実な要素を絡めていることです。

相楽にとって、犬雑誌の創刊は“左遷”であり“再挑戦”。

玲花にとって、犬雑誌の配属は“望まない現実”。

彼らにとって「犬」とは、人生の選択や仕事の意味を直視させる存在です。

だからこのドラマは「犬×お仕事ドラマ」という新しいジャンルを切り開いています。

例えば、編集部の打ち合わせで犬の扱いをめぐって激しく議論する場面。

そこにはただの愛犬談義ではなく、「何を伝えるために働くのか?」という根源的な問いが潜んでいました。

犬をどう撮るか、犬をどう記事にするか――その葛藤は、結局「仕事を通して自分は何を表現するのか」という問いに直結しているのです。

犬は彼らの職業倫理を映す鏡であり、同時に働く意味を揺さぶる存在でした。

このように第1話は、犬と人間の心の距離だけでなく、仕事と人生の距離をも描き出していました。

観終えた後に「自分にとっての福助は誰だろう?」「今の仕事にどんな意味を見いだせるだろう?」と考えさせられる。

そこにこそ、このドラマが単なる動物モノを超えて、普遍的なヒューマンドラマになっている理由があるのだと思います。

犬が編集部に持ち込んだ“沈黙の心理戦”

第1話を通して一番ゾワッとしたのは、人間たちが犬を前にしたときの心の変化だった。

会議室では言葉をぶつけ合い、立場やプライドで勝ち負けをつけようとする編集者たち。

けれど犬がその場にいるだけで、全員の空気がふっと変わる。

黙って見ている犬に、自分の本心まで覗かれているような緊張感が走るんだ。

沈黙が一番雄弁だった瞬間

相楽と玲花が激しく衝突したあと、場をつないだのは言葉じゃなく福助の存在だった。

犬は喋らない、でも目線一つで「本当はどうしたい?」と問いかけてくる。

この沈黙の圧力に、大人たちのプライドが揺らいでいくのが見えた。

犬は無言の心理戦の達人なんだと気づかされる。

人間同士の口論では届かなかった心の奥を、犬はただ“存在”でえぐってくる。

職場のリアルと重なる視線

犬に見られていると、取り繕った態度がすぐにバレる。

「本当はこの仕事をやりたくない」「でも逃げたくない」――玲花の葛藤も、福助の視線で丸裸にされていた。

これって現実の職場でもあるよな。

上司や同僚じゃなく、ふとした外の視線――新人の無垢さや、後輩の素直な目が、自分の嘘を照らし出す瞬間。

犬はその役割を引き受ける存在なんだと思う。

編集部の空気が変わり始めたのは、犬がいたからじゃなく、犬に“見られていた”からなんだ。

第1話の人間模様は、犬をきっかけにした無意識の心理戦だった。

人が犬を育てているようで、実は犬に心を調律されている。

編集部の物語は、そんな逆転の関係性から始まっている気がする。

NHKドラマ『シバのおきて』第1話ネタバレまとめ

NHKドラマ10『シバのおきて~われら犬バカ編集部~』第1話は、ただの犬ドラマではありませんでした。

崖っぷちの編集長と一匹の柴犬を軸に、人間の再起とチームの誕生が描かれた、骨太なヒューマンドラマでした。

可愛さや癒しの枠を越えて、犬と人がどう関わり合い、どう支え合うのかを問いかける、まさに「犬×お仕事ドラマ」の幕開けだったのです。

柴犬と編集者たちが織りなす再起の物語

第1話の大きなテーマは「再起」。

編集長・相楽はすべてを失い、再び立ち上がることを余儀なくされました。

その背中を押したのは、人間の言葉ではなく、柴犬・福助の存在感でした。

「犬は人間を裏切らない」――その真実が、彼の心を再び動かしました。

さらに、犬嫌いの玲花やクセ者揃いの編集部員たちが加わり、雑誌「シバONE」が動き出す。

この物語は、犬と編集者たちが互いに欠けたものを補いながら、人生を再構築していく物語だと確信しました。

柴犬の声を通して描かれる“沈黙の対話”もまた、再起を支える大きな要素でした。

犬たちはただ癒すのではなく、人間たちの未熟さを映し出す鏡であり、成長を促す教師のようでもありました。

次回以降の人間関係と柴犬の活躍に期待

第1話で提示されたのは、これから展開していく人間模様のプロローグにすぎません。

特に、犬嫌いの玲花がどのように福助と向き合っていくのかは、大きな見どころです。

彼女が犬を避けるのは単なる恐怖心ではなく、自分自身と向き合うことの回避でもある。

その葛藤が福助との関係を通じてどう変わっていくのか――視聴者として強く気になるところです。

また、ボムの渋い声を背負った津田健次郎、そして編集部に集うクセ者たちが、どのように「シバONE」を作り上げるのか。

仕事と犬、笑いと涙がどんなバランスで描かれていくのか。

「犬をどう描くか=人間をどう描くか」というテーマは、今後ますます濃くなっていくでしょう。

そして忘れてはいけないのが、柴犬“のこ”の存在感。

第1話で見せた「共演者」としての演技力は、次回以降さらに光を放つはずです。

犬と人の関係性が変化していくなかで、のこがどんな芝居を見せてくれるのか。

このドラマを追い続ける理由は、そこにもあります。

総じて第1話は、犬と人間の再起を描く導入回にして、強烈なテーマ宣言でした。

「犬は人を立て直す相棒だ」――この一言に尽きます。

次回以降、編集部が本当に雑誌を創刊できるのか、人間関係がどう変化するのか。

そして柴犬たちが人間にどんな問いを投げかけるのか。

笑って癒され、時に泣ける、新しい犬ドラマの形がここから本格的に走り出します。

この記事のまとめ

  • 崖っぷち編集長・相楽と柴犬福助の再起物語
  • 犬嫌いの新人玲花と犬好き編集部の衝突
  • 柄本時生と津田健次郎が犬の声を担当
  • 柴犬“のこ”が共演者級の演技を披露
  • 犬は人間の感情を映す鏡として描かれる
  • 仕事と人生を重ねた“犬×お仕事ドラマ”の新鮮さ
  • キャストとスタッフが本気で犬に向き合う温度感
  • 犬が編集部にもたらす“沈黙の心理戦”という独自視点
  • 第1話はテーマ宣言と次回への布石となる導入回

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