終幕のロンド 「終幕のロンド」第5話ネタバレ感想:心が壊れる前に、人は誰を抱きしめるのか——不倫と救済の狭間で
「終幕のロンド」第5話は、すれ違う心の臨界点が描かれた。草彅剛演じる鳥飼と中村ゆり演じる真琴が、失われた父を探す旅の中で、互いの傷を覗き合う。けれどその旅路は、まるで禁断の感情に踏み出すような危うさを孕んでいた。「不倫を疑われても仕方ない」——そんな言葉が突き刺さるほど、雨に濡れた伊豆の夜は、現実と感情の境界を曖昧にしていく。孤独と贖罪、そして“もう一度愛してはいけない人を想う”ことの罪深さ。この第5話は、昼ドラ的な誇張の裏で、誰もが抱える「再生できない心の物語」を静かに問いかけている。
