宗一郎は黒だったのか、それとも黒にされる側だったのか。
病院を抜け出し、息子の誕生日を祝うためだけに走ったあの姿は、政治家ではなく一人の父親だった。けれどその裏で動いていたのは、未公開株という“手を汚さずに汚れる仕組み”と、「ほっとけば黒だったのに」と呟く父の冷たい計算。
第7話は、脱税の白黒を争う物語ではない。
“黒にしやすい人間”がどう作られ、どう使われ、そしてどう切り捨てられるのか――その設計図が、静かに露わになった回だった。
- 宗一郎が黒にされかけた構図
- 未公開株という“罪の予約券”の正体
- 父の一言に潜む冷たい計算!
病院を抜け出した男が、最後に欲しかったのは“政治”じゃなく“誕生日”だった
始まりは、取引だった。
鷹羽宗一郎が差し出したのは「鷹羽家のカネの話」。欲しいのは、たった数十分の外出許可。明日、息子が留学へ飛ぶ。その前に一度だけ顔が見たい。
この願いがね、政治家のそれじゃない。父親のそれだ。だから余計に胸がざらつく。願いが小さすぎるほど、人は“囲い”の中でしか生きられない。
ザッコクの変装劇が笑えない理由——彼が“逃げる”しかない男だった
雑国室の面々が病院に乗り込む段取りは、コメディの顔をしている。
俵優香と飯島作久子は業者になり、正子はドクターの顔を貼り付ける。古町は宗一郎と入れ替わるための“影”を引き受け、笹野耕一まで噛んで脱出を成立させる。
でも笑えないのは、宗一郎が「助けてくれ」と言う時の温度だ。あれは策士の声じゃない。長い間、誰かが敷いたレールにだけ足を置いてきた人間の、滑り落ちる前の声。
この“脱出”が突きつけた事実
- 宗一郎は、自分の意思で動ける範囲が驚くほど狭い
- 周囲は「守る」ふりをして、選択肢を削ってきた
- だから彼のお願いは、権力の乱用ではなく“生存の穴”に見える
正子が呆れながらも折れるのは、情にほだされたからだけじゃない。
この男がこのまま病室に戻れば、“誰かの都合”で黒く塗られる未来が見えている。白黒の前に、染めやすい布として扱われる。そういう世界の冷たさを、正子は知りすぎている。
着ぐるみの中でだけ、彼は父に戻れた
ショッピングモールの駐車場。宗一郎は着ぐるみの中にいる。
顔も肩書きも隠して、やっと息子に近づける。言葉は短い。「誕生日おめでとう」「あと、ごめんな」「元気でな」「頑張れ龍二郎!」
ここ、心の奥が湿る。政治家のセリフには聞こえない。謝罪の角度が、完全に家庭のそれだ。
息子の「パパ…」は、呼びかけというより確認に近い。そこにいるのが本当に父なのか、確かめる声だ。
そして妻がカートを戻してくる一瞬で、宗一郎は消える。ここが痛い。家族に会うための脱出なのに、“家族の視線”からも逃げなきゃいけない。
昔、背中を見せないまま仕事に戻っていった大人を知っている。優しさはあった。でも優しさだけでは、席を守れない。宗一郎の背中も、それに似た匂いがした。
「カネの話」を餌にしたのに、出てきたのは祠の怪談――空っぽの男の“怖さ”
取引の約束は、たしかにあった。
「鷹羽家のカネの話をする。だから病院から出してくれ」
雑国室が命がけで動いたのは、その“見返り”が国家規模の汚れに繋がるかもしれないからだ。
ところが、返ってきたのは金脈じゃない。祠と、夜に鳴るゴーンという音。先祖の霊が三途の川の駄賃を欲しがって鳴らす――そんな怪談だ。
笑えるはずなのに、背中が冷える。宗一郎の「空っぽ」はギャグじゃなく、武器になる。
肩透かしの正体は“無知”ではなく、誰かが作った「知らないでいろ」だった
正子が激怒するのは当然だ。命を張らせておいて、返礼が怪談。ふざけるな、で終わる。
でも宗一郎の目は、嘘をついてる目じゃない。ほんとうに知らない。いや、知らされていない。
金の流れを握る家に生まれて、金の流れだけは触らせてもらえない。これ、教育じゃない。調教に近い。
宗一郎の“空っぽ”が怖い理由
- 本人が「悪いことをした」自覚に辿りつけない
- だから周囲が“手”を動かせば、本人は白い顔のまま黒くなる
- 責任だけがあとから降ってきて、逃げ道が塞がる
途中で麦谷が入ってきた瞬間、宗一郎が慌てて隠れるのも象徴だ。
あの動きは「バレたら困る」じゃなく、「叱られるのが怖い」に見える。権力者の怯え方じゃない。飼われた人間の反射だ。
麦谷が釘を刺す。「選挙期間中は絶対に行くな」。行くなと言われるほど、行かせたくない“現場”がある。
「信じたかった」がいちばん痛い――味方だと思っていた相手に嵌められる形
週刊誌で話題のハピハピホームズの名が出た時、宗一郎がポツリと漏らす。
「僕、知っているかも」
そして出てくる未公開株。受け取っていたのに、意味も価値も知らない。ここで空気が変わる。宗一郎の“知らなさ”は、笑いから一気に恐怖へ移る。
正子が説明するほど、宗一郎は小さくなる。
「つまり、あなたは灰島に嵌められた」
宗一郎の返答がまた刺さる。「薄々気づいていました」。入院するまでは出直し選挙と聞いていたのに、気づけば灰島の出馬会見になっていた。それでも“何か考えがある”と信じたかった。
信じたかった、は祈りだ。祈りは武器にならない。むしろ、利用される。
戻りたくない場所がある時、人は“正しさ”より“息”を選ぶ
影武者の古町がバレるのは時間の問題だから、病院へ戻った方がいい。笹野が現実を言う。
宗一郎は叫ぶ。「あそこにはもう戻りたくない!」
この言葉に、政治ドラマの化粧が一瞬剥がれる。
病院は治療の場所じゃない。監禁の延長だ。戻った瞬間に、また誰かの都合の“お飾り”へ戻される。
未公開株は、札束じゃない。
「自分の手を汚した実感がないまま、罪だけが積み上がる紙」だ。
ここまでで見えてくるのは、犯人探しより先にある構図だ。
宗一郎は黒か白か、ではない。黒に染めやすいように、最初から漂白されてきた人間だ。
次に掘るべきは“誰が手を動かしたか”。そして“誰が、彼を空っぽに育てたか”。
未公開株は“賄賂”じゃない。手を汚さずに、人だけ汚れる紙だった
ハピハピホームズの未公開株が出てきた瞬間、空気が急に生臭くなる。
現金みたいに重さがないのに、受け取った瞬間から人生の首根っこを掴んでくる。
宗一郎が「意味も知らずに持っていた」のがポイントで、これ、本人の愚かさを笑う話じゃない。
“知らないまま持たされる”ってことは、誰かが「理解させない」方向に舵を切っている。
つまり未公開株は、金そのものじゃなくて、誰かが人を操るためのリモコンだ。
「嵌められた」を“薄々気づいていた”という痛み——信じたかった男の弱さ
正子が冷たく整理する。「あなたは灰島に嵌められた」。
宗一郎は否定しない。「薄々気づいていました」。
入院する前は出直し選挙だと聞いていたのに、いつの間にか灰島の出馬会見になっていた。
それでも“何か考えがある”と信じたかった。ここが刺さる。
裏切られたから傷つくんじゃない。
自分が「信じることで都合よく使われた」と悟った瞬間、人は骨の奥から崩れる。
箱山の「間抜けなやり方はしない」が示すのは、黒の“格”の違い
箱山との接見で、正子は未公開株の件に箱山が絡んでいないと読む。
理由がいい。「やり方が稚拙すぎる」そして箱山は言う。「あんな間抜けなやり方はしない」。
ここ、背筋が伸びる。悪党が悪党として“美学”を語る時、世界のルールが透ける。
雑な黒は目立つ。上等な黒は、白の顔をして深く潜る。
だから箱山は“筋が違う”。そして本筋は別にある、という合図になる。
税理士・桑原が背負った罪悪感——「口を閉ざす」もまた共犯になる
箱山が渡した手がかりが、元顧問税理士の桑原。無料税理相談をしている男だ。
彼は見てしまった。応接室で、社長が宗一郎と灰島に株券を渡す場面を。
問い詰めると、返ってきたのは“土地情報と引き換えに株を譲った”という匂いのする説明。
桑原は止めた。でも翌日、首を切られた。
そして彼は黙った。その選択を「自分も同罪」と言う。ここがリアルだ。
正義はいつもヒーローの顔をしていない。生活の顔をして、口を塞いでくる。
この取引が残酷なポイント
- 株券は“現金”じゃないから、受け取っても危機感が薄い
- 手を動かすのは周囲で、本人は「よく分からないまま」座っていられる
- 黙った人間まで罪悪感で縛られ、沈黙が連鎖する
ここから先は、金の額より怖い話になる。
“金を知らない男”が、金で汚れる仕組みが整ってしまった。
しかもその汚れは、本人の自覚より先に、世間の見出しとして襲ってくる。
未公開株は“賄賂”じゃない。手を汚さずに、人だけ汚れる紙だった
ハピハピホームズの未公開株が出てきた瞬間、空気が急に生臭くなる。
現金みたいに重さがないのに、受け取った瞬間から人生の首根っこを掴んでくる。
宗一郎が「意味も知らずに持っていた」のがポイントで、これ、本人の愚かさを笑う話じゃない。
“知らないまま持たされる”ってことは、誰かが「理解させない」方向に舵を切っている。
つまり未公開株は、金そのものじゃなくて、誰かが人を操るためのリモコンだ。
「嵌められた」を“薄々気づいていた”という痛み——信じたかった男の弱さ
正子が冷たく整理する。「あなたは灰島に嵌められた」。
宗一郎は否定しない。「薄々気づいていました」。
入院する前は出直し選挙だと聞いていたのに、いつの間にか灰島の出馬会見になっていた。
それでも“何か考えがある”と信じたかった。ここが刺さる。
裏切られたから傷つくんじゃない。
自分が「信じることで都合よく使われた」と悟った瞬間、人は骨の奥から崩れる。
箱山の「間抜けなやり方はしない」が示すのは、黒の“格”の違い
箱山との接見で、正子は未公開株の件に箱山が絡んでいないと読む。
理由がいい。「やり方が稚拙すぎる」そして箱山は言う。「あんな間抜けなやり方はしない」。
ここ、背筋が伸びる。悪党が悪党として“美学”を語る時、世界のルールが透ける。
雑な黒は目立つ。上等な黒は、白の顔をして深く潜る。
だから箱山は“筋が違う”。そして本筋は別にある、という合図になる。
税理士・桑原が背負った罪悪感——「口を閉ざす」もまた共犯になる
箱山が渡した手がかりが、元顧問税理士の桑原。無料税理相談をしている男だ。
彼は見てしまった。応接室で、社長が宗一郎と灰島に株券を渡す場面を。
問い詰めると、返ってきたのは“土地情報と引き換えに株を譲った”という匂いのする説明。
桑原は止めた。でも翌日、首を切られた。
そして彼は黙った。その選択を「自分も同罪」と言う。ここがリアルだ。
正義はいつもヒーローの顔をしていない。生活の顔をして、口を塞いでくる。
この取引が残酷なポイント
- 株券は“現金”じゃないから、受け取っても危機感が薄い
- 手を動かすのは周囲で、本人は「よく分からないまま」座っていられる
- 黙った人間まで罪悪感で縛られ、沈黙が連鎖する
ここから先は、金の額より怖い話になる。
“金を知らない男”が、金で汚れる仕組みが整ってしまった。
しかもその汚れは、本人の自覚より先に、世間の見出しとして襲ってくる。
売らなかったから“罪にならない”――救われたのに、胸が軽くならない逆転
いちばん皮肉なのは、宗一郎が助かる理由が「善行」じゃなく「未遂」なところだ。
未公開株を受け取っていた。状況だけ見れば黒に寄っていく。なのに致命傷にならない。
なぜか。宗一郎が“現金化していなかった”からだ。
救われたはずなのに、空気が晴れない。むしろ曇る。
この世界は、正しさで裁かれない。手続きで裁かれる。だから人は、正しくても傷つく。
「怖くて売れなかった」——弱さが、罪の確定を止めた
正子は宗一郎に株券を現金化するよう促し、税務調査を避ける“逃げ方”まで組み立てる。
ところが宗一郎は言う。「現金化していない」。
皆が驚く。ここで一気に論理が反転する。売ってないなら申告も発生しない。だから脱税に問えない。
宗一郎は「なんていうか、怖くて」と続ける。
この“怖い”は、単なる臆病じゃない。
金が持つ暴力を、初めて自分の皮膚で感じた怖さだ。知れば知るほど手が震える。触った瞬間に、人が変わる気配がする。だから売れない。
宗一郎の恐怖は「捕まるのが怖い」じゃない。
“金に触れた自分が別人になる”のが怖い——そんな顔をしていた。
古町の涙が暴いたもの——“代わりに汚れる人”の存在
宗一郎が口にする。
「僕の理解より、お金の保つ力がとんでもなく大きくなる。知れば知るほど怖い。僕のかわりに手を汚す人も大勢いると思います」
ここで古町が耐えきれず、涙ながらに励ます。「もう自分に嘘をつく必要はないよ」
この涙が重いのは、友情の美談だからじゃない。
古町は“影武者”として入れ替わった。つまり、宗一郎の代わりに顔も責任も背負える位置にいた。
その人間が泣く。
それは、宗一郎が可哀想だからじゃない。
「代わりに汚れる側」の現実が、あまりに生々しいからだ。
「悪意あるバカ」か「そうでないバカ」か——正子が選んだ言葉の刃
正子は宗一郎に言い切る。
責任から逃れることはできない。けれど、あなたが「そうでないほう」で良かった、と。
この言い方がうまいのは、慰めていないところだ。
免罪符を渡さずに、人としての最低ラインだけは確保する。
宗一郎は“白”ではない。でも、意図して黒に塗ろうとした側とも違う。
そして正子は次の一手に切り替える。
麦谷に告げる。「宗一郎は脱税に問えない。本丸は鷹羽(灰島)直哉だ」
矛先が変わった瞬間、空気がピンと張る。
ここから先は、気の弱い男の末路じゃない。
気の弱い男を“黒にして捨てる計画”の匂いがしてくる。
週刊誌の「雲隠れ」が火をつけたのは、疑惑じゃない。“父の同盟”という寒気だった
宗一郎が「罪にならない」側に転んだ瞬間、普通なら少し空が明るくなる。
でも世間は、救いより先に見出しを選ぶ。
週刊誌に踊ったのは“雲隠れ”。まるで逃亡者みたいな言い方で、本人の輪郭を黒く塗る。
ここで嫌なのは、事実より印象が先に走るところ。人は「白かもしれない」と考える前に、「逃げた=黒」と結論を急ぐ。
そして、その“世間の雑さ”を利用する側が、次の扉を開ける。
「雲隠れ」は誰の得か——宗一郎を“黒い見出し”にしてしまう最短距離
宗一郎は現金化していない。だから手続き上は致命傷になりにくい。
でも、それって「話題になりにくい」ってことでもある。
そこで登場する“雲隠れ”という言葉。便利すぎる。中身が曖昧なまま、疑惑だけを増幅させる。
疑惑が大きいほど、別の黒が隠れる。黒は濃い影の後ろに逃げ込める。
「雲隠れ」報道が生む“都合のいい流れ”
- 宗一郎=逃げた人、という印象が固まる
- 説明や検証より「叩きどころ」が先に共有される
- 本当に守りたい人物が、世間の視線から消える
正子が本丸を灰島(鷹羽)直哉に向けた直後に、この見出しが出るのも、タイミングが良すぎる。
偶然って顔をしてるけど、偶然にしては出来すぎている。
誰かが“宗一郎の黒”を必要としている。黒が確定しないなら、黒っぽく見せればいい。世間は、確定を待たないから。
国会議事堂の近くで見た「同じ車」——親子の問題じゃない、盤面の話
そして、正子は見てしまう。
国会議事堂の近くで、灰島(鷹羽)直哉と一緒に車へ乗り込む父・田次。
この目撃が怖いのは、裏切りのショックじゃない。
「最初から同じ側だった」匂いがするからだ。
宗一郎を“守ってきた”ように見える父が、実は宗一郎を盤面に固定するために守っていた可能性。
息子を育てたんじゃない。息子を“動かない駒”に仕立てた。その結果が、病院という檻であり、周囲任せの金の扱いであり、未公開株の置き土産だった。
「ほっとけば黒だったのに」——あの一言が“父の愛”ではなく“父の計算”に聞こえる理由
田次がこぼした「ほっとけば黒だったのに」。短いのに、刃が長い。
ここで重要なのは、“黒”が誰の黒かを明言してないことだ。だから余計に不気味になる。
宗一郎が現金化していれば、もっと分かりやすく燃えた。世間はもっと叩けた。
つまり「ほっとけば」は、宗一郎を救う言葉じゃない。
宗一郎が勝手に沈むのを待つ言葉だ。沈めば盤面が整う。沈めば誰かが浮く。
この一言が刺さるポイント
“ほっとく”は無関心じゃない。
沈むことを期待して見守る、最も冷たい能動だ。
宗一郎は、自分の手で売らなかった。その弱さが、罪の確定を止めた。
でも父の視線は、息子の無事より「黒が確定する未来」に向いているように見える。
そのズレが寒い。心の温度が一段下がる。
家族の形をした同盟。保護の形をした支配。
正子がこれを見た以上、次に踏み込むのは“脱税の証拠”じゃない。
誰が、宗一郎を黒く塗って捨てるつもりなのか。その設計図の中心に、父がいるのかどうか——そこが焦点になる。
まとめ:白黒の話じゃない。“黒にしやすい人間”が作られてきた物語だった
病院を抜け出して、息子の誕生日だけを渡しに行く。
その姿は政治家のドラマじゃなく、父親のドラマだった。だから胸が濡れる。
でも、その直後に突きつけられるのは「家のカネ」の話ではなく、祠の怪談。肩透かしの笑いじゃ済まない。宗一郎は知らないんじゃない。“知らないでいろ”のまま置かれてきた。
そこへ未公開株。触った瞬間に人生の指紋がべったり付くのに、本人の手は汚れていないように見える。手応えがないぶん、罪も痛みも遅れて襲う。
そして最大の皮肉が、「売っていないから致命傷にならない」。弱さが、罪の確定を止めた。救われたのに、空は晴れない。
最後に週刊誌の“雲隠れ”が燃料を撒き、父・田次が灰島(鷹羽)直哉と同じ車に乗る。ここで寒気が走る。家族の形をした同盟、保護の形をした支配。
「ほっとけば黒だったのに」――あれは感情じゃない。盤面を整える計算の言葉に聞こえた。
押さえておきたい要点(ここだけ読んでも流れが掴める)
- 脱出の目的は“政治”じゃなく、息子への「誕生日おめでとう」だった
- 金の話が怪談に化けたことで、宗一郎の「空っぽ」が笑いから恐怖へ変わる
- 未公開株は「手を汚さずに汚れる」装置。黙った人間まで共犯にする
- 売っていないから罪が確定しにくい──救いが“未遂”で成立する皮肉
- 雲隠れ報道と父×灰島の同席で、黒の中心が“別の場所”にある匂いが濃くなる
シェア用の一文
無知は免罪符じゃない。操られるための取っ手だ。
“ほっとく”は無関心じゃない。沈むことを期待して見守る、最も冷たい能動だ。
ここから先の見どころは、証拠探しより“設計図”の解体になる。
誰が宗一郎を黒にして捨てたかったのか。誰がそれを止めたのか。
そして田次は、守るために手を回してきたのか、沈めるために手を回してきたのか。
答えが出た瞬間、この物語は「脱税」より「家族」の方がよほどグロいと分かるはずだ。
- 宗一郎の病院脱出と父としての一面!
- 鷹羽家の“カネの話”は肩透かしの怪談
- 未公開株という見えない罠の存在
- 現金化していないことで罪は未確定
- 弱さが黒確定を止めた皮肉な構図
- 「悪意あるバカ」ではない救い
- 雲隠れ報道が生む印象操作の怖さ
- 父の「ほっとけば黒」が示す冷酷な計算





コメント