2025年8月公開の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』では、沖縄と鹿児島を舞台にした壮大な離島ロケが話題です。
この記事では、沖縄県を中心とした実際の撮影地から、群馬・千葉・茨城・神奈川など都心圏での緊迫シーンに使われた場所まで、最新のロケ地情報をわかりやすくまとめました。
アユミの視線を少し交えつつ、情緒よりも信頼できる情報を重視してお届けします。
- 『TOKYO MER〜南海ミッション〜』のロケ地情報がわかる!
- 都市部から離島まで、全7地域の撮影背景を丁寧に解説
- ロケ地選定に込められた“命を運ぶ物語”の意図を読み解ける
沖縄県と鹿児島・諏訪之瀬島が舞台:南海ミッションの中心ロケ地
助けを呼ぶ声が届かない場所。
連絡が途絶えたその向こうに、誰かが生きているかもしれない──
『TOKYO MER〜南海ミッション〜』が向き合ったのは、“医療が届かない現場”でした。
その舞台として選ばれたのが、沖縄県本島と鹿児島県・諏訪之瀬島。
どちらも、美しい自然に囲まれながらも、災害時には“孤立”というリスクを抱える場所です。
● 沖縄県本島(北部・中部・南部)での主要撮影
沖縄本島での撮影は、2024年11月からおよそ1ヶ月間にわたって行われました。
ロケ地は北部の国頭村・今帰仁村・名護市をはじめ、中部の沖縄市・うるま市、南部の那覇市近郊まで広範囲にわたります。
北部では、MERの車両が山道を駆け抜ける緊迫のシーンが撮影されたと見られます。
森に囲まれた一本道──救急車のサイレンが山々に反響する音は、きっと現地の空気まで震わせたはずです。
うるま市の海沿いでは、搬送や避難誘導の場面が。
災害時、水と道路のどちらからもアクセスが困難になるこの地域は、「届かない」状況をリアルに再現するには最適な場所でした。
那覇周辺では、住宅街や市街地での“日常が崩れる瞬間”が描かれた可能性もあります。
南国の陽射しのもと、いつもの道に緊急車両が並ぶ。──そのギャップこそが、映画の緊張感を際立たせているのです。
沖縄県フィルムオフィスも本作の撮影を公に支援しており、住民への事前告知や交通整理など、本格的なロケが行われたことが報告されています。
この島の“静けさ”が揺れるとき、私たちは「医療が届くという奇跡」がどれほど貴重かを知るのかもしれません。
● 鹿児島県・諏訪之瀬島:火山噴火シーンのモデル地
劇中で描かれる“島の火山噴火”──そのモデルとなったのが、鹿児島県の離島・諏訪之瀬島(すわのせじま)です。
東シナ海に浮かぶこの小さな島は、現在も御岳(おんたけ)が活動を続ける活火山。
人口わずか70人ほど。医療施設も限られ、天候によって交通が途絶えることも少なくありません。
映画で描かれた「火山噴火による島の孤立」は、単なるフィクションではなく、現実として起こりうる風景です。
実際に諏訪之瀬島で撮影が行われたかは明らかにされていませんが、制作サイドはこの島をモデルに構成したと明言しており、映像の中にはその地形や雰囲気が色濃く反映されています。
「誰も来てくれないかもしれない」
そんな不安の中で、“来てくれる存在”がいること。
それがどれだけ心強いか、映画は何度も静かに語ってくれます。
諏訪之瀬島という選択は、ただの演出ではありません。
命を運ぶチームが、なぜ“そこへ行くのか”を観客に理解させるための、必然だったのです。
離れた場所にも、命がある。
そして、そこへ向かう人がいる──
この映画が映した風景は、きっとそれを忘れないための記憶地図です。
群馬県高崎市:都市部での緊急対応シーン撮影
日常の中に、突然“異常”が入り込んだとき。
それは、災害という言葉よりも、もっと静かで、もっと現実的な「違和感」から始まる。
『TOKYO MER〜南海ミッション〜』がロケ地に選んだ群馬県高崎市は、まさにその“違和感”が最もリアルに映える場所だった。
● JR高崎駅近く/徒歩15分圏内でロケ実施
2025年初頭、高崎市ではJR高崎駅を起点とした徒歩15分圏内で、複数の撮影が行われました。
目撃情報によれば、駅前の通りや交差点、近隣の公共施設や商業ビル付近が撮影エリアに含まれており、MERの特殊車両が市街地を走るシーンが撮られていたとのこと。
高崎駅周辺は、北関東でも有数の都市交通の要所。
新幹線・JR在来線・バスが交差する街だからこそ、「人の流れが止まる」ことの異様さが、画面を通して伝わる。
災害の恐ろしさは、爆発音や倒壊だけじゃない。
その場にいた“ごく普通の人たち”が、ほんの一瞬で迷い、立ち尽くす──その空気の揺れにこそ、緊張感が宿る。
だからこそ、この街の風景が選ばれたのかもしれません。
坂の少ないフラットな道路、見通しの良い交差点、並ぶビルと人の距離。
それは、医療チームの動きが映像の中で生きるための、静かな舞台装置でした。
駅近くのロータリーには、緊急車両が複数台配置され、エキストラが避難誘導されるカットも目撃されました。
派手ではないけれど、その一瞬一瞬が、どこかの現実に似ていた。
● フィルムコミッションを通じたエキストラ募集情報
高崎市での撮影には、群馬県フィルムコミッションを通じてエキストラ募集が行われたという記録も残っています。
2025年1月ごろ、10代から60代までの幅広い年齢層が対象となり、「街を歩く人」「避難する住民」「救護される役」など、災害時の“ごく普通の人たち”の役柄が多数募集されました。
守秘義務の関係で撮影内容は伏せられていましたが、参加者の証言によれば、「大きな通りにMERの車両が並び、スタッフの声とサイレンが夜の街に響いていた」とのこと。
誰かが助けを待っていて、誰かがそれに応えていた。
そんな“非日常”を、一度きりの“本番”として街が受け入れた数日間だったのです。
高崎という街は、普段は穏やかで、空が広くて、人もどこか控えめで。
でもこのときだけは、その空に、光と音が重なった。
それは、スクリーンの中では数十秒かもしれない。
でも、現場にいた人には、ちゃんと残っている。
自分の街に「命を運ぶチーム」が来たという記憶。
そしてこの街はきっと、また誰かが助けを求めるとき、静かに“現場”になる。
千葉県木更津市:夜間撮影にも活用された街並みの演出
海のそばは、夜が深い。
昼間は光を跳ね返していた水面が、夜になると、すべてを静かに抱き込んでしまう。
『TOKYO MER~南海ミッション~』で、千葉県木更津市がロケ地に選ばれたのは、きっとその“静けさ”を背景にしたかったからだと思う。
● 2025年3月17日エキストラ募集実績あり
木更津での撮影は、2025年3月中旬に実施されました。
特に3月17日には公式エキストラ募集が行われ、市内では夜間撮影のための機材搬入、スタッフの誘導、交通整理などが確認されています。
参加者の情報によれば、撮影場所は海沿いの倉庫街、港湾エリア、そして駅から少し離れた通り沿いだったとのこと。
「サイレンの音と、波の音しか聞こえなかった」という声が、印象的でした。
MERの車両が現場に到着し、ライトが夜の景色を照らす。
それはただの撮影のはずなのに、誰かの記憶に、深く刻まれてしまうような光景だったのかもしれません。
募集要項に記載されていた役柄は、「避難する通行人」「岸壁に集まる住民」「船から搬送される負傷者」など。
“演じる”というより、“その場に立っているだけ”で成立する役ばかり。
この映画が描こうとしていたのは、「救う側」だけじゃなく、「そこにいた人たち」の空気だったんだと思います。
● 港町ならではの雰囲気演出シーン推測
木更津は、東京湾に面した港町。
かつては造船の街としても栄え、今でもその名残を残す倉庫や波止場が点在しています。
昼と夜で空気が変わるこの街は、非日常の入り口として、とても映画向きな場所。
『南海ミッション』では、港から運ばれてくる負傷者、漁船から緊急連絡を受ける医療チーム、岸壁でのトリアージ──そうした場面が想像されます。
「人が集まる場所ではない場所に、人が集まってしまう」
それが災害時のリアルであり、木更津という場所がその状況を静かに映し出したのでしょう。
実際のロケ現場では、深夜にもかかわらずスタッフの声が響き、赤色灯の光が水面に映っていたと言います。
それはどこか、“映画の中の非現実”というよりも、“起こりうる現実の予告編”のようだった。
木更津のような日常の街が、「命を救う舞台」になる。
それは少しだけ切なくて、でもどこか誇らしくて。
スクリーンに映るその光景は、もしかしたら、あなたの記憶の中にも似た景色があるかもしれません。
夜の街で、誰かを待っていた光。
その記憶を、この映画は、ちゃんと形にしてくれていました。
茨城県土浦市およびつくば市(花室トンネル):災害再現にうってつけのロケ地
「出口の見えないトンネル」という言葉がある。
でもほんとうは、出口が見えないからこそ、人は前へ進もうとするのかもしれない。
『TOKYO MER〜南海ミッション〜』が選んだ茨城のロケ地には、そんな“希望の先”を描くような静けさがあった。
● 土浦市:大規模避難シーンの撮影可能性
2025年春、茨城県土浦市では、映画の大規模ロケに伴ってエキストラの募集が行われました。
市内中心部にある公共施設の駐車場や、広い歩道・交差点などを舞台に、避難誘導や救護活動の再現シーンが撮影されたと見られています。
この街の特徴は、都市機能を持ちつつも、少し郊外に出れば“道幅の広い生活道路”や“河川沿いの空間”がすぐに現れること。
だからこそ、災害時の避難シーンや、トリアージのような“移動できない現場”の描写に適していたのだと思います。
目撃証言の中には、「建物前で応急処置を受ける市民」「警察や消防に誘導される通行人」といった様子がリアルに記されていました。
誰かの叫び声。
走り抜ける救命士。
それはたった数秒の出来事かもしれないけど、画面に映った瞬間、観ている私たちの中にも“あの日のどこか”が蘇る。
土浦という日常の風景が、ほんの一瞬、映画の中で「命の現場」に変わった。
それは、演出ではなく、現実の可能性として刻まれていたのだと思います。
● つくば市 花室トンネル:MER車両走行シーンを目撃報告あり
同時期、つくば市にある花室トンネルでも、『TOKYO MER』の撮影が行われたとSNS等で報告されました。
このトンネルは、全長約300メートルの片側1車線で、周囲は視界が閉ざされる構造になっています。
その閉鎖性ゆえに、緊張感を伴う災害シーンや“行き止まりの中での救命活動”の演出には、最適なロケーションだと考えられます。
現地で撮影を見た人の中には、「赤色灯がトンネル内で何度も反射していた」「MER車両が何度もバックで出入りしていた」という声も。
トンネルという空間には、時間が止まったような独特の重さがある。
そこにMERの車両が入っていくシーンは、まるで「今から命を迎えに行く」ような張り詰めた空気に包まれていたはずです。
音が吸い込まれる。
光がぼやける。
出口が見えるまで、ただ走り続ける。
それは、命を運ぶ人たちが、何度でも繰り返してきた道。
花室トンネルのシーンは、おそらく派手ではない。
でも、胸に残る。
たとえば、照明に照らされた背中。
冷たいアスファルトの上で、無言で処置を受ける誰か。
派手な演出がなくても、その“黙って語る瞬間”が、映画の本質を物語っていた。
そしてその舞台に、茨城の“静かな現場”があったということ。
私たちは忘れずにいたい。
神奈川県小田原市:海沿いミッションシーンの撮影スポット
海の見える場所で、誰かを待っていたことがある。
もう来ないとわかっていても、波の音が、それを言い切らせてくれなかった。
『TOKYO MER〜南海ミッション〜』がロケ地に選んだ神奈川県小田原市・根府川(ねぶかわ)エリアは、そんな風景の中にあった。
● 根府川駅付近で2月に撮影実施
ロケが行われたのは2025年2月、場所はJR東海道本線「根府川駅」周辺。
小田原市の南端に位置するこの駅は、海が間近に広がる数少ない無人駅のひとつです。
山と海のあいだに、静かに呼吸するように建っているその駅舎は、映画の“静と動”を引き立てる背景として理想的でした。
目撃情報では、駅周辺の小道や海岸線沿いの歩道、さらには崖下の防波堤まで、複数箇所で撮影が確認されています。
特に注目されたのは、MERの車両が駅から海側へ向かって進入するシーン。
崩れかけた斜面、海に向かって叫ぶ人影、そして誰かを探す救命士の姿──
“来られるはずのない場所”に、ほんとうに来てくれた。
それが、この映画の伝えたかったことのひとつだったと思います。
● 沿岸部を活かした救助シーンの演出用途推測
根府川駅から見える海は、まっすぐで、濁りがなくて、どこか冷たい。
その海辺を舞台に、おそらく“転落事故”や“孤立した住民の搬送シーン”が描かれたと考えられます。
沿岸部特有の、アクセス困難な斜面や限られた導線は、救命の難しさと同時に、チームワークや判断力を描く上で欠かせない舞台装置でもあります。
映画の中では、おそらく誰かが叫ぶ。
「ここにいます! こっちです──!」
その声に、誰かがすぐに応えてくれる。
それだけで涙がにじむのは、「助かる」ことが、どれだけ特別かを知っているから。
そしてその“特別”を、ちゃんとこの場所で映してくれたこと。
海が見えるからこそ、「この先がない」と思ってしまう場所。
でも、そこへ走ってくるライトの粒が、“まだ終わってない”って教えてくれる。
小田原・根府川の海辺でMERのサイレンが鳴ったとき、
それは単なる演出じゃなかった。
誰かが、まだ助かるはずの命を、諦めていなかったということの証だった。
映画の中では、波の音にかき消されるセリフもあるかもしれない。
でも、画面の外の私たちには、それがちゃんと届いている。
──助けを待っていた誰かのところに、本当に届いた音として。
地理的に見るロケ地構成の全体像
この映画が教えてくれたのは、「命の現場」は、どこにでもあるということだった。
離島でも、都市部でも。
波の音が聞こえる場所でも、雑踏の中でも。
● 離島・海辺と都市部の対比が描くスケール感
『TOKYO MER〜南海ミッション〜』のロケ地は、あまりにも広く、あまりにも多様だった。
それは“スケール”という言葉では片づけられない。
沖縄の港に降り立つMER車両と、群馬の駅前を駆け抜ける救命士。
その距離と温度差こそが、この映画の“現場の広がり”を物語っていた。
火山が噴き上がる島の中で、「どうすれば生き延びられるか」を探すチーム。
一方で、都市の交差点では「あと5分で止血しなければ命が危ない」状況が進行している。
同じ“救命”という言葉の中に、環境も、アクセスも、時間の流れさえ違う命の風景が共存していた。
映画の視点がすごかったのは、それらをバラバラの物語にせず、“一本の線”でつないだこと。
それはきっと、「どこであっても命は命」という、当たり前すぎて見落としがちな感覚を、もう一度私たちに思い出させるためだった。
● 全国各地を巡るMERの救命ミッションらしさ
この映画が放った“MERらしさ”は、単にサイレンを鳴らして現場に向かう姿ではなかった。
「どんな場所でも、自分たちが動けば命は救える」という、静かで強い信念だった。
沖縄本島、諏訪之瀬島、高崎、木更津、土浦、つくば、小田原──
ロケ地を追いかけるほどに、このチームが“日本という国の命の地図”を辿っていたことがわかる。
それぞれの土地に、土地の人の暮らしがあって。
それぞれの風景に、そこにしかない“支えられている命”がある。
派手な爆発も、劇的な手術シーンも、この映画にはある。
でも、そのどれもが浮いていないのは、ロケ地の空気が、ちゃんとリアルだったから。
その場所でしか起こらない“助け”を描くために、ちゃんとその場所に立っていた。
だからこそ、観客は画面越しに「ここ、知ってる」と思えたし、「こういうこと、ほんとに起こるかもしれない」と感じた。
地図を広げれば、MERの軌跡は不規則に見えるかもしれない。
でも、そのどれもが、誰かの「たすけて」に向かっていた。
それが、この映画にしか描けない、命のスケールだった。
TOKYO MER‑南海ミッション‑ ロケ地まとめ
この映画に登場するすべてのロケ地には、「ただの背景」ではない意味があった。
それぞれの土地に、それぞれの暮らしがあり、それぞれの“助けを待っている時間”が描かれていた。
そして、MERはそこに向かった。
沖縄本島では、孤立した港町へ。
諏訪之瀬島では、火山と共に生きる人々のもとへ。
高崎の市街地では、目の前で倒れた命に。
木更津では、夜の海辺で灯りを探す人の元へ。
つくばのトンネルでは、行き場のない車の中へ。
そして根府川の海辺では、“もう間に合わないかもしれない”命へ。
この映画のロケ地を追いかけるということは、誰かの「たすけて」が聞こえた場所をたどることに、少し似ている。
それは、救命の記録であり、希望の地図でもある。
劇中ではほんの数分しか映らなかった場所もある。
でも、その1カットを撮るために、その土地の人が協力して、交通が止まり、空気が緊張した。
「ただの映画」で終わらせないために。
「命の物語」として残すために。
全国を巡ったMERの軌跡は、どの場所でも等しく重たく、あたたかかった。
そして観る側の私たちもまた、いつかその「現場の一員」になる日が来るかもしれない。
この映画のロケ地が、どこかで見たことのある風景に見えるのは、
きっとそのためなんだと思う。
どんなに遠くても、どんなに小さくても、命のある場所に向かって走る。
『TOKYO MER〜南海ミッション〜』は、その想いを、ちゃんと現地で撮った映画でした。
- 『TOKYO MER〜南海ミッション〜』の主要ロケ地を網羅
- 沖縄や諏訪之瀬島など離島でのリアルな救命シーンを紹介
- 高崎・木更津など都市部との対比でスケール感を演出
- 茨城・神奈川ではMERの緊迫感あふれる移動シーンを撮影
- 各地でエキストラ募集も実施されたロケの臨場感
- 地理的視点から見たロケ地構成の意味と意図を解説
- MERが巡った全国の現場が“命の地図”として描かれている
コメント