映画『かくかくしかじか』考察！「許されない嘘」とは？原作最終巻から結末を予想！

2025年5月16日、東村アキコの自伝的漫画『かくかくしかじか』がついに実写映画化されます。

主演は永野芽郁、恩師・日高先生役には大泉洋が抜擢。

本作の特報では、主人公・明子が「私は許さない嘘をついた」と涙ながらに語るシーンが大きな話題となっています。

果たして、この「許されない嘘」とは何を意味するのか？

本記事では、原作最終巻の展開を振り返りながら、映画の結末を考察していきます。

映画『かくかくしかじか』とは？実写化の概要

2025年5月16日、東村アキコの自伝的漫画『かくかくしかじか』が待望の実写映画化されます。

原作は、東村自身が「泣きながら描いた」と語るほど恩師・日高先生との関係をリアルに綴った作品です。

これまで映像化の話は何度も持ち上がっていましたが、東村は「完璧な形での実現は不可能」として断り続けていました。

しかし今回は、東村自身が脚本を担当し、キャストや演出にも深く関わることで、納得のいく作品が完成したと語っています。

主演・永野芽郁×大泉洋の豪華キャスト

主人公・林明子（東村アキコの分身）を演じるのは、実力派女優の永野芽郁。

繊細な演技に定評があり、過去にも漫画原作作品でその実力を発揮してきた彼女が、

「漫画家になる夢」と「恩師との関係」に葛藤する明子をどう演じるのか注目されています。

一方、破天荒な恩師・日高健三を演じるのは大泉洋。

東村アキコ自身が「この役は大泉さんしかいない」と熱望し、キャスティングが決定しました。

特報映像では、大泉洋が竹刀を振り回しながら「描け！」と怒鳴る姿が、原作そのままだと話題になっています。

東村アキコが自ら脚本を担当！

東村アキコは、映画化の決め手について「永野芽郁が主演なら、素晴らしい作品になると確信した」とコメントしています。

また、彼女自身が映画の美術監修も担当。

劇中に登場するデッサンや絵画は、すべて東村がチェックしており、そのこだわりがうかがえます。

日高先生との関係を実際に体験した本人だからこそ描ける、リアルで感動的な脚本に期待が高まっています。

原作漫画『かくかくしかじか』のあらすじ

『かくかくしかじか』は、東村アキコ自身の実体験をもとに描かれた自伝的作品です。

漫画家を夢見る少女・明子と、彼女の人生を大きく変えた恩師・日高先生との関係を描いた感動作。

単なるサクセスストーリーではなく、「本当に大切なものに気づくまでの時間」や「過去の後悔」がリアルに綴られています。

高校生時代｜漫画家を夢見た少女と日高先生との出会い

明子（永野芽郁）は美大受験を目指す高校生。

当初は独学で受験勉強をしていましたが、母の勧めで宮崎にある絵画教室へ通うことになります。

そこで出会ったのが、竹刀を振り回しながら生徒を指導する日高先生（大泉洋）。

「描け！！」と強く叱咤する一方で、誰よりも生徒を想い、愛情を注ぐ先生。

明子はそんな日高先生を苦手に思いつつも、次第に心を開いていくのです。

大学生時代｜自由を得て絵を描かなくなった日々

明子は無事に美大へ合格し、東京での新生活をスタート。

しかし、受験勉強から解放されたことで、絵を描くことの意味を見失ってしまいます。

大学では自由に過ごしながらも、漫画家になりたいという夢だけは漠然と抱え続けていました。

そんな中、日高先生からのたびたびの電話が。

「描いてるか？」「ちゃんと練習してるか？」

明子はその言葉をうっとうしく感じるようになり、次第に先生との距離を取るようになります。

漫画家デビューと日高先生の死

卒業後、明子は努力の末に漫画家としてデビューを果たします。

しかし、その頃にはもう日高先生と連絡を取らなくなっていました。

やがて先生が病に倒れたことを知りますが、その事実に向き合えず、何度もお見舞いを先延ばしにしてしまいます。

そして、ついに先生は帰らぬ人に。

「もっと早く会いに行けばよかった…」

明子は取り返しのつかない後悔とともに、先生の存在の大きさを痛感するのです。

「私は許さない嘘をついた」──その言葉の意味とは？

映画『かくかくしかじか』の特報映像で、主人公・明子（永野芽郁）が涙ながらに語る「私は許さない嘘をついた」というセリフ。

この言葉は、物語の核心に迫る重要な意味を持っています。

ここでは、原作のエピソードをもとに、その嘘が何を指しているのか考察していきます。

仮病で逃げた日、先生の優しさに触れたアキコ

高校時代、明子は日高先生の厳しい指導から逃げ出したくなることがありました。

ある日、仮病を使って絵画教室を休んだ彼女。

しかし、その夜、先生はおかゆを持って家まで来てくれたのです。

「無理しなくていい。でも、また明日から頑張ろうな」

厳しくも温かい先生の言葉に、明子は嘘をついた罪悪感を抱くようになります。

「半年だけ」と嘘をついて宮崎を去った決断

美大合格後、明子は日高先生に「東京に行くのは半年だけ」と言い残し、宮崎を離れます。

しかし、その約束は果たされることはなく、明子は二度と宮崎に戻ることはありませんでした。

本当は、先生に「ずっと東京にいるつもり」と伝えるのが正直な気持ちだった。

しかし、先生を傷つけたくなかったがゆえに優しい嘘をついたのです。

そして、その嘘が、のちに取り返しのつかない後悔へと繋がります。

日高先生の最期に寄り添えなかった後悔

漫画家として成功した明子でしたが、東京での忙しい日々を理由に、先生に会いに行くことを何度も先延ばしにしてしまいます。

そして、ある日、先生が亡くなったことを知らされるのです。

「先生の最期に何もできなかった…」

その瞬間、彼女は自分がついた嘘の重さに気づきます。

「半年だけ」と言いながら戻らなかったこと。

先生が亡くなる前に、会いに行くと言いながら行かなかったこと。

「私は許さない嘘をついた」──この言葉には、過去の後悔と、先生への深い想いが込められているのです。

最終巻から読み解く映画の結末とその意図

原作『かくかくしかじか』の最終巻では、主人公・明子が日高先生への後悔と感謝を胸に、漫画を描き続ける決意をするシーンが描かれています。

映画も、この原作のメッセージを大切にした結末になると予想されます。

では、日高先生が伝えたかった「描け」という言葉の意味とは何だったのか？

日高先生が伝えたかった「描け」の意味

日高先生は、明子に対していつも「描け！」と厳しく指導していました。

しかし、それは単に「絵を上手くなれ」という意味ではなかったのです。

・絵を描くことは、自分の人生を記録すること

・描くことで、気持ちを整理し、自分を見つめ直すことができる

・そして、誰かに何かを伝える手段となる

日高先生は、明子に「描くことで自分の人生を刻め」と教えたのかもしれません。

謝罪ではなく「ありがとう」と伝える物語

明子は先生の最期に立ち会えなかったことをずっと後悔していました。

しかし、原作のラストでは、彼女は先生に謝るのではなく、「ありがとう」と伝えることを選びます。

・厳しく指導してくれたこと

・絵を描く楽しさを教えてくれたこと

・人生において大切なことを教えてくれたこと

先生への感謝の気持ちを胸に、明子は漫画を描き続けるのです。

後悔と感謝が交錯するラストシーンの考察

映画のラストシーンは、明子が日高先生の言葉を思い出しながら、ペンを握る場面になるのではないでしょうか。

先生はもういない。

それでも、先生の教えは明子の中に生き続けている。

そして彼女は、先生の言葉を胸に漫画を描き続けることで、先生の存在を刻んでいくのです。

この結末は、「過去の後悔を乗り越え、前を向く」という大きなテーマを表現するものとなるでしょう。

まとめ｜映画『かくかくしかじか』の「許されない嘘」と結末

映画『かくかくしかじか』は、漫画家・東村アキコの自伝的作品を実写化した感動作です。

主人公・明子（永野芽郁）と恩師・日高先生（大泉洋）の関係を通して、夢を追うことの意味や大切な人との時間について深く考えさせられる物語になっています。

ここで、本作のポイントを振り返ります。

日高先生がアキコに遺したもの

・「描け」という言葉に込められた深い意味

・絵を描くことの大切さと、生きることの本質

・厳しくも愛のある指導が、明子の人生を形作った

「許されない嘘」は何を意味するのか？

・仮病でレッスンを休んだこと

・「半年だけ」と言って宮崎を去ったこと

・先生が亡くなる前に「会いに行く」と言いながら行かなかったこと

これらの「小さな嘘」が、やがて大きな後悔へと変わってしまったのです。

映画を観て、自分なりの答えを見つけてほしい

映画『かくかくしかじか』は、単なる涙を誘う感動作ではなく、

「私たちが今、大切な人にできること」を問いかける作品です。

・後回しにしていることはないか？

・感謝を伝えられていない相手はいないか？

映画を観た後、それぞれの人生において「後悔しない選択」を考えるきっかけになるはずです。

ぜひ、劇場でこの物語のラストシーンの意味を感じてください。