【べらぼう 第9話】「玉菊燈籠恋の地獄」ネタバレ・あらすじ解説！重三郎と瀬川の切ない運命

2025年NHK大河ドラマ『べらぼう』第9話では、蔦屋重三郎と瀬川の恋、遊郭の厳しい現実が描かれます。

「玉菊燈籠恋の地獄」というタイトルの通り、美しくも逃れられない運命に翻弄される二人の姿に注目です。

この記事では、第9話の詳細なネタバレとあらすじを解説し、物語の見どころを紹介します。

第9話のあらすじ：重三郎と瀬川の苦難

第9話では、蔦屋重三郎と遊女・瀬川の切ない恋が描かれます。

吉原と地本問屋の決裂により商売が立ち行かなくなる危機に陥る重三郎。

そんな中、瀬川に持ち上がる身請け話が、二人の運命を大きく揺さぶります。

吉原と地本問屋の決裂に揺れる重三郎

吉原と地本問屋の関係が悪化し、重三郎の商売に暗雲が立ち込めます。

彼が手掛ける「吉原細見」が流通できなくなることで、吉原への客足が遠のく懸念が広がります。

重三郎は吉原の親父衆に働きかけますが、「他の方法で客を呼び込め」と冷たく突き放されてしまいました。

そんな折、重三郎は駿河屋で瀬川と鳥山検校が親しげに話している姿を目撃。

鳥山が瀬川に千両もの大金で身請けを申し出ていることを知り、不安が募ります。

鳥山検校の身請け話と瀬川の選択

鳥山検校は瀬川に強く惹かれ、莫大な金を惜しまず身請けすると宣言しました。

この話が広まると、周囲の人々も「瀬川は鳥山のものになる」と既成事実のように語り始めます。

重三郎は焦り、瀬川に「鳥山の身請け話を断ってほしい」と懇願。

しかし、瀬川は「自分のことより商売のことばかり考えている」と重三郎を責めます。

それでも重三郎は、「俺が瀬川を幸せにする」と涙ながらに訴え、ようやく瀬川の心を動かしました。

瀬川は「年季が明けたら、私を迎えに来て」と約束し、鳥山の申し出を断る決意をします。

秘密の文通と試練の夜

重三郎と瀬川の恋は、遊郭の厳しい掟によって大きな試練にさらされます。

瀬川の身請け話を断る決意は固まりましたが、それを知った松葉屋の女将・いねは二人の関係を疑い、厳しい監視を始めました。

直接会うことが難しくなった二人は、貸本に手紙を忍ばせて気持ちを伝え合いますが、やがて大きな危機が訪れます。

いねの監視と瀬川への過酷な試練

瀬川が鳥山の身請けを断ったことで、いねの警戒は一層厳しくなりました。

彼女は瀬川に「客をとるのも仕事だ」と言い放ち、一晩で五人もの客を相手にするよう命じます。

瀬川は「先代の瀬川も、このようにして無理な身請けを強いられ、命を絶ったのではないか」と問いかけますが、いねは冷たく「それがこの世界の掟だ」と突き放しました。

その夜、重三郎は松葉屋に呼び出され、隣室で瀬川が客と過ごしていることを暗にほのめかされます。

いねは彼に問いかけました。

「この状況を、年季が明けるまでずっと続けさせるつもりかい？」

重三郎は言葉を失い、悔しさを噛みしめるしかありませんでした。

貸本に込めた想い、二人のすれ違い

それでも重三郎と瀬川は、貸本の間に文を挟み、互いの想いを伝え合い続けました。

しかし、二人の文通はすぐにいねの目に留まります。

いねは「遊女が恋にうつつを抜かすのは許されない」として、瀬川の手紙を取り上げ、破り捨てました。

そしてある日、瀬川は重三郎から受け取った通行切手を貸本に挟み、返しました。

そこには、たった一言だけが記されていました。

「こんなばからしい話を勧めてくれたこと、きっと一生忘れない」

こうして、二人の恋は大きく引き裂かれてしまうのです。

玉菊燈籠とは？江戸の遊郭文化

第9話のタイトルにもなっている「玉菊燈籠」とは、江戸時代の遊郭・吉原で行われていた特別な行事です。

この燈籠は、かつて吉原で儚く散った一人の遊女の魂を弔うために始まったもので、その美しくも切ない歴史が語り継がれています。

また、「恋の地獄」という副題が示すように、遊郭に生きる女性たちの逃れられない宿命も深く描かれます。

才女・玉菊太夫を弔う追善供養

玉菊燈籠は、享保11年（1726年）に亡くなった吉原の名妓・玉菊太夫を偲ぶために始まりました。

玉菊太夫は、才色兼備の花魁として多くの客に愛された存在でしたが、その生涯は決して幸せなものではなかったと伝えられています。

彼女の死後、吉原の茶屋が燈籠を掲げ、幻想的な光の中で彼女の霊を弔ったことが、この行事の始まりでした。

やがて、この燈籠の美しさが評判を呼び、吉原三大景物のひとつとして定着しました。

玉菊の短い生涯は、吉原に生きた遊女たちの儚さそのものであり、その運命を惜しむように燈籠の明かりが灯されていたのです。

「恋の地獄」が示す逃れられない宿命

「恋の地獄」という言葉には、遊郭に生きる女性たちの抗えない現実が込められています。

華やかに彩られた吉原の世界。しかし、そこに生きる遊女たちは、自由な恋愛が許されず、たとえ誰かを愛しても身請けされなければ決して外の世界に出ることはできませんでした。

一時の恋に身を焦がしても、それは儚い夢にすぎず、時に悲劇へと変わる運命にありました。

瀬川と重三郎の関係もまた、まさにこの「恋の地獄」の中にあり、二人の想いが交錯する中で過酷な現実に直面していきます。

幻想的な燈籠の光に照らされながらも、逃れられない運命に抗おうとする人々。

玉菊燈籠は、そんな吉原に生きた女性たちの魂の象徴だったのかもしれません。

べらぼう第9話の見どころ

第9話では、重三郎と瀬川の涙の別れや、遊郭の厳しい現実が鮮烈に描かれます。

また、幻想的な玉菊燈籠の演出が、物語に深みを加え、視聴者の心を強く揺さぶることでしょう。

本話の見どころを詳しく解説します。

重三郎と瀬川の涙の別れ

これまでお互いの想いを貫こうとしていた重三郎と瀬川ですが、第9話では避けられない運命に直面します。

瀬川は松葉屋の厳しい管理のもとで追い詰められ、重三郎の用意した通行切手を受け取りながらも、それを返してしまいました。

「こんなばからしい話を勧めてくれたこと、きっと一生忘れない」という瀬川の言葉には、彼女の苦しみと諦めが込められています。

一方、重三郎はどうすることもできず、ただ瀬川の幸せを願うしかありませんでした。

二人の強い想いがすれ違い、切なくも心に残るシーンとなるでしょう。

幻想と現実が交錯する吉原の闇

本話の演出で特に注目すべきは、玉菊燈籠の幻想的な光景です。

灯火がゆらめく吉原の街並みと、その陰で繰り広げられる悲劇のコントラストが、視覚的にも物語の深みを増しています。

また、遊郭の掟に縛られながらも、自分の意志を貫こうとする瀬川の姿は、かつての玉菊太夫を思わせるかのようです。

彼女は自らの誇りを守るため、そして「瀬川」という名を継ぐ者としての役目を果たすため、ある決断を下すことになります。

吉原の華やかさと、その裏に潜む過酷な現実を描く本話は、まさに「べらぼう」のテーマを象徴する回といえるでしょう。

まとめ：「玉菊燈籠恋の地獄」が描く運命の悲劇

第9話「玉菊燈籠恋の地獄」は、愛と運命に翻弄される人々を描いた、非常にドラマティックなエピソードでした。

重三郎と瀬川の叶わぬ恋、そして遊郭の掟に縛られながらも自らの道を選ぶ瀬川の決断は、多くの視聴者の胸を打ったことでしょう。

また、玉菊燈籠の幻想的な光景が、吉原という世界の儚さと悲しみを象徴的に表現していました。

この回を通じて、「べらぼう」という作品が持つ江戸の華やかさと闇、そして人間の運命の切なさが、より深く浮かび上がったのではないでしょうか。

次回、第10話では、瀬川の新たな運命と重三郎の決意が描かれることが予想されます。

二人の未来はどうなるのか？今後の展開から目が離せません！