新解釈・幕末伝

新解釈・幕末伝

『新解釈・幕末伝』が突きつける“笑いの覚悟”──賛否両論の奥にある、観る者の「感情構造」を暴く映画

「面白い」「つまらない」。その二文字に、作品のすべてを押し込めてしまうのは簡単だ。だが『新解釈・幕末伝』は、そんな安易な言葉を拒む映画だ。福田雄一監督が描く坂本龍馬と西郷隆盛は、歴史の再現ではなく“心の実験”。笑いながら、観客の中の「歴史観」や「友情観」を一枚ずつ剥がしていく。この記事では、試写会の賛否両論から浮かび上がった“この映画が突きつけるもの”を解体し、どんな人がこの「ふざけた本気」に共鳴できるのかを読み解く。