
映画『ベートーヴェン捏造』ネタバレ バカリズムが「真実」を捏造した “語り”の正体
それはただの伝記ではなかった。映画『ベートーヴェン捏造』は、語られる物語のすべてに「嘘かもしれない」という仕掛けを施した、バカリズム脚本の知的トリックだ。ベートーヴェンの“伝説”を創り上げた秘書シンドラー。その「愛と狂気の捏造」を描きながら、同時に“語り手”という存在そのものの信憑性に疑問を突きつけてくる。これは、笑いではなく問いを残す作品だ。ラスト3分で、観客の信じていた真実が足元から崩れ落ちる——バカリズムはなぜこの物語を脚本にしたのか?その答えを掘り下げよう。