【ウンジュンとサンヨン】全話ネタバレ “友情と嫉妬と赦し”

ウンジュンとサンヨン
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Netflixの韓国ドラマ『ウンジュンとサンヨン』は、ただのヒューマンドラマじゃない。

感情が絡み合い、言えなかった“好き”や“憎しみ”が、静かに胸をえぐってくる。

この記事では各話ごとの”感情の核心”と”物語の分岐点”をネタバレ解説していきます。

第1話:絶縁した親友が「死にたい」と言ってきた日

この物語は、再会から始まらない。

再会の前にあったのは「絶縁」で、そして次に届いたのは「死にたい」という言葉だった。

第1話は、ウンジュンとサンヨンという2人の女の子の“過去”と、止まっていた感情が再び動き出す“現在”が交錯する、最も静かで最も痛烈なイントロダクションだ。

複雑に絡み合う、少女時代の羨望と暴力

物語の幕開けは、まるで偶然を装った運命のようだった。

ウンジュンはテレビ越しに、かつての親友サンヨンのスピーチを見つめる。

壇上の彼女は、受賞の言葉にこう付け加えた。「ウンジュンのおかげで、私はここにいる」と。

その瞬間、時が巻き戻る。

ただし甘い記憶ではなく、心に刺さった棘の方へ。

1992年の小学校。母子家庭で貧しいウンジュンにとって、転校生のサンヨンは眩しすぎる存在だった。

裕福で、優等生で、住んでいるマンションも、自分が憧れていた“別世界”の象徴だった。

最初は、ただの羨望だった。

けれど、それが「嫉妬」に変わるのに、そう時間はかからなかった。

サンヨンは学級委員になると、校則違反を注意する名目で、ウンジュンを棒で叩いた。

暴力とまでは言えない、けれど友情が壊れるには十分な一撃だった。

その日から、ウンジュンの中で“親友”という言葉は、ただの記号になった。

サンヨンは「親の見栄」で上に立たされていた。

ウンジュンは「親の不在」で下に見られていた。

社会の目に投げ込まれた子どもたちは、勝手に役割を与えられ、互いに傷つけ合ってしまった。

それでも、別れは突然だった。

ある日を境に、サンヨンは転校した。

ウンジュンはその背中を追いかけることなく、心のどこかで「これでいい」と思っていた。

「あなたの物語を書いてもいい?」という脚本家の決意

大人になった今、ウンジュンは脚本家になっていた。

けれど心は、まだあの日の教室に立ち尽くしている。

彼女はチェPDに脚本を渡す。それは、自分とサンヨンの記憶を基にした物語だった。

脚本家は、物語を描くことで“過去”と向き合う。

でも、記憶を掘り起こすというのは、感情の墓を暴くことでもある。

そんな中、サンヨンから突然連絡が入る。

場所は、夜のカフェ。久しぶりに顔を合わせたその場で、サンヨンはこう言った。

「末期がんなの。チューリッヒで安楽死をするつもり。同行してほしい」

──言葉を失う、とはこのことだ。

記憶の中で“憎しみ”とすら呼べない“微妙な棘”として残していた彼女が、「死ぬ」という理由で再び感情の領域に入り込んできた。

ウンジュンは動揺し、「もう連絡しないで」と言ってしまう。

赦す準備なんて、してなかった。

忘れようとすらしていなかった。

それでもサンヨンは、「死」をもって、二人の物語の続きを書こうとしていた。

これは「友情の再会」じゃない。

心の奥にある“あなたがいなければ、私は壊れなかったかもしれない”という感情に、再び触れてしまった物語の始まりだ。

第2話:寄り添った過去と、怒鳴りつけた現在

かつて「家に呼んだ唯一の友達」だった人に、「もう連絡してこないで」と言い放つ──。

第2話は、過去に分かち合った優しさと、現在の拒絶の温度差に心が擦り切れていく回だ。

“親友”の形をしていた何かが、友情ではなかったとしたら? そして今、それをもう一度信じ直せるか? そんな問いが静かに胸を締め付ける。

2人の間に溜まりすぎた“わかってよ”の感情

第2話は、サンヨンの「死にたい」という告白から始まる。

ウンジュンの心は揺れるどころか、むしろ強く跳ね返した。

「もう連絡してこないで」

それは一見、冷たい言葉に聞こえるけれど、その裏には爆発寸前まで溜まった感情がある。

サンヨンの「安楽死」という選択は、まるで勝手すぎる再会の切り札だった。

絶交して以来、何の説明も、謝罪も、赦しもなかった。

ただ、「死ぬから一緒にいてほしい」とだけ言われても、心が準備できるわけがない。

ウンジュンは動揺を怒りに変え、怒りを拒絶に変えた。

なぜなら、サンヨンのその一言がウンジュンの心に埋めた“何も終わっていない”という痛みを掘り起こしてしまったからだ。

“あなたは私を見ていなかった”。

“あのとき、私は傷ついていた”。

そして“今さら、どうして?”。

この2人の関係は、ずっと「わかってよ」と「わかってるでしょ」のすれ違いで出来ている。

サンヨンは、自分の決断を伝えたかっただけなのか。

それとも、“ウンジュンなら最後まで寄り添ってくれる”と、期待していたのか。

でもその期待は、恩着せがましさにも、支配欲にも見える。

だからウンジュンは、泣くように怒るしかなかった。

初めて家に招いた夜が、友情のピークだった

一方で、第2話は過去の時間も静かに紐解いていく。

まだ中学生だったウンジュンとサンヨンが、少しずつ心を寄せ合っていく様子が描かれる。

とくに、ウンジュンが初めてサンヨンを自宅に呼ぶ場面は、彼女たちの友情が最も近づいた瞬間だった。

ウンジュンの家は半地下。

母は飲食店で働き、牛乳配達までして家計を支えていた。

そんな“見せたくなかった現実”に、サンヨンを連れて帰った。

サンヨンは道端でカツアゲに遭い、食事もできない状態だった。

ウンジュンは彼女を自宅に招き、ごはんを食べさせ、暖かい場所を用意した。

それは彼女なりの“友情の表現”だった。

言葉で「好き」なんて言えなかった。

でも「ここにいていいよ」と空間を差し出すことが、そのすべてだった。

この夜が、たぶん2人の関係における“いちばん近い”ポイントだった。

でも、近づいた先には、必ず“ズレ”が待っている。

サンヨンは兄・サンハクに惹かれていたウンジュンを、どこかで見下していた。

ウンジュンもまた、サンヨンの孤独を理解しきれなかった。

そのズレが、何年も経った今、“死”という形で押し寄せてきた。

優しかった日を思い出すほど、今の憎しみが濃くなる。

許したくないのに、昔は確かに好きだった。

それが“親友”という名の、いちばん厄介な感情だ。

第3話:現像されなかった想い、フィルムの中に残っていた人

好きだったことに、あとから気づくことがある。

しかもその「好き」は、もう二度と伝えられない相手だったりする。

第3話では、過去に交わされなかった手紙、現像されなかったフィルム、そして「死んだ人に似た誰か」を前にしたときの心のざわめきが、静かに、でも確実に物語をかき乱していく。

失われた手紙と、死んだ兄に似た“誰か”への恋

大学に入学したウンジュンは、写真部の先輩キム・サンハクに出会う。

彼の名前、雰囲気、表情──すべてが、かつての“好きだった人”チョン・サンハクを思い出させた。

逃げるようにその場を離れるウンジュン。

でもサンハク先輩は、彼女が忘れたフィルムを届けに来てくれた。

あのときの気持ちが再び揺れ始める。

10代のころ、ウンジュンはサンハクに惹かれていた。

けれどその想いは伝えることができなかった。

彼が入隊する直前、ウンジュンは彼に手紙を書いた。

「好き」と書けなかった手紙には、ただ思い出のクローバーを添えて、そっと机に入れた。

でも、そのまま彼は消えてしまった。

3日後、サンハクは山中で遺体で発見された。

自殺と報道されたが、詳細は不明。

兄の死にサンヨンは打ちひしがれ、ウンジュンはそのそばにいた。

だけどその“悲しみを共有した時間”すらも、いつかすれ違いの種になっていく。

サンハクの死が二人を繋ぎ、そして裂いた

過去と似た顔が、今目の前にいる。

サンハク先輩は、ウンジュンを真っすぐに見てくる。

言葉にしなかった想いが、現像されないままだったフィルムのように、じわじわと色を持ちはじめる。

新歓コンパでは酔いすぎて、彼に失礼な態度をとってしまう。

でも、彼はそれすら笑って許した。

そして合宿の夜、彼から告白される。

ウンジュンはサンハク先輩と付き合うことにした。

幸せなはずだった。

でも、サンヨンが写真部の新入生として現れた瞬間、空気が変わる。

数年ぶりの再会。

ウンジュンは喜び、サンヨンも微笑んだ。

けれど心のどこかに、もう一人の“サンハク”の影が立ち込めていく。

写真部で、サンハク先輩とサンヨンが映画の話で盛り上がる。

2人の波長が合っていくのを見て、ウンジュンは自分でも気づかない嫉妬を覚える。

そして徐々に浮かび上がる事実──

サンヨンも、兄に似たこの人に惹かれているのではないか。

もしかすると、兄を失った痛みが、

“彼に会った瞬間から好きだった”という錯覚を生んでいたのかもしれない。

サンハクの死は、2人を一度は繋いだ。

でも今、その“記憶の共有”が、新しい傷を作ろうとしている。

それぞれが過去に持っていた「好き」の形が、

今、同じ場所でぶつかろうとしている──そんな予感が、強く、静かに押し寄せてくる回だ。

第4話:あなたが好きだった人を、私も好きだった

「あの人が好きだった」──その気持ちを語ること自体が、裏切りのように感じることがある。

第4話では、ウンジュンとサンヨンが“同じ人を好きだった”という、決定的なズレが表面化していく。

まるで、同じ風景を撮った写真のフィルムが、少しだけズレて重なっていたように。

その微妙なズレが、2人の関係に深くて静かな亀裂を入れていく。

二重写しのような関係が、静かに綻び始める

ウンジュンとサンハク先輩の関係は順調に見えた。

けれど、そこにサンヨンが入ってくると空気は変わる。

サンヨンは、“兄に似た人”を前にして、過去と現在の感情を交差させていく。

映画の話で盛り上がるサンヨンとサンハク先輩。

ウンジュンは、2人の波長が合っていく様子に焦りと不安を覚え始める。

表面では笑顔を作りながらも、心の中では警報が鳴っていた。

その頃、ウンジュンとサンヨンは同居を始めていた。

写真部の仲間として、友人として、そしてかつての“親友”として。

でも一つ屋根の下で生活を始めたことで、心の距離が近くなりすぎてしまった。

ウンジュンは、言葉にできない感情を抱えながら、

「このままでいいのか?」という問いを心の奥に沈めていた。

サンヨンの視線が、サンハク先輩に向いていることに気づいていた。

でも、それを責めることも、避けることもできなかった。

かつて、彼女の兄を好きだった。

そして今、その兄に似た人と恋人同士になった。

この関係自体が、サンヨンの心をどう傷つけているのか。

本当は、最初からわかっていたはずだった。

“母への恨み”と“恋の嫉妬”が交差した夜

写真部の合宿で、3人はサンヨンの母・ユン先生の元を訪ねる。

かつて教師だった彼女は、今では落ちぶれ、涙ながらに過去を語る。

サンヨンは、母に対してあからさまな冷たさを見せた。

「あの人が兄を殺したようなものよ」

その台詞は、ウンジュンの心にも深く刺さる。

サンハク兄の死には、母の“恋愛への抑圧”が関係していた。

自由に恋愛すら許されなかったサンハク。

彼がウンジュンに贈ったカメラ、そして一緒に撮った写真。

そのすべてが、まだウンジュンの心の中にあった。

そして今、その写真が、今の関係をも照らし始める。

ユン先生はウンジュンに手紙を返した。

サンハクに渡せなかった、あのときの手紙。

それを読み返したウンジュンは、ようやく「好きだった」と認める。

でも同時に、サンヨンも、同じ人を好きだったことに気づいてしまう。

友情と恋愛の境界が曖昧な2人。

その曖昧さが、知らないうちに相手を傷つけていた。

誰も悪くなかった。ただ、好きのタイミングが重なっただけ。

けれど、“あなたが好きだった人を、私も好きだった”という事実は、

言葉にした瞬間から、友情にひびを入れてしまう。

第5話:写真の中に閉じ込められた“本当の気持ち”が動き出す

誰かを救おうとして、誰かを傷つけてしまう。

第5話は、“過去を癒そうとした優しさ”が、“現在の関係”を崩壊へ導くという皮肉な構図の中で、ウンジュン・サンヨン・サンハク先輩の三角関係が大きく動き出す回だ。

写真という媒体が、記憶を封じていたものを暴き出し、ついに誰かの気持ちが、壊れる。

サンヨンの“なりすまし”が救った誰かと、壊した何か

サンヨンは、亡き兄・チョン・サンハクのPCからチャットのログを見つけた。

そこには、かつて兄を“ムーニー兄さん”と慕っていた写真同好会の仲間との会話が残っていた。

その中にいたのが「マンタ」という名の後輩──サンハク先輩。

マンタは、ムーニー兄の失踪後もチャットを続けていた。

サンヨンは、そのやりとりを“兄のふり”をして再開する。

「大丈夫」「また写真撮ろう」──そんな優しい言葉を、兄になりすまして送った。

すると、マンタ(=サンハク先輩)は励まされ、大学に進学できた。

結果として、サンハク先輩とウンジュンが出会うきっかけも、サンヨンの“なりすまし”が作っていた。

けれど、それは“誰かを救った代わりに、別の誰かを苦しめる”という、言葉にならないジレンマを生み出す。

真実が少しずつ露わになる中で、サンヨンはサンハク先輩に告白する。

「私は、あのチャットの相手(=マンタ)が好きだった」

でもそれは、サンハク先輩自身がマンタだと知らずに言った言葉。

そしてサンハク先輩は気づく。

「チャットで励まされた相手は、サンヨンだった」と。

やさしさは、無垢ではいられない。

人を救ったはずの言葉が、今、恋人を壊そうとしていた。

フィルムに写っていたのは、過去でも未来でもなく、今の涙だった

ウンジュンは、ついに現像を決意する。

中学生の頃、サンハク兄と一緒に撮った写真──ずっと放置していたそのフィルムを。

現像された写真の中には、もう戻らない時間が閉じ込められていた。

兄の笑顔、誰かの恋人らしき女性、そして自分自身の姿。

その一枚一枚が、ただの思い出ではなく、“見ないようにしていた現実”を突きつけてくる。

サンヨンはその写真を見て、兄が最後に愛していた人物──ムン・ジヨンという女性を探しに行くと決める。

彼女の真実に触れないと、兄の死の理由がわからない。

それは、赦すためでもなく、知るためでもなく、“確かめたい”という衝動だった。

写真とは、不思議なものだ。

記録なのに、記憶を刺激し、記憶なのに、感情を壊す。

サンハク先輩は、サンヨンとウンジュン、どちらに惹かれているのか。

サンヨンの涙に揺れた自分に、ウンジュンは気づいてしまう。

そして告げられる、別れ。

写真に写っていたのは、過去でも未来でもなかった。

あの瞬間、ウンジュンの“今”の涙だった。

もう、戻れない。

優しさは誰のためにあるのか、正しさは誰の手の中にあるのか。

第5話は、その問いを静かに差し出してくる。

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