相棒5 第11話 元日SP『バベルの塔』ネタバレ感想 なぜ今も語り継がれるのか?爆破予告の裏に隠された罪と絆

相棒
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2007年元日、テレビ朝日で放送された『相棒season5 第11話「バベルの塔〜史上最悪のカウントダウン!」』は、ただの刑事ドラマに収まらない“人間ドラマ”だった。

爆破予告、テロ組織、緊迫の籠城事件──物語は「赤いカナリア」の脅威を背景に、かつてないスケールで展開する。しかし、視聴者の心を最も揺さぶったのは、言葉を話せない少女の“手話”だった。

この記事では、数ある『相棒』元日SPの中でも名作と称される『バベルの塔』の核心に迫り、登場人物たちが背負った“罪”と、そこから生まれた“再生”の物語をひも解く。

この記事を読むとわかること

  • 『バベルの塔』が劇場版級と称される理由
  • 言葉を持たない少女が事件を動かした意味
  • 復讐と赦しが交錯する人間ドラマの深み
  1. 『バベルの塔』の核心──なぜ“はるか”が物語の鍵を握ったのか
    1. 言葉を持たない少女が“言葉を超えて”繋いだもの
    2. 「ありがとう」の手話が犯人の心を変えた瞬間
  2. “復讐”は誰のものだったのか?富永議員が引き起こした連鎖
    1. 兄妹の過去──犠牲になったのは子どもと母だった
    2. 復讐が生んだもう一つの「罪なき犠牲」
  3. 左翼過激派「赤いカナリア」初登場回としての意義
    1. なぜ『赤いカナリア』の名前は今後も響き続けるのか
    2. 思想ではなく、“個”に焦点を当てた構成の妙
  4. 名優たちが光る!ゲストキャストとキャラクターの魅力
    1. 大塚寧々が演じた母──楓の強さと脆さ
    2. 杉本哲太の“悪役に見えない犯人”像
    3. 脇を固めた名バイプレイヤーたち
  5. 右京と亀山、それぞれの年越しと“仕事の矜持”
    1. 美和子の打った年越し蕎麦が意味するもの
    2. 右京が手話を使える意味と、その伏線的役割
  6. 大河内管理官の“挫折”と“ラムネ”に託された心情
    1. 出世のプレッシャーと、特命係への依存
    2. 「もうラムネに頼らない」と言った彼が、再びラムネを食べた理由
  7. ラスト5分に仕込まれた“涙腺クラッシャー”の仕掛け
    1. スナイパー日野の一撃が救った未来
    2. 「除夜の鐘」が響いた瞬間に、何が終わり何が始まったのか
  8. 事件の裏で描かれていた“仕事人間たち”のリアル
    1. 「事件起きろ」とつぶやいた伊丹の本音
    2. 年越しを待つ人たちと、呼び戻される現実
  9. 『相棒 バベルの塔』を今、もう一度観る意味──まとめ
    1. 再放送で泣いた人が、再び泣ける“完成された物語”
    2. 正月SPとしての役割を超えた、“劇場版級の一話”
  10. 右京さんのコメント

『バベルの塔』の核心──なぜ“はるか”が物語の鍵を握ったのか

言葉を持たない少女──“はるか”。彼女の存在が、この物語をただの爆破事件ドラマから、胸を突き刺すヒューマンドラマへと昇華させた。

『バベルの塔』の核心にあるのは、「言葉が届かない世界で、それでも人は繋がれるのか?」という問いだ。

爆破予告のタイムリミットが迫る中で、物語はその答えを“手話”という静かな対話に託す──ここに、この回の本質がある。

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言葉を持たない少女が“言葉を超えて”繋いだもの

はるかは耳が聞こえず、声も出せない。

「バベルの塔」とは、旧約聖書に登場する“言葉が通じなくなったことで人々が分断された”象徴的な建造物。

そしてこの回では、“爆破予告されたホテル”そのものが現代のバベルの塔として描かれている

その中にいて、誰よりも“言葉”から遠い存在が、はるかだった。

だが、彼女こそが、最も純粋な“コミュニケーション”で人の心を動かしていく。

誘拐犯・哲雄との一対一のやり取り。

彼がサンドイッチを差し出すと、はるかは手話で「ありがとう」と返す。

ただそれだけのシーンだ。だが、それが“暴力”ではなく、“共感”という名の回路を開く。

哲雄は表情を崩さず、「あぁ?」と柄の悪い返しをする。

けれど次の瞬間、彼のまなざしが変わる。

“この子は、俺たちが復讐のために巻き込むような存在じゃない”──その迷いが、静かに彼の心に芽生える。

「ありがとう」の手話が犯人の心を変えた瞬間

哲雄は完全な悪人ではない。むしろ、彼もまた「失われた家族」の犠牲者だ。

彼の妹・公子は、政治家・富永に利用され、見捨てられ、自殺に追い込まれた。

その復讐心が、哲雄を突き動かしていた。

けれど、はるかの存在は、彼に“復讐の先にあるもの”を見せた。

彼女は罪のない命だ。

しかも、何も語れない。訴えることもできない。

その少女が、犯人に向けて差し出した「ありがとう」の手話。

それは、「あなたの中にある善性を、私は信じている」という“赦しのメッセージ”だった。

このたった一言が、すべてを変えた。

彼は少女を拘束せず、食事の時は自由にさせた。

最後には、逃走を諦めてまで彼女を助けようとする。

復讐のために動いていた男が、「未来のために行動する」男に変わった瞬間だった。

この描写に、『相棒』という作品の真骨頂が現れている。

“正義とは何か”を問うこのシリーズは、時に警察でも法律でもなく、“たったひとつの心の揺らぎ”に真実を見出す

それを導き出したのが、声なき少女だったというのが、また切ない。

バベルの塔──言葉によって人が分断された象徴。

だがその中で、「言葉を持たない少女」が人と人とを繋いだ。

この皮肉と希望の交錯こそ、『相棒 バベルの塔』が名作である理由だ。

“復讐”は誰のものだったのか?富永議員が引き起こした連鎖

この回のもうひとつの核心は、「復讐の主体は誰だったのか」という問いだ。

表面的には、誘拐犯・五十嵐兄妹が事件の首謀者として描かれる。

しかし物語を解きほぐすと、そこに浮かび上がるのは富永議員こそが全ての悲劇の起点だったという事実だ。

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兄妹の過去──犠牲になったのは子どもと母だった

五十嵐哲雄と妹・祥子の物語は、政治家・富永の身勝手な欲望によって始まる。

富永は哲雄のもう一人の妹・公子を弄び、妊娠させ、そして冷酷に切り捨てた。

公子はお腹の子を薬で失い、心身を壊し、自ら命を絶った。

その葬儀に現れたのは富永本人ではなく、秘書が持参した金で口を塞ぐための札束

「命よりも票」「人よりも保身」──それが富永の政治だった。

哲雄と祥子にとって、公子はただの妹ではない。家族を支えてくれた大切な存在だった。

彼女とお腹の子を奪ったのは、他ならぬ富永だ。

だから二人の復讐は、“妹とその子の無念”を晴らすための戦いだった。

だが復讐は直線ではなく、必ず連鎖する。

無関係なはるか、楓、そして政治家に関わる多くの人々が巻き込まれていった。

兄妹の「正義」は、富永への怒りを超えて、次第に「無差別な破壊」へと変質していった。

復讐が生んだもう一つの「罪なき犠牲」

復讐の矛先にいたのは確かに富永だ。

しかし結果的に、人質にされたのは富永ではなく、楓とその娘・はるかだった。

彼女たちは富永の罪とは無関係だ。

むしろ楓は、政治の犠牲になりながらも懸命に生きる存在だった。

それでも彼女は巻き込まれた。理由はただ一つ、富永に近かったからだ。

ここに「復讐の不条理」が凝縮されている。

そして、その犠牲を最も敏感に感じ取ったのは哲雄自身だった。

彼ははるかに手話で「ありがとう」と告げられた瞬間、自分たちが新たな罪を生もうとしていることを悟る。

妹・公子の死を無駄にしないための行動が、逆に“別の少女”を犠牲にする。

その矛盾が、哲雄を揺さぶり、最終的に彼を「復讐者」から「守る者」へと変えていく。

ここで『相棒』が突きつけるのはシンプルだ。

復讐は正義ではない。復讐は必ず、また新しい犠牲者を生む。

だが同時に、「その連鎖を断ち切るのもまた人間の選択」だという希望を描いている。

富永の罪は、家族を破壊し、命を奪い、事件を招いた。

だが最後に残ったのは、「憎しみを超えて少女を守ろうとした男」の姿だった。

それは皮肉にも、富永が決して持ち得なかった“人間性”そのものだった。

左翼過激派「赤いカナリア」初登場回としての意義

『バベルの塔』は、シリーズ全体を通して重要な意味を持つ組織──「赤いカナリア」初登場回でもある。

この存在が与えたインパクトは大きい。なぜなら、単なる一話限りの敵ではなく、『相棒』という作品の世界観を広げる装置として機能したからだ。

以降の劇場版やシリーズで断片的に姿を見せるたびに、視聴者はこの“赤いカナリア”の影を意識せざるを得なくなる。

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なぜ『赤いカナリア』の名前は今後も響き続けるのか

赤いカナリアは、左翼過激派のテロ組織として設定されている。

その思想や行動原理は明確に描かれないが、彼らの存在が示すのは「国家権力に対抗する匿名の脅威」というテーマだ。

彼らは「爆破予告」を通じて社会不安を煽り、権力の中枢を震え上がらせる。

注目すべきは、この組織の名が一度登場しただけで、“物語の奥行きを一気に広げた”ことだ。

観客はもう「特命係 vs 犯人」という一対一の構図だけでなく、社会全体を揺るがす存在を意識するようになる。

つまり『赤いカナリア』は、相棒を「刑事ドラマ」から「社会派サスペンス」へと押し上げた装置だったのだ。

思想ではなく、“個”に焦点を当てた構成の妙

しかし、この回が巧妙なのは「組織の思想」ではなく、「復讐に駆られた兄妹の個人的物語」を中心に据えた点にある。

表向きは「赤いカナリア」の犯行に見せかけつつ、実際には五十嵐兄妹が事件の本体だった。

これにより物語は、冷たいテロリズムの話ではなく、“家族の喪失と悲しみ”という普遍的なテーマへと回収されていく。

視聴者は「テロ組織」という仮面に怯えるが、その裏で描かれていたのは、ごく普通の人間が政治に踏みにじられた結果の悲劇だった。

ここに『相棒』らしさがある。

派手な爆破や狙撃シーンの裏で、“人間の心の機微”を描く。

赤いカナリアは、その後もたびたび名前が出てくる。

しかし『バベルの塔』での初登場時から、彼らは単なる悪役ではなく、「物語を広げるための象徴」として設計されていた。

だからこそ今、見返してもわかる。

赤いカナリアは恐怖の象徴であると同時に、『相棒』のスケールを一段階引き上げた存在だったのだ。

名優たちが光る!ゲストキャストとキャラクターの魅力

『バベルの塔』が「劇場版級」と評される理由のひとつに、ゲストキャストの豪華さと演技力がある。

ただ派手な顔ぶれを並べただけではない。役者たちが背負ったキャラクター性が物語に厚みを与え、視聴者を揺さぶったのだ。

それぞれのゲストが“人間の矛盾”を体現しており、その存在感が本編を強烈に支えていた。

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大塚寧々が演じた母──楓の強さと脆さ

大塚寧々が演じた辰巳楓は、元警察官であり政治家の私設ボディガード。

表向きは冷静沈着で隙のないプロだが、その実態は“耳の不自由な娘を守るシングルマザー”だった。

その二面性を、大塚は見事に演じ切っている。

特に、娘・はるかが危険にさらされる場面では、ボディガードとしての職務と、母としての感情がせめぎ合う。

「娘を守りたい」という想いが、彼女をただの職業人ではなく一人の人間にした。

このバランス感覚こそ、大塚寧々という女優の真骨頂だろう。

杉本哲太の“悪役に見えない犯人”像

誘拐犯の兄・五十嵐哲雄を演じた杉本哲太。

彼の演技は、“悪人”の枠に収まらない複雑さを見せた。

冷酷な計画者でありながら、はるかにサンドイッチを与える優しさを持ち、最後には彼女を守るために自らの身を犠牲にする。

杉本が演じた哲雄は、視聴者に「もし自分の家族が同じ目に遭ったら?」という問いを突きつける存在だった。

単なる犯人役ではなく、“喪失に翻弄された人間”をリアルに体現したのである。

だからこそ彼の最期は、恐怖ではなく哀しみとして心に残る。

杉本哲太の芝居は、この回を“犯人にも泣ける物語”に変えた最大の要素だった。

脇を固めた名バイプレイヤーたち

富永議員役の冨家規政は、“政治家という皮肉の塊”を体現した。

自らの保身しか考えず、家族や周囲を切り捨てるその姿は、視聴者の怒りを引き出すことで物語に説得力を与えた。

そして寺島進が演じたスナイパー・日野警部補。

観覧車から放たれた一発の銃弾が、物語の結末を大きく変える。

冷徹なプロフェッショナルを体現しながら、どこか“正義の影”を背負うような存在感を見せた。

さらに、楓の元夫を演じた遠藤章造も意外な好演だった。

一見ダメ夫だが、最後に“家族を守る父”としての一面をのぞかせる。

笑いの世界から来た彼が、ここでシリアスな役を成立させたのも驚きだった。

これら名優たちの競演があったからこそ、『バベルの塔』は“事件のスケール”だけでなく“人間ドラマの厚み”でも劇場版に匹敵する仕上がりになったのだ。

右京と亀山、それぞれの年越しと“仕事の矜持”

『バベルの塔』の背景に流れるのは、大晦日から元日へ移り変わる時間の空気感だ。

事件はそんな「一年の区切り」のタイミングで起こる。だからこそ、右京と亀山のそれぞれの“大晦日”の描写が強烈に生きる。

彼らにとって仕事とは何か、家族とは何か──その答えが自然に滲み出る瞬間だった。

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美和子の打った年越し蕎麦が意味するもの

亀山の妻・美和子は、大晦日に夫と過ごすために手打ち蕎麦を用意する。

これは単なる料理ではない。新婚の二人が「一緒に年を越す」ことを象徴する時間そのものだ。

だが事件が亀山を奪い去り、美和子はその蕎麦を持って花の里へ。

「うどん?」と笑うたまきに見せながらも、その太い麺には夫婦の絆と孤独が同居していた

このシーンが切ないのは、「刑事の妻」としての現実がにじんでいるからだ。

年越しを共に過ごせないのは悲しい。しかし、彼の仕事を理解して待つこともまた、愛情の形だった。

右京が手話を使える意味と、その伏線的役割

右京は、耳の不自由な少女・はるかに対して自然に手話を使う。

それは観客に驚きを与えるだけでなく、物語全体を支える重要な要素だった。

「言葉を超えて理解しようとする姿勢」──これこそ右京の本質であり、事件解決のカギにもなっている。

右京は常に、言葉の裏を読み、沈黙の中から真実を掘り起こす。

手話という“非言語の言葉”を扱えることは、彼が誰よりも人の心に寄り添う刑事であることの証明だった。

はるかとのやり取りは、彼が“声なき者の代弁者”であるというテーマを体現している。

一方、亀山は家族と職務の間で揺れ動く。右京は孤高の知性を武器にする。

対照的な二人が並び立つからこそ、『相棒』は物語として成立する。

そしてその姿は、年を越す特別な瞬間にこそ鮮やかに浮かび上がった。

大河内管理官の“挫折”と“ラムネ”に託された心情

『バベルの塔』は特命係だけでなく、警察内部の人間模様も深く描き出す。

その中でも特筆すべきは、大河内春樹の姿だ。

監察官から臨時管理官に任命された彼が、重圧に押しつぶされていく様は、事件の緊迫感とは別の意味で視聴者の胸を打った。

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出世のプレッシャーと、特命係への依存

大河内は、突然「人質籠城事件の指揮」を任される。

本来なら出世へのチャンスだが、状況は最悪だった。

爆破予告、テロ組織の影、そして多くの命を背負う責任。

冷静さを保てず、焦燥する大河内は、やがて特命係に助けを求める。

「私の手伝いをしてほしい」という言葉は、彼が“監察官”としての立場を超えて、右京と亀山を信頼していた証だ。

普段は厳格に彼らを監視する立場でありながら、その非常時には“依存”すら見せる。

この二面性が、大河内という人物を人間らしく描き出していた。

「もうラムネに頼らない」と言った彼が、再びラムネを食べた理由

大河内といえば、常に口にしているラムネ菓子。

事件冒頭、彼は「もうラムネに頼らない」と宣言する。

昇進にふさわしい自分を演出しようとしたのだ。

だが事件の重圧に押しつぶされ、結局彼は再びラムネに手を伸ばす。

その姿は、弱さを隠そうとする人間の哀しみを映していた。

ラムネは単なる嗜好品ではなく、大河内にとって“心の支え”であり、“本来の自分”を取り戻すための拠り所だったのだ。

視聴者にとってこの描写は、彼が決して完璧な官僚ではなく、失敗や葛藤を抱えながらも前に進もうとする“ひとりの人間”であることを突きつける。

そして、そんな彼の姿があるからこそ、特命係との関係性がよりリアルに感じられるのだ。

ラスト5分に仕込まれた“涙腺クラッシャー”の仕掛け

『バベルの塔』を名作たらしめた決定打──それは終盤5分に凝縮された演出にある。

爆破の緊張、親子の再会、そして除夜の鐘。全てが重なり合い、視聴者の感情を一気に揺さぶる。

ここに込められていたのは、ただの解決ではなく「失われた時間をどう取り戻すか」というテーマだった。

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スナイパー日野の一撃が救った未来

事件のクライマックス、楓が絶望し銃を向ける瞬間。

その腕を撃ち抜いたのは、寺島進演じるスナイパー・日野警部補だった。

彼の一発がなければ、物語は悲劇で終わっていただろう。

観覧車から放たれたその一撃は、単なる銃弾ではなく「未来への橋渡し」だった

楓は死を選ばず、はるかは母と共に生きることを選んだ。

日野の存在は目立たずとも、このラストを希望に変える決定的な役割を担っていたのだ。

「除夜の鐘」が響いた瞬間に、何が終わり何が始まったのか

事件が収束した直後、画面に流れるのは除夜の鐘。

爆破の轟音ではなく、静かな鐘の音で物語が締めくくられるのが象徴的だ。

それは“憎しみの時代”の終わりと、“新しい家族の時間”の始まりを告げていた。

亀山は帰宅できずとも、心は美和子の蕎麦に寄り添っている。

右京は孤独を抱えながらも、また新しい一年に向けて歩み出す。

そして楓とはるかの親子は、失われたものを抱えながらも再生の道を進む。

視聴者に残るのは「事件の解決」ではなく、「人間が再び生きようとする姿」だった。

その余韻こそが、この回を“涙腺クラッシャー”と呼ぶにふさわしい理由である。

事件の裏で描かれていた“仕事人間たち”のリアル

『バベルの塔』を観ていてふと思ったのは、事件そのもの以上に「大晦日なのに仕事に駆り出される人たち」の姿だった。

右京と亀山だけじゃない。伊丹も三浦も芹沢も、そして内村部長まで。それぞれが家族や恋人との予定を持ちながら、結局は現場に呼び戻されていく。

この“非日常”は実はすごくリアルで、働く大人なら誰しも覚えがあるんじゃないだろうか。楽しみにしていた約束を、急な仕事に奪われたこと。あの気持ちとリンクする。

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「事件起きろ」とつぶやいた伊丹の本音

印象に残るのが、伊丹の「事件起きろ~」という皮肉なつぶやきだ。

恋人との予定を持つ芹沢や、家族と過ごす三浦に対して、自分は一人。だからこその僻み混じりの言葉だった。

笑えるシーンでありながら、「自分だけ取り残される寂しさ」がにじんでいる。

その後、本当に事件が起きてしまうのだから皮肉だ。けれど彼にとっては、むしろ「現場にいられること」が救いだったのかもしれない。

年越しを待つ人たちと、呼び戻される現実

内村部長は家で餅つきを楽しみにしていたし、小野田は孫と過ごす予定を抱えていた。だけど事件はそんな願いを容赦なく奪っていく。

この「予定を壊される大人たち」の姿が、事件のド派手さとは違うベクトルで心に刺さる。

正月スペシャルという舞台設定が、実は“家族と仕事の狭間”という普遍的なテーマを浮かび上がらせていた。

『相棒』は刑事ドラマでありながら、働く大人のリアルな孤独や矛盾を容赦なく映す

そして視聴者はどこかで、「自分の大晦日」と重ね合わせながら観ている。

事件を追う緊迫感の裏に、そんな日常の痛みを忍ばせる──これが『バベルの塔』が名作として語られるもう一つの理由だろう。

『相棒 バベルの塔』を今、もう一度観る意味──まとめ

2007年元日の放送から年月が経った今でも、『バベルの塔』は再放送されるたびに話題に上がる特別な一話だ。

それは単なる“正月スペシャル”としての華やかさではなく、事件と人間ドラマを高次元で融合させた完成度の高さゆえだ。

だからこそ、この回は「もう一度観たい相棒」として多くの視聴者の記憶に刻まれている。

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再放送で泣いた人が、再び泣ける“完成された物語”

はるかの「ありがとう」、哲雄の葛藤、楓の母としての強さ。

それらは一度見れば十分に心を打つ。

だが二度目、三度目の視聴では、さらに深い意味が見えてくる。

「復讐が生んだ犠牲」と「人を赦す心」──この二つの対比は、年齢を重ねた視聴者にこそ響くテーマだ。

初見ではスリルに釘付けになった人も、再放送では「人間の選択」に涙することだろう。

正月SPとしての役割を超えた、“劇場版級の一話”

爆破予告、テロ組織、狙撃シーン、豪華ゲスト。

それだけなら派手なスペシャル回に過ぎない。

しかし『バベルの塔』は、そこに「家族」「絆」「赦し」を織り込んだ。

結果として、この回は正月SPという枠を超え、劇場版にも匹敵する完成度を誇った。

事件解決のスリルと人間ドラマの余韻──その両方を味わえる贅沢さが、今もなお色褪せない。

だからこそ、この作品を観返す意味は大きい。

新しい年を迎えるたびに、「人は憎しみではなく希望を選べる」というメッセージを思い出させてくれる

それが、『バベルの塔』が名作として語り継がれる最大の理由だ。

右京さんのコメント

おやおや…実に象徴的な事件でしたねぇ。

一つ、宜しいでしょうか? この「バベルの塔」と題された物語、塔そのものが意味するのは“言葉の断絶”でございます。ですが、皮肉にも声を持たぬ少女が、人と人とを繋ぐ役割を果たした。ここにこそ、最大の逆説が潜んでいたわけです。

なるほど。復讐を遂げようとした兄妹も、結局は無関係の命を巻き込むことで新たな罪を重ねてしまった。しかし、少女の「ありがとう」というたった一つの手話が、その連鎖を断ち切ったのです。

いい加減にしなさい! 利己的な政治家が蒔いた種が、どれほど多くの犠牲を生んだのか。命を数値や駒のように扱う行為は、断じて許されるものではありません。

結局のところ、真実は初めから我々の目の前にありました。人を繋ぐのは言葉ではなく、心でございます。紅茶を一口いただきながら考えましたが──本当に大切なのは、声なき想いをどう受け止めるか、なのではないでしょうか。

この記事のまとめ

  • 『バベルの塔』は元日SP第2弾で劇場版級のスケール
  • 言葉を持たない少女・はるかが事件の核心を動かす
  • 富永議員の罪が兄妹の復讐と悲劇を招いた
  • 赤いカナリア初登場で相棒の世界観が拡張
  • 大塚寧々や杉本哲太らゲストの演技が光る
  • 右京と亀山の“大晦日”が人間味を映す
  • 大河内管理官のラムネと挫折が人間らしさを描く
  • ラストはスナイパーの一撃と除夜の鐘が希望を示す
  • 事件の裏に“仕事と家族”というリアルなテーマ
  • 言葉ではなく心が人を繋ぐというメッセージ

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