亀山薫はなぜ相棒を辞めた?サルウィンへ行った理由と復帰まで解説

相棒
記事内に広告が含まれています。

亀山薫は、犯人に撃たれて死んだわけではない。

大きな不祥事を起こして警察をクビになったわけでも、杉下右京と決裂して特命係を飛び出したわけでもない。

自分から警察を辞めた。

しかも、その理由は海外へ渡って人道支援に関わるためだった。

刑事ドラマの「相棒役」の去り方として考えると、かなり変わっている。

だがSeason7を見返すと、この選択ほど亀山薫らしいものもない。

亀山はもともと、出世のために刑事をやっていた男ではない。

困っている人間を見ると放っておけない。理屈より先に体が動く。右京から見れば危なっかしく、伊丹から見れば鬱陶しい。

でも、その面倒くさいほどの人の良さが、最後には警察官という人生まで捨てさせた。

きっかけになったのは、高校時代からの友人・兼高公一の死。

そして舞台となったのが、南アジアの小国・サルウィンだった。

なぜ亀山はそこまでしたのか。

ここを追っていくと、Season7の卒業は単なる「寺脇康文の降板エピソード」ではなく、亀山薫という男を最後まで亀山薫のまま送り出すために用意された物語だったことが見えてくる。

この記事でわかること

  • 亀山薫が特命係と警視庁を辞めた理由
  • 親友・兼高公一の死が亀山をどう変えたのか
  • なぜサルウィンへ行く必要があったのか
  • 亀山薫の卒業回は何話なのか
  • 寺脇康文が『相棒』を卒業した実際の経緯
  • なぜ14年後に亀山薫が復帰したのか

亀山薫はなぜ相棒を辞めた?答えはSeason7「還流」にある

結論だけなら簡単だ。

亀山は、殺された親友・兼高公一の遺志を継ぎ、サルウィンで支援活動をするため警視庁を退職した。

だが、これだけでは少し足りない。

友人が海外支援をしていたからといって、普通は自分まで仕事を辞めて海外へ移住しない。

寄付をする。NGOを支援する。墓前で「お前の分まで頑張るよ」と誓う。

たいていは、そのあたりで終わる。

亀山は違った。

警察を辞めた。

妻の美和子と日本を出た。

そして友人が命をかけて向き合っていた国へ、自分自身が行った。

正直、かなり極端である。

でも、亀山は昔からそういう男だった。

親友・兼高公一の死は「きっかけ」にすぎない

Season7第1話・第2話「還流」で、亀山は高校時代の友人・兼高公一と再会する。

兼高はNGOスタッフとして海外支援に携わり、南アジアの小国・サルウィンとも深く関わっていた。

ところが再会直後、兼高は殺される。

当然、亀山は事件を追う。

そして右京と捜査するうちに、友人の死だけでは済まない現実にぶつかる。

日本から善意で送られる支援。

ところが、その善意が政治や利権の中でねじ曲げられ、本当に必要としている人間へ届かない。

「支援しています」と言う側と、「支援を受けられない」側。

その間には、外から眺めているだけでは見えない深い溝があった。

兼高はそこへ入っていった。

そして死んだ。

亀山にとって重かったのは、親友を殺されたことだけではない。

自分が日本で刑事をやっている間、友人は自分の知らない場所で、まったく別の「正義」と向き合っていた。

それを知ってしまったことの方が大きかったのではないか。

亀山は「知らなかった頃」には戻れない男だった

亀山という男は、一度見てしまったものを「自分には関係ない」で処理できない。

そこが右京との大きな違いでもある。

右京は真実を突き止めようとする。

亀山は、その真実によって傷ついている人間のところまで行こうとする。

だから「還流」の事件が解決しても、亀山の中では終わらなかった。

犯人を捕まえた。

真相も分かった。

刑事としてなら、それで事件は終わる。

しかし亀山には、サルウィンで生きる人たちが残った。

兼高がやろうとしていたことも残った。

なら、どうする。

亀山が出した答えは、「自分が行く」だった。

刑事だから正義を守るのではない。

正しいと思ったことをやるために、刑事という立場さえ手放す。

この順番なのだ。

だから亀山の卒業は、刑事を辞めた話でありながら、亀山の正義が折れた話ではない。

むしろ逆だ。

警察という肩書きを外しても亀山薫は亀山薫なのか。

Season7は、そこまで踏み込んだのだと思う。

なぜ警察を辞める必要があった?亀山の正義は右京とは違う

ここが、この卒業エピソードで一番好きなところだ。

亀山は、右京の弟子として卒業したわけではない。

長く一緒にいた結果、むしろ右京とは違う自分のやり方を見つけて出ていった。

右京なら、警察に残ったまま何か方法を探したかもしれない。

組織の矛盾を嫌いながら、それでも警察官という立場から真実を追う。それが杉下右京だ。

だが亀山は、そこにこだわらない。

必要なら制服も肩書きも捨てる。

目の前に困っている人がいるなら、その場所へ行く。

ある意味では右京よりずっと単純で、ずっと強引だ。

そして、この違いがあるから二人は長年「相棒」でいられた。

右京のコピーなら、亀山である必要はない。

右京と違う答えを出せる男だったから、亀山は右京の相棒だった。

そう考えると、サルウィン行きは「相棒を辞めた」のではなく、亀山が初めて完全に自分の足で右京とは別の正義へ向かった瞬間にも見えてくる。

亀山薫の卒業回はSeason7第9話「レベル4」

亀山の卒業については、話数を混同しやすい。

サルウィンへ行くきっかけを作ったのは、Season7第1話・第2話「還流」。

実際に初代相棒・亀山薫の最後の事件として描かれたのは、第8話・第9話「レベル4」だ。

話数 タイトル 亀山卒業との関係
Season7 第1話 還流~密室の昏迷 兼高の死。卒業へ向かうきっかけ
Season7 第2話 還流~悪意の不在
Season7 第8話 レベル4~前篇 亀山最後の事件・前編
Season7 第9話 レベル4~後篇・薫最後の事件 初代相棒時代の最終回

「レベル4」で描かれるのは、研究所から殺人ウイルスが持ち出される事件。

内容だけ見れば、亀山の個人的な旅立ちとは直接関係のない大事件だ。

これがいい。

最後だからといって、最初から最後まで「亀山さん卒業スペシャル」にしていない。

右京と亀山は、いつも通り事件を追う。

いつも通り二人で動く。

事件を解決する。

そして事件が終わったあと、亀山は自分の人生へ進んでいく。

右京と亀山の別れが妙にあっさりしている理由

今のドラマだったら、もっと泣かせにくるかもしれない。

過去の名場面を大量に流す。

感動的な音楽を鳴らす。

二人で長い別れの言葉を交わす。

『相棒』は、そうしなかった。

亀山の卒業は意外なほど淡い。

でも考えてみれば、右京と亀山が互いに「あなたは大切な相棒でした」なんて言い出したら、その方が変だ。

二人はそんな関係ではない。

何年も一緒に現場を走った。

何度もケンカした。

何度も命を預けた。

それで十分なのだ。

言葉にしなくても分かっている二人だから、別れまで説明しすぎない。

あのあっさりした空気に、積み重ねた年月が全部入っている。

サルウィンで亀山は刑事ではなく「先生」になった

サルウィンは『相棒』の劇中に登場する架空の南アジア国家だ。

亀山は美和子とともに現地へ移住し、やがて子どもたちに教える立場になる。

刑事から先生。

仕事だけ見れば、ずいぶん遠くへ来た。

だが、亀山本人はそれほど変わっていない。

刑事だった頃から、彼がやっていたことは案外単純だ。

悪いことをしたらダメだ。

困っている人間は助ける。

卑怯なことは許さない。

法律の条文より先に、それを信じていた。

だからサルウィンで「正義」を教える教師になったのは、突拍子もないようでいて、妙にしっくりくる。

そして14年後、その教え子たちは腐敗した政権を倒す側へ成長している。

ここまで来ると、亀山のサルウィン行きを単なる「卒業させるための設定」と片づけるのはもったいない。

刑事ではなくなった亀山の正義が、時間をかけて別の形で実を結んだ。

Season21は、その答え合わせでもあった。

亀山薫はなぜ14年後に戻ってきた?「昔のコンビ復活」では終わらなかった

2022年、Season21。

亀山薫が14年ぶりに『相棒』へ戻ってきた。

発表されたときは、正直驚いた。

歴代相棒はすでに神戸尊、甲斐享、冠城亘まで進んでいる。

そこから初代に戻す。

普通に考えれば、かなり危ない。

一歩間違えれば「あの頃はよかったですね」で終わる懐古企画になる。

だが実際のSeason21は、昔へ戻る話にはしなかった。

亀山は日本へ戻るつもりで帰国したわけではない

サルウィンで亀山が教えた元教え子たちは、やがて腐敗政権を倒し、国の改革を進める側へ回った。

その縁から亀山も親善使節団の一員として日本へ一時帰国する。

そこで右京と再会した。

この再会がまた二人らしい。

14年ぶり。

普通なら抱き合ってもおかしくない。

亀山が名乗る。

右京は知っている。

それだけ。

長年待った再会なのに、感動を強制してこない。

むしろ「この二人ならこうなるよな」と笑ってしまう。

時間が空いていたことより、会った瞬間に元の距離へ戻れることの方が大事だった。

戻ってきた亀山は、昔の亀山ではない

ここを見落とすと、亀山復帰の面白さが半分になる。

髪形や服装の話ではない。

14年間、亀山は警察の外にいた。

しかも日本の外で、自分より若い人間にものを教えて生きてきた。

一方の右京も、その14年間を止まって待っていたわけではない。

神戸尊と組んだ。

甲斐享を選び、その犯罪を自ら暴いた。

冠城亘と7シーズンを過ごした。

小野田公顕も失った。

二人とも、別々の人生を14年分背負っている。

だからSeason21は「昔の右京と亀山が帰ってきた」のではない。14年分変わった二人が、もう一度相棒になれるのかという話だった。

同じ組み合わせなのに、コピーにならなかった理由はここにある。

寺脇康文はなぜ相棒を卒業した?水谷豊との不仲説とは違う

劇中ではサルウィンへ旅立った亀山。

では現実では、なぜ寺脇康文は『相棒』を離れたのか。

長い間、水谷豊との不仲説なども語られてきた。

だが後に本人たちが明かした経緯は、それとはかなり違う。

水谷は当時の寺脇に、このまま『相棒』だけで終わるのではなく、自分が作品を背負う立場も含め、俳優としてさまざまな経験をした方がいいと勧めた。

寺脇もそれを受け止め、『相棒』を離れることを決めた。

本人の表現を借りれば、感覚としては「武者修行」だった。

この話を14年後の復帰まで知った上で見ると、妙な符合がある。

亀山は右京の隣を離れ、サルウィンで14年生きた。

寺脇も水谷の隣を離れ、『相棒』以外の現場で14年を過ごした。

役者も役も、一度外へ出た。

その二人が同じタイミングで帰ってきた。

だから復帰後の亀山には、単なる再登場にはない説得力がある。

寺脇康文自身の14年まで、どこか亀山の顔に重なって見える。

亀山薫の卒業は、本当に「退場」だったのか

ここまで追ってくると、少し見方が変わる。

亀山薫はSeason7で『相棒』を辞めた。

これは事実だ。

だが、物語として見ると「退場」という言葉がどうもしっくりこない。

右京の隣から消えただけで、亀山の人生は続いていた。

むしろ特命係を離れたことで初めて、「杉下右京の相棒ではない亀山薫」が何をするのかが描けた。

警察官でなくても人を助けるのか。

右京がいなくても正義を選ぶのか。

その答えがサルウィンでの14年間だった。

そして答えを持ったまま、再び右京の隣へ戻ってきた。

だから現在の亀山は、昔より右京に依存していない。

右京の助手でもなければ、ただ昔からいる相方でもない。

自分の人生を一度完全に生きた男が、それでももう一度この人の隣で事件を追うことを選んでいる。

こっちの方がずっと重い。

亀山薫が相棒を辞めた理由まとめ

亀山薫が『相棒』を辞めた直接の理由は、親友・兼高公一の遺志を継ぎ、サルウィンで支援活動をするためだった。

Season7第1話・第2話「還流」がそのきっかけとなり、第8話・第9話「レベル4」を最後に警視庁を退職。

妻・美和子とサルウィンへ渡った。

だが、この卒業を「親友が死んだから海外へ行った」とだけ説明すると、亀山という人物の一番大事なところが抜け落ちる。

亀山は、見てしまった人間だった。

友人が向き合っていた現実を見た。

サルウィンで助けを必要としている人たちを知った。

そして知ってしまった以上、「俺には関係ない」と元の日常へ戻れなかった。

だから警察を辞めた。

14年間、別の場所で生きた。

その末に、もう一度右京の隣へ帰ってきた。

亀山薫は右京の相棒だから正義感が強いのではない。もともとこういう男だったから、杉下右京の相棒になれた。

Season7の別れとSeason21の再会を続けて見ると、そのことがよく分かる。

亀山は右京のもとへ戻ってきた。

だが、14年前の場所へ戻ったわけではない。

自分の人生を一周したうえで、もう一度同じ男の隣を選んだ。

だから今の右京と亀山は、昔と同じように見えて、昔よりずっと「相棒」なのだ。

読んでいただきありがとうございます!
ブログランキングに参加中です。
よければ下のバナーをポチッと応援お願いします♪

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ にほんブログ村 アニメブログ おすすめアニメへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました