相棒の怖い回・トラウマ回は?後味の悪い衝撃回も紹介

相棒
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『相棒』で一番怖い回はどれか。

これ、意外と難しい。

『相棒』はホラードラマではない。

幽霊が毎週出るわけでもないし、怪物が人を襲うわけでもない。

なのに、ときどき下手なホラーよりずっと怖い回を放り込んでくる。

子どもが怖い。

普通の主婦が怖い。

善意が怖い。

ネットに集まった人間が怖い。

そして一番嫌なのが、見終わったあとに「これは自分と無関係な話だ」と言い切れない回だ。

幽霊ならテレビを消せば終わる。

人間の悪意はそうはいかない。

『相棒』の本当に怖い回は、犯人の顔ではなく、人間そのものが怖くなる。

そこで今回は、歴代シリーズから「怖い」「トラウマになる」「後味が悪い」と感じた10本を選んだ。

単純な恐怖だけではなく、見終わったあとに嫌なものが残る回まで含めている。

この記事でわかること

  • 『相棒』で怖い・トラウマになる回
  • 後味が悪くて引きずるエピソード
  • ホラー演出が強い回
  • 犯人や人間心理が怖い回
  • 初心者が覚悟して見た方がいい回

なお、「怖い」ではなく純粋に完成度の高いエピソードを探しているなら、神回をまとめた記事もある。

今回選んだのは、そこからさらに「怖さ」に振ったエピソードだ。まずは一覧で見てみよう。

相棒の怖い回・トラウマ回10選

シーズン・話数 タイトル 怖さのタイプ
Season1 第5話 目撃者 子どもの冷酷さ
Season4 第4・5話 密やかな連続殺人/悪魔の囁き 連続殺人・心理
Season9 第8話 ボーダーライン 社会・救いのなさ
Season9 第10話 聖戦 復讐・執念
Season13 第15・16話 鮎川教授最後の授業 監禁・思想
Season3 第18話 異形の寺 ホラー演出
Season5 第2話 スウィートホーム 幽霊屋敷
pre season 第2話 恐怖の切り裂き魔連続殺人! 猟奇殺人
Season7 第18話 悪意の行方 ネット・集団心理
Season5 第5話 悪魔への復讐殺人 復讐・連続殺人の余波

同じ「怖い」でも、中身はかなり違う。

「スウィートホーム」や「異形の寺」は見た目からして不気味だ。

一方で「ボーダーライン」には幽霊も猟奇殺人鬼も出てこない。

それなのに、個人的にはそちらの方が怖い。

順番に見ていこう。

Season1第5話「目撃者」|子どもだから怖くない、が通用しない

初期『相棒』の怖さを語るなら、「目撃者」は外せない。

小学校教師がボウガンで殺害される。

事件を目撃したという少年・守を演じているのは、当時子役だった染谷将太。

右京たちは少年の証言をもとに事件を追う。

だが、この回の恐ろしさは「子どもが事件を見てしまった」という話では終わらない。

子どもなら無邪気で、大人より純粋だというこちら側の思い込みを、かなり冷たい形で壊してくる。

右京は相手が子どもだからといって、真実を曖昧にはしない。

そこも怖い。

まだSeason1なのに、『相棒』というドラマはすでに「犯人を捕まえてスッキリ」で終わるつもりがなかった。

Season4第4・5話「密やかな連続殺人/悪魔の囁き」|人の心に悪魔は移るのか

怖さだけで選ぶなら、この前後編はかなり上位に置きたい。

片耳のピアスをなくした女性の遺体。

調べてみると、同じ特徴を持つ未解決事件が全国で何件も起きていた。

有力容疑者として浮上するのが、小日向文世演じる村木重雄。

だが、事件は「連続殺人鬼を捕まえて終わり」ではない。

むしろ本当に嫌なのはそこからだ。

人間の中にある異常性。

それを理解しようとする者。

理解しているうちに、その闇へ引きずられていく者。

悪意は一人の犯人の中だけにあるのではなく、人から人へ伝染するのではないか。

そんな嫌な感覚を残す。

タイトルの「悪魔の囁き」が大げさに感じないのが一番怖い。

Season9第8話「ボーダーライン」|怪物がいないからこそ怖い

『相棒』で一番怖い回を一つ選べと言われたら、私はこれを候補に入れる。

ただしホラーではない。

猟奇殺人でもない。

幽霊も出ない。

一人の男が、仕事を失い、住む場所を失い、人とのつながりを失い、少しずつ社会の外へ押し出されていく。

それだけだ。

それだけなのが怖い。

「この男には特別な欠陥があったからこうなった」と逃げられない。

一つ一つは、現実でも起こりそうなことばかり。

あと一回。

あと一日。

あと誰か一人。

何かが違っていれば結末は変わったのかもしれない。

でも、変わらなかった。

「ボーダーライン」の怪物は犯人ではない。誰かが落ちても、そのまま日常が続いてしまう社会そのものだ。

だから見終わってからも重い。

Season9第10話「聖戦」|復讐だけを生きる理由にした人間の怖さ

元日スペシャルなのに、めでたさはほぼない。

自宅に仕掛けられた爆弾によって、一人の男が殺される。

浮かび上がるのが、過去の事故で息子を失った母親・寿子。

この回で怖いのは爆弾そのものではない。

長い年月をかけて、一人の人間の中で復讐だけが育っていく過程だ。

悲しみは普通なら時間とともに薄くなる、と人は簡単に言う。

でも薄くならない人間もいる。

むしろ毎日磨いて、鋭くしてしまう人間もいる。

復讐を思いついた瞬間より、それを長い間捨てずに持ち続けられることの方が怖い。

南果歩の静かな演技もあって、派手な爆破事件なのに妙に冷たい一本になっている。

事件の詳しい流れや、寿子がなぜここまで復讐に取りつかれたのかを振り返りたい場合はこちらで詳しく書いている。

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Season13第15・16話「鮎川教授最後の授業」|問いに答えられなければ殺される

設定だけならほとんどソリッド・シチュエーション・スリラーだ。

右京は大学時代の恩師・鮎川教授の古希を祝う会へ出席する。

ところが突然、参加者は眠らされる。

目を覚ますと地下室。

鮎川教授が突きつけた問いは、

「なぜ人を殺してはいけないのか」

というものだった。

納得できる答えが出なければ、人を撃つ。

怖い。

しかも鮎川は最初から狂人として登場するわけではない。

右京の恩師。

知性のある大学教授。

そんな人物が理屈を使って人間を追い詰めてくる。

暴力的な人間が銃を持つより、「自分には理由がある」と確信している知的な人間が銃を持つ方が怖い。

右京が言葉で戦わなければならないところも、この回らしい。

しかもこの事件は前後編。第15話で突きつけられた異様な「授業」が、第16話の解決篇でどこへ着地するのかまで見ると印象がかなり変わる。

Season3第18話「異形の寺」|『相棒』なのに普通にホラーが始まる

ここまで人間心理の怖さが続いたので、分かりやすく怖い回も入れたい。

「異形の寺」である。

深夜。

池の向こうに全裸の女性が立っている。

亀山が駆けつける。

ところが誰もいない。

池を探ってみると出てくるのは――頭蓋骨。

完全にホラーである。

「番組間違えた?」となる。

もちろん、その後は『相棒』らしく人間の問題へ入っていく。

ただ冒頭の不穏さはシリーズでもかなり強い。

暗い寺、消える女性、白骨。

夜中に一人で見る『相棒』としては、かなり嫌なスタートだ。

Season5第2話「スウィートホーム」|亀山が買った家、どう考えても怖すぎる

こちらも正統派のホラー枠。

亀山が古い洋館を破格の値段で購入する。

なぜ安かったのか。

以前の住人が、その家で殺されている。

しかも元の住人は悪魔崇拝の研究家。

近所では幽霊屋敷と噂されている。

もう買うな。

物件情報の段階で帰れ。

だが亀山は幽霊など信じない。

そして夜、美和子とともに不気味なものを目撃する。

もちろん『相棒』なので、右京は幽霊そのものを素直に信じたりはしない。

それでも薄暗い洋館を舞台に「何かいる」感を引っ張る演出は、かなりホラー寄りだ。

社会派の重い回を見る気力がないけれど、「怖い相棒」を見たいという人にはこれがちょうどいい。

pre season第2話「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」|浅倉禄郎が怖すぎる

連続ドラマになる前の『相棒』にも、強烈な怖さがある。

pre season第2話。

タイトルからして、

「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」

である。

そしてこの回で登場するのが、浅倉禄郎。

後のシリーズにも影を落とす重要人物だ。

浅倉を演じるのは生瀬勝久。

普段のコミカルなイメージを知っていると、余計に怖い。

『相棒』は最初から、右京と亀山が難事件を解くだけの軽い刑事ドラマではなかった。

シリーズのかなり早い段階で、「理解できない殺人者」を二人の前に置いている。

今の『相棒』しか知らない人ほど、一度見てほしい。

Season7第18話「悪意の行方」|犯人一人を捕まえても悪意が終わらない

「悪意の行方」は、ネット社会の怖さを扱った回だ。

右京と陣川が何者かに拉致監禁される。

捜査を進めると、学校裏サイトを中心に人間の悪意が広がっていく。

この回の嫌なところは、悪意の出発点と結果の間にたくさんの人間がいることだ。

誰かが書く。

誰かが読む。

誰かが面白がる。

誰かが実行する。

すると最後には、最初に書いた本人すら予想していなかったところまで事件が膨らんでいく。

2009年放送。

だがSNSが生活の一部になった今見ると、むしろ当時より怖く感じるかもしれない。

悪意は、強い一人の悪人がいなくても増幅できる。

タイトル通り、「悪意がどこへ行くのか」が怖い話だ。

Season5第5話「悪魔への復讐殺人」|殺人鬼を殺せば正義なのか

Season4の「密やかな連続殺人」「悪魔の囁き」で終わらなかった恐怖が、Season5へ戻ってくる。

過去に女性を次々殺害した安斉。

逮捕されたものの、鑑定の結果、刑事責任能力なしとして不起訴となっていた。

その安斉が殺される。

ここで出てくるのが、かなり嫌な問いだ。

殺人鬼を殺した人間は、悪なのか。

自分の家族を殺された人間に「法律に任せろ」と言えるのか。

しかし私刑を認めれば、誰でも自分の基準で人を裁けるようになる。

正義と復讐の境目がどんどん分からなくなる。

犯人が怖いだけではなく、見ている側まで「殺されても仕方ないのでは」と一瞬考えてしまう。その自分が少し怖くなる回だ。

『相棒』がうまいのは、こういうところだ。

悪人を出して終わらず、見ているこちらの倫理まで巻き込んでくる。

ここまで挙げた10本を見ると、『相棒』の怖さは大きく二種類に分けられる。画面そのものが怖い回と、見終わったあとに考えるほど怖くなる回だ。

相棒で本当に怖いのはホラー回より人間が怖い回

「怖い回」と聞くと、普通は「スウィートホーム」や「異形の寺」のような話を想像する。

確かに怖い。

暗い洋館。

幽霊のような人影。

寺。

白骨。

絵として分かりやすく怖い。

でも『相棒』で長く残る恐怖は、そこではない気がする。

「目撃者」の少年。

「聖戦」の復讐。

「悪意の行方」の群衆。

そして「ボーダーライン」の社会。

全部、人間だ。

幽霊は「いない」と思えば逃げられる。

だが、

「自分も追い詰められたらどうなる?」

「自分の家族が殺されたら?」

「匿名なら悪口を書かないと言い切れる?」

こう聞かれると簡単には逃げられない。

『相棒』は、人間が他人事の顔をして見られなくなるところまで持っていく。

そこが怖い。

そして、この「怖い」と「後味が悪い」は似ているようで少し違う。怖さの方向で選ぶなら、見る前にタイプを知っておいた方がいい。

後味が悪い・胸糞系が苦手なら特に注意したい3話

「怖いのは好き。でも救いがない話は苦手」という人もいるだろう。

その場合、特に注意したいのはこの3本。

作品 注意ポイント
ボーダーライン 社会から転落していく過程が現実的で救いが薄い
聖戦 長年積み重なった復讐心が重い
悪魔への復讐殺人 被害者側の感情と法の正義がぶつかる

特に「ボーダーライン」は、グロい場面が怖いわけではない。

だから余計に逃げ場がない。

現実と地続きだからだ。

逆に「スウィートホーム」は不気味ではあるものの、エンタメとして楽しみやすい。

怖い回を見たいけれど重すぎるのは嫌、という場合はこちらから入った方がいい。

そして、ここで一つ分けて考えておきたいことがある。「怖い回」と「再放送されない回」は同じではない。

相棒の怖い回は再放送されない?怖さと欠番は別の話

怖い回や内容の重い回を調べていると、

「この回は再放送されないのでは?」

「放送禁止なのでは?」

という話へ行き着くことがある。

ただ、ここは分けて考えた方がいい。

内容が怖いから再放送されない、という単純な関係ではない。

実際、「密やかな連続殺人」「悪魔の囁き」のようなかなり重い作品でも、後年に再放送されている。

一方、『相棒』にはさまざまな事情から、再放送について話題になりやすいエピソードもある。

ここは「怖い回」と混ぜるより、別テーマとして整理した方が分かりやすい。

怖い回を探していた人の中には、むしろ「一度しか見た記憶がない回」「最近再放送で見かけない回」が気になっている人もいるはずだ。

その話はまた別の記事で詳しく見ていく。

最後に、今回の10本を「どんな怖さを見たいか」で簡単に分けておこう。

相棒の怖い回・トラウマ回まとめ

『相棒』の怖い回を10本選ぶなら、今回挙げたのは次の作品だ。

  1. Season1第5話「目撃者」
  2. Season4第4・5話「密やかな連続殺人/悪魔の囁き」
  3. Season9第8話「ボーダーライン」
  4. Season9第10話「聖戦」
  5. Season13第15・16話「鮎川教授最後の授業」
  6. Season3第18話「異形の寺」
  7. Season5第2話「スウィートホーム」
  8. pre season第2話「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」
  9. Season7第18話「悪意の行方」
  10. Season5第5話「悪魔への復讐殺人」

純粋にホラーっぽい怖さなら「スウィートホーム」「異形の寺」。

犯罪者の怖さなら「目撃者」「密やかな連続殺人/悪魔の囁き」。

人間心理なら「聖戦」「鮎川教授最後の授業」。

現実と地続きの怖さなら「悪意の行方」「ボーダーライン」。

同じ「怖い相棒」でも、かなり味が違う。

ただ、個人的に一番引きずるのはやはり「ボーダーライン」だ。

殺人鬼なら、逮捕すれば物語を終わらせられる。

幽霊なら、正体を暴けば終わる。

でも社会そのものが怖かったら、右京にも逮捕できない。

『相棒』で本当に怖いのは、犯人が捕まっても何も解決していないように感じる回なのかもしれない。

事件が終わったのに、こちらの中では終わらない。

そういう回ほど、何年たっても忘れられないのだ。

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