べらぼう 『べらぼう』第21話ネタバレ感想 “絵と政”の交差点
「誰が袖のからまる蔦や──」。蔦屋重三郎が吉原で投じた一首が、そのまま彼の“今”を映しているようだった。2025年大河ドラマ『べらぼう』第21話「蝦夷桜上野屁音」では、江戸という街を舞台に、狂歌、錦絵、そして政(まつりごと)が、まるで即興の狂句のように絡み合ってゆく。田沼意知が“花雲助”と化して追うのは、蝦夷地に巣食う密貿易の影。蔦重が挑むのは、西村屋に敗れた錦絵『雛形若葉』の逆転劇。そして、放屁一発で場の空気が変わる宴の真ん中で、人々の欲と情が鮮やかに描かれた。
