神戸尊はなぜ相棒を辞めた?卒業理由・その後・再登場まで解説

相棒
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神戸尊は、杉下右京とケンカして特命係を辞めた。

――そう覚えているなら、半分は合っている。でも半分は違う。

確かにSeason10最終回「罪と罰」で、右京と神戸の正義は真正面からぶつかった。

しかも神戸は、自分の考えを通すために右京が絶対にやらないと思っていたことまでやる。

その結果、神戸自身が「もう特命係にはいられない」と考えた。

ここまでは間違っていない。

だが、右京は神戸を追い出していない。

むしろ残れと言っている。

それでも神戸は特命係を去った。

なぜか。

最終的に神戸を動かしたのは、二人の仲違いではなく警察上層部の人事だったからだ。

そしてこの卒業、神戸尊という人物を振り返ると実によくできている。

そもそも神戸は、右京の相棒になるために特命係へ来た男ではない。

杉下右京を監視するために送り込まれた男だった。

そんな男が3年間をかけて、本気で右京の相棒になる。

そして最後は右京に従うのではなく、右京の正義に真正面から逆らって去っていく。

この記事では、神戸尊がなぜ『相棒』を辞めたのか、Season10最終回「罪と罰」で何が起きたのか、警察庁へ戻ったその後、再登場まで詳しく追っていく。

この記事を読むとわかること

  • 神戸尊が特命係を辞めた本当の理由
  • Season10最終回「罪と罰」で右京と何があったのか
  • 右京と神戸は決裂したのか
  • 神戸尊の異動先と卒業後の立場
  • 及川光博が『相棒』を卒業した実際の理由
  • 神戸尊の主な再登場回
  • 亀山薫と神戸尊が初対面した回

神戸尊はなぜ相棒を辞めた?右京との対立だけが理由ではない

最初に結論を整理しておこう。

神戸尊はSeason10最終回「罪と罰」で、自分の正義を貫くために杉下右京と対立。

その過程で右京の信念を曲げさせてしまったことに負い目を感じ、自ら特命係を離れようとした。

ところが右京は、それを認めなかった。

神戸を責めて追放したわけでもない。

「君を追い出すつもりはない」というのが右京の答えだった。

つまり、この時点では神戸が特命係に残る道もあった。

しかし最終的に警察上層部の思惑が働き、神戸は警察庁長官官房付へ異動する。

だから「神戸は右京とケンカして辞めた」という説明では足りない。

もっと正確に言えば、

神戸自身は去ろうとした。右京は残そうとした。だが最後は上層部によって異動させられた。

これが神戸尊の卒業だ。

神戸尊は最初から「右京の相棒」ではなかった

神戸の卒業を理解するなら、最後だけ見ても足りない。

むしろ最初を見る必要がある。

神戸尊が初登場したのはSeason7最終回第19話「特命」。

亀山薫がサルウィンへ旅立ったあと、しばらく一人で動いていた右京の前に現れた。

だが神戸には、最初から裏の目的があった。

上層部から与えられていた任務は、

「特命係が警察組織にとって必要なのかを検証すること」

だった。

もっと平たく言えば、右京の監視である。

しかも神戸は、そのために2階級降格という形まで取って特命係へ送り込まれた。

右京を助けるためではない。

場合によっては、特命係を潰すために来た男だった。

だから初期の二人には、亀山時代とはまるで違う空気がある。

亀山なら「右京さん、それどういう意味ですか?」と聞くところで、神戸は一度自分で考える。

納得できなければ反論する。

右京も神戸を簡単には信用しない。

初登場回では、はっきり「君は亀山君の代わりにはなれません」と突き放している。

かなりキツい。

だが、これは正しかった。

神戸は亀山の代わりになる必要などなかった。

神戸は神戸として、まったく別の相棒になっていくからだ。

Season8「神の憂鬱」で神戸は本当の相棒になった

神戸時代を語るなら、Season8最終回「神の憂鬱」は外せない。

ここで神戸が特命係へ送り込まれた本当の目的が明らかになる。

そして任務を終えた神戸には、警察庁へ戻る道が用意された。

本来なら、それでいい。

神戸はエリート官僚だ。

特命係への配属は左遷を装った潜入任務だったのだから、仕事が終われば本庁へ戻ればいい。

ところが神戸は戻らなかった。

自分の意思で特命係に残った。

そこで右京が神戸に言ったのが、

「ようこそ、特命係へ」

という言葉だ。

神戸が登場したのはSeason7最終回。

なのに、本当の意味で右京の相棒になったのはSeason8の最後だった、と言っていい。

最初は命令で隣にいた。

一年後、自分からその隣を選んだ。

この違いは大きい。

だからこそ、Season10の別れが効いてくる。

神戸は右京の監視役として来て、最後には右京の命令すら聞かないほど自分の正義を持った相棒になって去ったのである。

Season10最終回「罪と罰」で右京と神戸は何をめぐって対立した?

神戸尊の卒業回は、2012年3月21日に放送されたSeason10第19話「罪と罰」。

事件の中心にあったのは、クローン人間だった。

バイオテクノロジー研究所の研究員・嘉神郁子は、娘・茜の願いを受け、亡くなった茜の息子のクローンを作っていた。

しかも茜は、その子を妊娠している。

当然、そんな事実が表に出れば大問題になる。

倫理。

法律。

国家。

科学。

全部が絡む。

そして事件を追う右京と神戸は、ここで別々の答えを出した。

右京は「罪を見逃すことはできない」と考えた

右京はいつも通りだ。

犯罪がある。

真実がある。

ならば明らかにする。

相手が誰であろうと、結果がどれほど残酷であろうと、真実を都合よく埋めることを右京は嫌う。

これこそ杉下右京だ。

だが神戸には、別のものが見えていた。

まだ生まれてもいない子どもだ。

クローンであることが世間に知られれば、その子はどうなるのか。

本人には何の罪もない。

なのに生まれた瞬間から、世界中の好奇と恐怖の目にさらされる。

母や祖母が犯した罪の代償を、子どもが一生背負わされるかもしれない。

神戸には、それが許せなかった。

ここで面白いのは、右京も神戸も「正義」の側にいることだ。

悪人と善人が争っているのではない。

「罪を隠してはいけない」という右京。

「罪を暴くことで無実の命を傷つけていいのか」という神戸。

どちらにも理屈がある。

だから簡単に決着しない。

神戸は右京を脅した

そして神戸は、一線を越える。

右京がどうしても事件を公にするなら、自分が胎児を殺すという趣旨の言葉を突きつけた。

もちろん、神戸が本当に子どもを殺したかったわけではない。

逆だ。

その子を守るためだった。

右京なら、自分に人殺しをさせるくらいなら真実の公表を諦める。

神戸はそこまで右京を知っていた。

だから右京の正義を、右京自身の正義で封じた。

これは相当えげつない。

でも、神戸にしかできない。

右京を誰より理解した相棒だからこそ、右京が絶対に選べない選択肢を突きつけられた。

皮肉な話だ。

神戸が本当の相棒になった証明が、二人を決裂寸前まで追い込むことになった。

神戸尊は右京と決裂したから辞めたわけではない

事件後、神戸は自分に特命係にいる資格がないと考える。

自分の正義を守るためとはいえ、右京の信念を曲げさせた。

だから大河内春樹に異動を頼もうとする。

ここだけ見れば、「やっぱり右京と決裂したんじゃないか」と思う。

ところが右京の反応は違った。

神戸を責めない。

神戸だけの罪だとも言わない。

むしろ自分にも責任があると受け止める。

そして神戸を特命係から追い出すつもりはないと伝える。

これが重要だ。

二人は正義をめぐって激しく対立した。でも信頼関係までは壊れていない。

意見が一致するから相棒なのではない。

一致しなくても、相手がなぜそうしたのかを理解できる。

神戸時代が3年間かけて作った関係は、そこまで来ていた。

神戸尊の異動先は警察庁長官官房付

では、右京が残留を認めていたのに、なぜ神戸は去ったのか。

最後に動いたのが警察上層部だ。

神戸は警察庁長官官房付への異動を命じられる。

しかも異動先には、『相棒-劇場版II-』で右京たちと対峙した長谷川宗男もいた。

ここがいかにも『相棒』らしい。

神戸自身の意思だけで人生が決まらない。

右京の意思だけでも決まらない。

最後には組織の力が入ってくる。

神戸はもともと、その組織から送り込まれた男だった。

そして3年後、また組織の都合で右京の隣から引き離される。

だが、同じ場所へ戻ったわけではない。

最初の神戸は、組織の命令で右京を監視していた。

卒業するときの神戸は、組織の論理より自分の正義で動く人間になっている。

配属先は戻っても、中身はもう戻らなかった。

そこまで含めて、神戸尊の3年間はきれいに一本の線になっている。

及川光博はなぜ相棒を降板した?本人から申し出たわけではない

では現実の話。

及川光博はなぜ『相棒』を卒業したのか。

ここはネット上で話が膨らみやすいが、2012年の公式会見を見るとかなり明確だ。

当時の松本基弘ゼネラルプロデューサーは、神戸卒業について物語を新鮮に展開していくために生まれたストーリー上の展開という趣旨で説明している。

及川自身も、その決定を聞いたときについて「出会いもあれば別れもある」と受け止め、3年間を学校の卒業になぞらえていた。

つまり、少なくとも公式会見を見る限り、

「及川光博が嫌になって自分から降板を申し出た」という話ではない。

制作側がシリーズの新しい展開として卒業を決め、及川もそれを受け入れた。

しかも、このとき既に「神戸が警察組織に残れば再登場する可能性がある」という話まで出ている。

実際、その通りになった。

神戸尊はその後どうなった?卒業後も右京との関係は続いている

神戸は特命係を卒業したが、『相棒』の世界から退場したわけではない。

警察庁長官官房付として警察組織に残り、その後も右京とは連絡を取り続けている。

これが神戸の強みだ。

亀山のように海外へ行ったわけではない。

甲斐享のように逮捕されたわけでもない。

右京とは違う場所にいるだけで、今も同じ警察組織の中にいる。

だから必要になれば、右京は電話一本で神戸を動かせる。

神戸も文句を言いながら動く。

特命係を離れてからの方が、妙に便利な元相棒になっている。

神戸尊の主な再登場

作品・シーズン 主な内容
『相棒-劇場版III-』 警察庁長官官房付として再登場。甲斐享時代の特命係に関わる
Season15 第13話・第14話「声なき者」 右京に情報を提供し、冠城亘とも事件に関わる
『相棒-劇場版IV-』 再びシリーズに登場
Season17 第10話「ディーバ」 右京の依頼を受け、冠城の窮地に駆けつける
Season21 第20話・第21話「13」 約4年ぶりに登場。亀山薫と初対面する

こうして並べると分かる。

神戸は「卒業したキャラクター」というより、警察庁側に配置された準レギュラーに近い。

右京が警察内部の別ルートから情報や協力を必要とするとき、神戸は非常に使いやすい。

しかも二人の信頼関係を一から説明する必要がない。

電話一本で動けば、それだけで「ああ、この二人は今もつながっているんだな」と分かる。

Season21で神戸尊と亀山薫がついに初対面

神戸の再登場で特に面白かったのが、Season21最終回スペシャル「13」だ。

ここで神戸尊と亀山薫が初めて顔を合わせた。

考えてみれば妙な話である。

初代相棒と2代目相棒。

ファンにとってはどちらもおなじみなのに、劇中ではずっと会ったことがなかった。

亀山がサルウィンへ行った後に神戸が来たのだから当然なのだが、20年以上続くシリーズならではの不思議な関係だ。

しかも神戸は、以前から亀山という人物に興味を持っていた。

右京と何年も組み、その前任者として何度も名前を耳にした男。

会ってみたいと思うのは当然だろう。

そしてSeason21でようやく実現した。

ここで面白いのは、「どっちが右京の本当の相棒か」みたいな安い対立にしなかったことだ。

亀山には亀山の時間がある。

神戸には神戸の時間がある。

右京にとって、どちらかを上書きする関係ではない。

歴代相棒は交代するたびに消えていくのではなく、杉下右京の人生の中にそのまま残っている。

神戸の再登場を見るたび、そのことがよく分かる。

神戸尊はなぜ辞めたのか?3年間を通して見ると答えが変わる

「神戸尊はなぜ相棒を辞めた?」

検索の答えだけなら、こうだ。

Season10最終回「罪と罰」で右京と正義をめぐって対立し、自分の行動への負い目から特命係を去ろうとした。その後、上層部の人事によって警察庁長官官房付へ異動した。

これで事実は説明できる。

でも、神戸編を3年間通して見ると、少し違うものが見える。

神戸は最初、右京を監視するために来た。

組織の命令を背負ったスパイだった。

Season8では、その組織へ戻る道を蹴って特命係を選んだ。

そしてSeason10では、右京に従うのではなく、自分の正義を選んだ。

右京と同じ考えになったから相棒になれたわけではない。

右京と違う答えを出しても、自分の正義を貫ける人間になった。

その結果、右京の隣を離れることになった。

だから神戸の卒業は失敗ではない。

むしろ神戸尊という人物の完成だったのではないか。

監視する側だった男が、最後には監視対象だった右京さえ動かす。

しかも右京は、そんな神戸を切り捨てなかった。

二人は同じにならなかった。

同じにならなかったからこそ、最後まで相棒だった。

神戸尊が相棒を辞めた理由まとめ

神戸尊が特命係を卒業したのは、Season10最終回「罪と罰」。

クローン人間をめぐる事件で右京と正義が衝突し、神戸は無実の子どもを守るため、右京に信念を曲げさせるほど強硬な手段を取った。

その行動への負い目から特命係を離れようとしたものの、右京自身は神戸を追い出すつもりはなかった。

最終的には警察上層部の思惑によって、警察庁長官官房付へ異動している。

だから神戸の卒業は、

「右京とケンカしたから」

でも、

「神戸が警察を辞めたから」

でもない。

むしろ逆だ。

神戸は3年間かけて、右京に従う部下ではなく、自分の正義を持った相棒になった。

そしてその正義が最後に右京とぶつかった。

神戸尊は右京と違う人間だったから特命係を去った。でも、右京と違う人間だったからこそ杉下右京の相棒になれた。

ここが神戸編の面白さだ。

だから卒業して十年以上たった今も、神戸が出てくると「元相棒が来た」という感じがしない。

場所が変わっただけで、あの関係はまだ続いているように見える。

神戸尊は特命係を辞めた。

だが、杉下右京の相棒だった時間までは終わっていない。

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