【ネタバレ解説】NHKドラマ「どうせ死ぬならパリで死のう」あらすじ・キャスト・脚本家まとめ

2025年3月16日放送のNHK特集ドラマ「どうせ死ぬならパリで死のう」。主演は岡山天音さんで、脚本を務めるのは注目の新鋭・伊吹一さんです。

本作は、人生を悲観する大学講師と甥っ子の共同生活を描くオリジナルストーリー。悲観主義哲学者エミール・シオランの思想を軸にしつつ、ネガティブながらも温かい人間模様が展開されます。

この記事では、ドラマの詳しいあらすじ、登場人物、脚本家について徹底解説！放送前にストーリーの背景をチェックしましょう。

「どうせ死ぬならパリで死のう」のあらすじネタバレ

NHK特集ドラマ「どうせ死ぬならパリで死のう」は、人生を悲観する二人の奇妙な共同生活を描いたオリジナルストーリーです。

主人公は、経済的に困窮しながら大学の非常勤講師を務める昼間吉人（ひるま よしひと）（岡山天音）。彼は悲観主義の哲学者エミール・シオランを研究するほど、生きることにネガティブな男です。

そんな彼が、妊娠中の姉から10歳の甥・昼間幸太（ひるま こうた）（森優理斗）を預かることになります。しかし、幸太もまた人生に絶望しており、二人は不思議なほど意気投合。「ここじゃないどこかへ行きたい」と願う幸太の言葉が、吉人の心を揺さぶります。

主人公・吉人と甥・幸太の奇妙な共同生活

甥を預かることになった吉人でしたが、幸太は突如失踪。

必死に探し出したものの、そこで待っていたのは絶望に満ちた表情を浮かべる幸太の姿でした。なぜ彼はそこまで悲観的なのか——吉人は彼の心の内を探るうちに、自分自身と向き合うことになります。

こうして二人は、不器用ながらも共に生活し、次第に「生きる意味」を見出していくことに。しかし、その先には彼らにとって最悪の悲劇が待ち受けていました。

人生を悲観する二人が見出す「生きる糧」とは？

二人はエミール・シオランの言葉に触れながら、「人生の意味とは何か？」を模索していきます。

シオランの思想は徹底した悲観主義であり、「人間なんて生まれないほうがよかった」という反出生主義を提唱したことで知られています。

そんな言葉に共感しつつも、彼らはなぜか生きる糧を見出していきます。「生きることは拷問でしかない」と言いながらも、笑い合える時間が増えていく二人。

しかし、その幸せも束の間、物語の終盤には彼らの人生を大きく揺るがす悲劇が待ち受けています。

物語のカギを握る悲観主義哲学者シオラン

本作のテーマの根底にあるのが、「ペシミストの王」と称されるエミール・シオランの哲学です。

彼の代表作『生誕の災厄』や『悪しき造物主』には、人間の本質に対する冷酷な考察が詰め込まれています。

しかし、そんな絶望的な思想に触れながらも、吉人と幸太は「人生には意味がないからこそ、自由に生きられるのでは？」という新たな視点を持つようになります。

彼らの旅がどんな結末を迎えるのか、「どうせ死ぬならパリで死のう」というタイトルの真意とは？

ドラマの最後まで目が離せません。

「どうせ死ぬならパリで死のう」の登場人物とキャスト

本作には実力派俳優たちが集結しています。

主人公を演じるのは、映画・ドラマで幅広く活躍する岡山天音さん。

さらに、注目の子役・森優理斗さんをはじめ、村川絵梨さん、おいでやす小田さんなど、多彩なキャストが脇を固めています。

ここでは、各キャストの役柄や魅力を詳しくご紹介します。

主演・岡山天音が演じる吉人とは？

主人公の昼間吉人（ひるま よしひと）を演じるのは、岡山天音さん。

吉人は経済的に困窮する大学の非常勤講師で、悲観主義哲学を研究しています。

ネガティブすぎる性格ですが、甥・幸太との共同生活を通して、少しずつ変わっていく様子が描かれます。

岡山天音さんは、『アンメット ある脳外科医の日記』『キングダム』など、個性的な役柄を繊細に演じる俳優として高く評価されています。

森優理斗が演じる甥・幸太の役どころ

甥の昼間幸太（ひるま こうた）を演じるのは、子役の森優理斗さん。

幸太は母親に預けられ、叔父の吉人と生活を始める少年です。

しかし、彼もまた人生に絶望しており、吉人と同じくネガティブな思考を持っています。

森優理斗さんは、これまでに『らんまん』などの話題作にも出演しており、感情表現の豊かさが魅力の若手俳優です。

脇を固める個性豊かなキャスト陣

• 昼間明美（ひるま あけみ）：村川絵梨

  吉人の姉で、天真爛漫な性格。幸太を吉人に預け、新たな恋人・大和田理玖（中村織央）と暮らしています。

• 大和田理玖（おおわだ りく）：中村織央

  売れないバンドマンで、明美の恋人。幸太のことをかわいがる優しい性格です。

• 三木ひかり（みき ひかり）：片岡礼子

  吉人が働く大学の准教授で、彼のよき理解者。時折、吉人に助言を与える存在です。

• 和辻（わつじ）：おいでやす小田

  吉人のアルバイト先のコンビニ店長。生真面目な性格で、吉人のネガティブさに呆れながらも見守っています。

• 萩原雪乃（はぎわら ゆきの）：ゆうちゃみ

  吉人の大学の教え子で、俳優を目指している明るい性格の女性。

• 春川昆（はるかわ こん）：渡部潤一

  謎の清掃員で、フランスへの憧れを抱く不思議な人物。

これらのキャストが、それぞれの立場から吉人と幸太の関係を彩ります。

特においでやす小田さん演じる和辻のツッコミや、ゆうちゃみさん演じる雪乃の明るさが、ドラマの中で良いアクセントになりそうです。

個性豊かなキャストたちの演技に注目ですね！

脚本家・伊吹一とは？

本作の脚本を手がけるのは、気鋭の脚本家・伊吹一（いぶき はじめ）さん。

彼は、独特な世界観と繊細なストーリー構成で注目を集める若手脚本家です。

これまでに数々のドラマを手がけ、特に人生の葛藤や心理描写に優れた作風が評価されています。

では、彼の経歴や本作に込めた想いを詳しく見ていきましょう。

脚本家デビューからの経歴

伊吹一さんは、2019年に「はるしぐれ」で南のシナリオ大賞を受賞し、脚本家としてデビューしました。

その後、2021年には「すりーばんど」でフジテレビヤングシナリオ大賞佳作を受賞し、業界内での評価を確立。

2022年には『元彼の遺言状』や『女神の教室〜リーガル青春白書〜』の脚本協力を担当し、着実にキャリアを積んでいきます。

さらに、2023年からは『埼玉のホスト』『僕たちの校内放送』などで脚本を務め、独自の視点を持つストーリーテラーとして注目を浴びました。

本作に込めた想いと創作の背景

伊吹一さんは、自身の過去の経験からエミール・シオランの思想に強く影響を受けたと語っています。

彼が法律家の夢を諦め、人生のどん底にいたときに出会ったのが、悲観主義の哲学者・シオランの著作でした。

シオランの「生まれてこないほうがよかった」という思想に触れることで、彼自身の考え方も変わり、最終的に脚本家としての道を歩むことになります。

このドラマは、そうした自身の体験をもとに、「人生を悲観しながらも、どこか楽しい」というテーマを描き出した作品です。

伊吹一さんは本作について、次のようにコメントを残しています：

６年ほど前、法律家の夢が破れ、人生のどん底にいた頃出会ったのが、今回のモチーフであるシオランという思想家でした。彼は世界を代表するペシミストですが、そのペシミストっぷりは凄まじく、読んでいて思わず笑ってしまうほどでした。それは日本の地の底から、マントルを抜け、ブラジルに突き出て、リオのカーニバルに参加するような体験でした。そんな彼の思想は、決して明るいとはいえないこの世界を生きる上で、（シオランにとっては本意ではないかもしれませんが）大きな希望になりました。

このコメントからも分かるように、「絶望の中にこそ希望がある」という独自の視点が、このドラマの根底に流れています。

シリアスなテーマながらもユーモアを交えた作風が、本作をより魅力的なものにしています。

伊吹一さんの独特な視点と脚本が、どのようにドラマに反映されるのか、放送が楽しみですね！

「どうせ死ぬならパリで死のう」の見どころ

本作は、「生きることは拷問でしかない」と考える二人が、人生を見つめ直していく物語です。

哲学的なテーマを扱いながらも、シリアスになりすぎず、ユーモアと温かみを織り交ぜたストーリーが展開されます。

ここでは、そんな本作の注目ポイントを詳しく解説していきます。

シリアスながらもコミカルな作風

本作の魅力のひとつは、重いテーマをユーモアで包み込む脚本のバランスです。

主人公・吉人と甥・幸太は、どちらもネガティブな性格ながら、彼らのやりとりにはどこかユーモラスな雰囲気が漂います。

特に、岡山天音さんと森優理斗さんの掛け合いは、悲壮感だけでなくクスッと笑える瞬間もあり、視聴者を飽きさせません。

また、おいでやす小田さん演じるコンビニ店長・和辻のツッコミも、物語のアクセントになりそうです。

人生に迷う人に響く哲学的メッセージ

本作は、悲観主義の哲学者エミール・シオランの思想を軸に展開されます。

シオランは「人間なんて生まれないほうがよかった」とさえ言い切る哲学者ですが、本作では彼の言葉が「生きづらさを抱える人々への救い」としても機能します。

「人生に意味はないかもしれない。でも、それでも生きる意味を見つけることはできる」

そんなテーマが込められた本作は、人生に迷っている人や、何かに悩んでいる人の心に響くドラマとなるでしょう。

岡山天音の演技に期待

主人公・吉人を演じる岡山天音さんの演技にも注目です。

岡山さんは、これまでも『アンメット ある脳外科医の日記』『キングダム』などで個性的な役を演じてきました。

彼の「絶妙な間」と「リアルな感情表現」は、本作の吉人というキャラクターにぴったり。

また、森優理斗さん演じる幸太との掛け合いが、どのような化学反応を生み出すのかにも注目です。

本作は、シリアスなテーマながらも温かさとユーモアに満ちたヒューマンドラマ。

放送を楽しみに待ちましょう！

まとめ：「どうせ死ぬならパリで死のう」は人生を見つめ直すヒューマンドラマ

NHK特集ドラマ『どうせ死ぬならパリで死のう』は、人生に悲観的な二人が共に過ごす中で「生きる意味」を模索する物語です。

悲観主義の哲学者エミール・シオランの思想を取り入れながらも、暗くなりすぎず、ユーモアと温かさを織り交ぜた作風が魅力の作品です。

本作の見どころを振り返ると、以下の点が挙げられます：

• シリアスながらもユーモアを忘れないストーリー
• 岡山天音×森優理斗の絶妙な掛け合い
• 人生に迷う人に響く哲学的メッセージ
• 新進気鋭の脚本家・伊吹一のオリジナル脚本

「人生とは何か？」と考えたとき、シオランの言葉は一見冷酷ですが、そこには「それでも生きる」という強さが隠されています。

このドラマは、そんなシオランの思想を通じて、「人生を悲観しながらも前に進むことの意味」を考えさせられる作品です。

『どうせ死ぬならパリで死のう』は、2025年3月16日（日）夜11時よりNHK総合で放送！

ぜひ、お見逃しなく！