2025年4月25日公開の映画『#真相をお話しします』は、結城真一郎による同名のミステリー短編集が原作となっています。
しかし、映画を観た多くの人が「原作のどの話が元になっているのか?」「映画は原作通りなのか?」と疑問に感じているようです。
この記事では、映画と原作の構成の違いや、どの短編がモチーフとなっている可能性があるのかを徹底的に考察。さらに映画のあらすじや原作の全5編の要点を紹介しながら、“真相”に迫っていきます。
- 映画『真相をお話しします』の原作との関係性
- 5つの短編が持つ衝撃的な真相とテーマ
- 映画ならではのオリジナル要素と見どころ
映画『#真相をお話しします』は原作のどの短編がベース?オリジナル要素も考察
2025年4月25日公開の映画『#真相をお話しします』は、結城真一郎のミステリー短編集を原作としています。
しかし、原作のどの話が映画のベースになっているのかは明言されていません。
それどころか、映画オリジナルのストーリーである可能性も指摘されており、観客の間でも考察が盛り上がっています。
原作には「真相をお話しします」という話は存在しない
原作の短編集『#真相をお話しします』には、実は同名のタイトルを持つ物語は含まれていません。
全5編からなるオムニバス形式で、それぞれが全く異なるテーマと登場人物で構成されています。
つまり、映画のタイトルは作品全体のテーマを象徴するものであり、特定の短編を指しているわけではないのです。
最も近いのは「三角奸計」だが、登場人物の設定が異なる
原作の「三角奸計」では、リモート飲み会を舞台にした三角関係と復讐劇が描かれます。
映画の登場人物・桐山と鈴木というキャラクターは、原作の一部に登場する名前と一致していますが、設定や関係性が大きく異なるため、直接的な関係は薄いようです。
これは映画が原作の要素を断片的に引用しながら、新しい物語を構築している証拠とも言えるでしょう。
オリジナル要素を加えた「新たな物語」の可能性が高い
映画のあらすじによると、物語の中心には生配信の暴露チャンネル「#真相をお話しします」があります。
これは原作のどの短編にも登場しない設定であり、映画オリジナルのプロットと見られています。
原作のテーマである「日常に潜む違和感」や「人間の裏側」を引き継ぎながら、独自のストーリーに仕上げられているのが、本作の最大の魅力と言えるでしょう。
映画版のあらすじ|暴露系配信チャンネルが導く衝撃の展開
映画『#真相をお話しします』は、原作の短編集とは異なり、一つの長編ストーリーとして構成されています。
現代のSNS社会を舞台に、暴露系生配信チャンネルを通じて巻き起こる騒動と、登場人物たちの過去と秘密が描かれます。
視聴者が加熱する中、物語は思わぬ方向へと展開し、深い心理戦とサスペンスが絡み合う構成となっています。
生配信チャンネル「#真相をお話しします」とは
舞台となるのは、世間の注目を集める暴露系YouTubeチャンネル「#真相をお話しします」。
このチャンネルでは、芸能人や一般人の裏の顔や事件の真相が生配信で暴露され、高額な投げ銭が飛び交うという、現代らしい仕掛けが施されています。
視聴者の欲望と好奇心を刺激するテーマによって、チャンネルは爆発的に人気を集め、物語の中心的な舞台となります。
謎の男・鈴木と警備員・桐山の過去と暴露
物語の主人公は、ビルの警備室で働く2人の男性。
桐山(菊池風磨)は借金と過去の事件の影に苦しむ男。
そして、鈴木(大森元貴)はそのビルに突然現れた謎の男で、桐山の心を徐々に開かせていきます。
二人は視聴者としてチャンネルを楽しんでいたものの、次第に自分たちが「暴露の対象」となっていく恐怖に巻き込まれていきます。
暴かれる秘密と過去、そして訪れるクライマックス
物語が進むにつれ、生配信というメディアの裏側に潜む“仕組まれた真実”が明らかになっていきます。
桐山が背負ってきた過去の罪、鈴木の正体、そしてチャンネルの真の運営者――
すべてが繋がった瞬間、予想を超えるどんでん返しが観客を待ち受けています。
そして最後には、視聴者自身もまた「真相を知る覚悟」が問われるような、重く深いメッセージが込められているのです。
原作の5つの短編を簡単に紹介|映画との関連性もチェック
原作『#真相をお話しします』は、5編からなる短編集です。
それぞれに日常の裏に潜む闇が描かれ、後味の残るサスペンスや心理劇が展開されます。
映画に直接的な対応はないものの、いくつかのエッセンスが引用されている可能性もあり、原作を知っているとより深く楽しめます。
①「ヤリモク」:娘のために殺人を犯した父の真実
家庭を持つ中年男性が、娘を守るために連続殺人犯へと変貌していく話です。
マッチングアプリで若い女性を狙う美人局グループを罰するために行動していた彼は、自分の娘こそがそのグループの一員だったと知る衝撃のラストを迎えます。
「正義」と「狂気」が背中合わせで描かれる、緊迫感のある作品です。
②「惨者面談」:全員が偽物だった家庭教師面談の恐怖
大学生の家庭教師が訪れた家で出会ったのは、母親に成りすました殺人犯と、空き巣犯の少年。
家の中に漂う微妙な違和感が、次第に恐怖へと変わっていきます。
一つの嘘が、登場人物すべてを「惨者」にしてしまうというブラックな皮肉も効いており、読後の不気味さが印象的な一作です。
③「パンドラ」:精子提供をめぐる家族の絆の再構築
不妊治療の末、第三者の精子提供で子を授かった夫婦と、その提供者の女性が織りなす葛藤の物語。
子どもへの愛、家族のあり方、そして「秘密を伝えるか否か」がテーマになっており、静かな感動と希望を感じさせる作品です。
サスペンス色は薄めですが、心理描写が深い一編となっています。
④「三角奸計」:リモート飲み会で繰り広げられる復讐劇
元カノ、元カレ、その浮気相手という三角関係のドロドロを描いた物語。
リモート飲み会の中で、元カノが巧妙に仕掛けた罠によって二人を社会的に追い詰めていく様子は、まさに“奸計”。
映画の登場人物「桐山」もこの話に登場するため、何らかのインスパイアを受けている可能性があります。
⑤「#拡散希望」:YouTubeとSNSが引き起こす悲劇
小学生のグループが、YouTubeの再生数を稼ぐために学校の秘密を暴露し、大きな事件へと発展する物語。
SNS社会に潜む情報の危険性をテーマにしており、子どもたちの純粋さが裏目に出る展開に胸が締めつけられます。
映画の「暴露配信チャンネル」というモチーフは、この話から着想を得たと考えると納得できる内容です。
なぜ原作の短編がそのまま映画化されなかったのか?3つの理由
映画『#真相をお話しします』は、原作短編集の直接的な映像化ではなく、オリジナルストーリーをベースに再構成されています。
なぜそうなったのか?その理由を掘り下げてみると、映画としての完成度やターゲット層を意識した判断が見えてきます。
ここでは、原作を忠実に映像化しなかった3つの理由を紹介します。
1. PG指定回避のために内容をマイルドに変更
原作の中には、性的描写や暴力描写を含むエピソードもあります。
例えば「ヤリモク」や「惨者面談」などは、映画化に際して年齢制限(R指定)を避けるには難しい内容でした。
子どもから大人まで安心して観られる作品にするために、過激な部分を省いたオリジナルストーリーが必要だったと考えられます。
2. 短編集を一本のストーリーに繋ぐ難しさ
原作はあくまでオムニバス形式の短編集であり、それぞれの物語が独立しています。
一本の映画としての緊張感やストーリー展開を作るには、どれか一つに絞るか、全体を再構成する必要があったのです。
結果として、複数の短編からテーマやキャラクター設定だけを抽出し、再構築した映画用オリジナル脚本が生まれたと推測できます。
3. 主演キャストの特性に合わせたオリジナル展開
主演の大森元貴さん(Mrs. GREEN APPLE)と菊池風磨さん(timelesz)は、いずれも映画初主演であり、その個性を引き出す役柄が求められていました。
原作の中にある役よりも、2人の関係性を軸に据えたストーリーの方が、演技の魅力を発揮しやすいという判断があったと考えられます。
そのため、映画版は「鈴木と桐山のバディ物」として新たに構築されたのかもしれません。
豪華キャストによる熱演と演出の見どころ
映画『#真相をお話しします』が注目を集めている理由の一つは、豪華キャスト陣の顔ぶれにあります。
また、サスペンス演出に定評のある豊島圭介監督の手腕も高く評価されており、“違和感”を視覚的に描く演出が映画の魅力をさらに引き立てています。
ここでは、主要キャストの演技と監督による演出の見どころを紹介します。
W主演の大森元貴と菊池風磨が体現する“真相”
Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんが演じる鈴木は、ミステリアスな雰囲気をまとった謎の男。
対する菊池風磨さん演じる桐山は、過去に秘密を抱えた警備員という役柄で、人間味のある繊細な演技が求められる役です。
二人の関係が物語の軸となり、観客の緊張感を誘う心理戦が展開されます。
中条あやみ・福本莉子ら注目の共演陣にも注目
W主演に加え、中条あやみさん、岡山天音さん、福本莉子さん、伊藤健太郎さんなど、若手実力派俳優が脇を固めています。
特に福本莉子さんは、“#真相を売る女子大生”という役柄で出演。
映画のテーマでもある「SNSでの暴露文化」に関わる存在として、物語を大きく動かすキーパーソンとなっています。
日常に潜む違和感を描く豊島圭介監督の手腕
本作の監督・豊島圭介さんは、『妖怪シェアハウス』『海のふた』などでも知られるベテラン。
彼の演出は、日常に潜む違和感をじわじわと膨らませていく手法が特徴です。
今回も警備室という“閉ざされた空間”の中で徐々に狂気が滲み出していく演出が、観客を心理的に追い込んでいくと高く評価されています。
『真相をお話しします』映画と原作の違いを徹底解説|まとめ
映画『#真相をお話しします』は、原作の短編集をベースにしながらも、オリジナルの長編ストーリーとして再構築された作品です。
原作の各短編からテーマや人物のエッセンスを抽出しつつ、現代のSNS社会を舞台にした全く新しい物語が展開されている点が特徴です。
原作ファンも、映画だけを観た人も、それぞれ違った角度から楽しめる構成になっています。
原作短編集は「人間の本質」に迫る5つのサスペンスで構成されており、日常に潜む“違和感”が軸となっています。
映画もそのテーマ性をしっかりと引き継いでおり、SNSや情報拡散社会に対する鋭いメッセージが込められています。
特にW主演の演技と、監督の細やかな演出によって、心理サスペンスとしての完成度が非常に高い作品となっています。
映画を観たあとに原作を読むことで、より深い理解と気づきを得られるはずです。
「真相」とは何か?それを問いかけられる2時間に、ぜひ触れてみてください。
そして、現代を生きる私たち自身もまた、日々の中で“語られていない真相”を見落としていないか――
そんな問いを観客に投げかける、濃密なミステリー作品となっています。
- 映画は原作短編集のオリジナル再構成
- 原作の5話はテーマや設定が引用されている
- タイトルと同名の話は原作には存在しない
- 生配信暴露チャンネルが舞台の新展開
- 主演は大森元貴と菊池風磨のW主演
- 日常に潜む違和感とSNS社会の闇がテーマ
- 原作のサスペンス性と社会性を巧みに融合
- 監督は「違和感描写」に定評ある豊島圭介
- 映画と原作の違いを知るとより深く楽しめる
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