Netflix「隠し味にはロマンス」第5話ネタバレ感想 涙とスパイスの再会、元カレ登場で揺れるヨンジュの心

「もう、戻らないって決めたのに」

Netflix配信中の韓国ドラマ『隠し味にはロマンス』第5話は、まさに心を揺さぶる“再会”の回でした。ボムとのキス──そして現れた元カレ・ユン・ヨンソク。見ている私たちの心までも、まるで料理に忍ばせたスパイスのように、じんわりと熱くなる。

この記事では、そんな第5話のネタバレを含めながら、「なぜ彼女は泣いたのか」「あのキスは過ちだったのか？」を“アユミの視点”で読み解きます。

ヨンジュが流した涙の理由──キスの後に現れた元カレがすべてを変えた

「このキス、本当に“過ち”だったの？」

第5話の冒頭、前回の余韻を引きずるように始まるキスシーン。けれどその場を見ていたチュンスンとミョンスクに気づかれた瞬間、ボムとヨンジュは「今のは過ちだった」と口をそろえる。

──だけど、視聴者の私たちは知ってるよね。本当は、あのキスに“真実の想い”があったこと。

ボムとの関係が動き出した瞬間、「過ち」という言葉が意味するもの

あのキスを、彼らが「過ち」としたのは、きっとまだ“名前のついていない関係”だから。

愛しているとはまだ言えない。でも、惹かれているのは明らか。そんな曖昧な状態での衝動的なキスは、自分自身をも責めたくなるほど、心を揺さぶる。

しかも、それを見られてしまった。店の仲間に、家族のような存在に。
「“仕事”と“感情”を分けなければいけない」そう思っていたヨンジュにとって、それはルール違反だったのかもしれない。

けれど私は思うの。
人を好きになる瞬間って、いつもルール違反。理性では止められないから、恋なのよね。

このキスの意味が“過ち”から“始まり”へ変わるには、まだ少し時間が必要なのかもしれない。

ル・ミュリの記憶、ふぐ事件、消えなかった罪悪感

そして──そんなタイミングで、ヨンジュの元恋人・チョン・ミンが現れる。

「帰って」と冷たく言い放ちながらも、ヨンジュは背を向けて静かに泣いていた。

私はここで、もうダメだった。心の奥がギュッと苦しくて、涙が自然に出てきた。

2人には消せない過去がある。ル・ミュリで共に働いた日々、恋人として過ごした時間。
でも、別れの理由は“罪を被った”こと──あの「ふぐ事件」でヨンジュがすべての責任を負ったのだった。

誰にも言えなかったこと。それをまだどこかで悔やんでいる。
そして、なによりも辛かったのは、“チョン・ミンが何も言わずに去った”こと。

「忙しかった」なんて言い訳じゃ、通じない。
恋ってね、言葉を尽くさなかったほうが罪深いの。

ヨンジュは、“ふぐの責任”以上に、その“無言の別れ”を今も許せていないのだと思う。

彼女の涙は、チョン・ミンにまだ気持ちがあるからではない。
それは“忘れたくても、忘れられない傷”のほうが強いから。

ボムと心が通い始めていたからこそ、過去がいまになって痛む。

そして、これこそが『隠し味にはロマンス』の美しさ。
料理だけじゃない、感情にも火を通していく、そんなヒューマンドラマなのよ。

ヨンジュとチョン・ミンの過去──“愛していた”だけでは終わらない

「あなたのためだったのに、どうして何も言ってくれなかったの？」

ヨンジュのこの気持ち、私には痛いほどわかる。

“好き”だったからこそ、自分を犠牲にするしかなかったあの瞬間。

元恋人だった2人、別れた理由は「守るための嘘」だった

チョン・ミンとの再会──ヨンジュの表情は、冷たくも、どこか懐かしさを滲ませていた。

「帰って」と拒絶するのに、目には涙。

これが、未練じゃないなら何なのか。
そう思いたくなるけれど、実は違うの。

ヨンジュが彼に背を向けたのは、過去を切り離したいからじゃない。

むしろ、まだ終わっていない「感情の帳尻」が、ずっと心に残っているから。

ル・ミュリでの“ふぐ事件”──猛毒の食材を扱った責任を、ヨンジュは自ら負って辞めた。

だけどそれは、彼を守るためだった。

「私のことはいいから、あなたは夢を続けて」
そんな静かな決意が、ヨンジュの中にはあった。

でも……その後、チョン・ミンからは連絡がなかった。

「忙しかった」というその一言で、2人のすべてが説明されると思ってるの？
そんなの、あんまりだよ。

私たちは、“黙って去られる”ことに一番傷つく。

謝ってくれなくてもいい。
でも、“気にかけていたよ”の一言さえあれば、どれだけ救われただろう。

「帰って」と突き放しながら、心はまだあの頃のまま？

「ル・ミュリに戻ってきてほしい」

チョン・ミンはそう言うけれど、それは新たな夢の誘いというより、過去をやり直すための都合のいい提案のように聞こえた。

だって彼は、あの時と何も変わっていない。
結局、“自分の未来のために、彼女を利用していた”のではないか？

ヨンジュはきっと、気づいてる。

自分があの頃より、強くなったこと。
ひとりでレストランを回し、傷ついても立ち上がってきた。

だからこそ、「戻る」という選択肢は、進化した今の自分を否定することになる。

チョン・ミンが見ているのは“かつてのヨンジュ”であって、“今のヨンジュ”ではない。

たとえ昔は大好きだった人でも、その人の記憶に閉じ込められたくない。

“過去の恋”は、美化されがち。
でも現実には、今の自分をちゃんと見てくれる人じゃないとダメなんだよね。

ヨンジュは泣きながらも、きっともう決めてる。

これは、懐かしさじゃなくて、別れの儀式。

「ありがとう、でも私はもう戻らない」

そんな心の声が、画面の向こうから聞こえてきた気がした。

“料理”がつなぐ心と心──両家食事会で見えたヨンジュの本当の力

「この味、嫌いじゃないわね」

そう呟いた母の顔が、ふっと和らぐ。

韓国ドラマって、やっぱり“食卓”が人生を変える場所になるのよね。
第5話で描かれた“両家の食事会”──これはただのエピソードじゃない。

ヨンジュという人の「本質」が、ぎゅっと詰まった大切な場面だった。

味だけじゃない、空気を変える料理の力に思わず涙

最初から空気は、ピリピリしてた。
娘の母親は「韓国料理は脂っこいから無理」、息子の父親は「韓国料理以外は認めん」。

真逆の好み、ぶつかる価値観。そんな空気を変えたのが、ヨンジュの“料理”だった。

辛さも塩分も抑えて、でも味の芯はぶれていない。

これはただの調理テクニックじゃない。

「相手を想う」ことができる人にしか、生み出せない味なの。

料理ってね、食材だけじゃできない。

そこに込められた気持ちが、スパイスになる。

ヨンジュの料理には、対立していた家族を自然と黙らせるだけの「優しさ」があった。

チュンスンのお手製の“母酒”も加わって、硬かった表情が少しずつほころんでいく。
まるで、料理に火が通るように。

ヨンジュは、ただ料理をしているのではなく「関係性を整えている」のだと思う。

言葉では届かないことを、食を通じて届ける──それが彼女の力。

対立から和解へ──食卓が変えた親子関係と未来

実はこのシーン、ただ「料理が美味しかった」という話じゃ終わらない。

食卓で起きた変化は、親たちの“認識”を変えたという点に、私はものすごく感動したの。

最初はボムの父が「料理人なんて、嫁にふさわしくない」と言いかけたとき、私はヒヤッとした。

でも、その直後の“箸の止まらなさ”が、すべてを語ってた。

彼女がどれだけ心を込めて作ったか。
何よりも、息子がどれだけ彼女に惚れてるか──。

母親も同じ。偏見にまみれた視線を、ひとくちで変えてしまう。

ここで描かれているのは、“愛されること”の証明なんだと思う。

誰かを想って生きてきた人って、料理にそれが出る。

ヨンジュの人生には、きっといろんな痛みがあった。

親がいないこと、レストランでの辛い過去──でも、それでも彼女は「人のために美味しいものを作る」ことをやめなかった。

だからこそ、その手で人の心を変えることができる。

食卓は、ただの食事の場じゃない。
想いを“通わせる”ための舞台なの。

この両家の和解は、ヨンジュが料理人として、そして人として本物であるということの証明。

ボムの恋心が、ここでまた確信に変わった気がした。

「この人と一緒に生きたい」って。

ボムは“今”を生きて、ミンは“過去”を呼び戻す──三角関係の行方は？

「あの人に、もう一度騙されるの？」

画面越しに、思わずそう問いかけてしまった。
チョン・ミンがヨンジュに「戻ってきてほしい」と言ったその瞬間──私の胸はざわついた。

だって、その言葉には“過去への未練”しか感じなかったから。

でも一方でボムの行動には、“未来”があった。
飛行機代もないのに、札幌まで彼女を追いかける──そんな不器用なまっすぐさに、涙が出るほど胸が熱くなった。

ヨンジュが心を預けたのは、どちらの「手」だったのか

一見、チョン・ミンのほうが“大人の男”に見えるかもしれない。

洗練されたフレンチレストランのシェフ。論理的で穏やか、将来も保証されている。

でも、ヨンジュの心に寄り添っていたのは誰だった？

彼女の涙に、気づいたのは誰だった？

一緒に山に登り、キムチの味に感動してくれたのは、ボム。

ヨンジュは、自分の人生に深く入り込もうとするその優しさに、
少しずつ心を開いていった。

ボムは、無理に過去を聞き出したりしない。
「話してくれてありがとう」と言うだけ。

その距離感が、今のヨンジュにはちょうどよかったんだと思う。

恋って、タイミングなんだよね。

どれだけ“いい人”でも、今の自分に合わなければ、心には入ってこれない。

だから彼女が札幌にいる間ずっと考えていたのは、「ミンのこと」じゃなくて「ボムの顔」だったんじゃないかな。

ボムのまっすぐな想いと、チョン・ミンの後ろめたさ

チョン・ミンの告白には、確かに本音があったと思う。

でも同時に──彼の中には“罪悪感”が残っていた。

「彼女を手放したこと」への後悔が、彼女を取り戻そうとする動機になってしまっている。

それは、彼女を“今”の存在として見ていないってこと。

一方でボムは違う。

無一文になっても、追いかける。

あてもなく札幌の街を歩きながら、「ヨンジュの気持ちをちゃんと聞きたい」と願う。

過去じゃなくて、“これからどうしたいか”で愛を語る。

だからこそ、彼の言葉はシンプルでも心に響く。

「俺は、君がいないと寂しい」
──それだけで、十分だった。

そしてもう一つ。
ボムはヨンジュを“居場所”として見ているけど、チョン・ミンは彼女を“戦力”として見ているようにも映った。

それが決定的な違い。

恋って、評価されることじゃない。
必要とされることが、いちばん尊いのよ。

札幌の居酒屋でたこ焼きを頬張るボムの横顔を見ながら、
私は思った。

「ヨンジュ、あなたの恋は、きっとこっちだよ」って。

ヨンジュの「料理」は、誰かに愛された記憶の代わりだったのかもしれない

今回の第5話、私はずっとひとつのことを考えてた。

──ヨンジュにとって、「料理」って何だったんだろう？

両親がいなくて、小さなお寺で育った彼女。
愛されることを知らないまま大人になって、それでも誰かに“心を込めたごはん”を作ってきた。

それってつまり、料理が、彼女にとって「愛された記憶の代わり」だったってことなのかもしれない。

食べてもらうことで「存在を許される」──それがヨンジュの原点

誰かに食べてもらって「美味しい」と言ってもらえると、
それだけで「自分がここにいていい」と思える。

食卓は、彼女にとって世界とつながる唯一の扉だったんじゃないかとさえ感じた。

だってヨンジュ、いつも厨房の奥から人のこと見てるよね。

にこにこしてるけど、心の奥は、まだ誰にも全部開いてない。

「好き」と言われても、「ありがとう」と受け止めるまでに時間がかかる。

それって、“愛された経験”が少ない人の反応なんだと思う。

だから彼女の料理には、「こんなふうに愛されてみたかった」っていう願いが込められている。

“記憶”じゃなく“体温”を与えてくれる人が、彼女を変える

じゃあ、そんなヨンジュが恋をするとどうなる？

過去に閉じ込めていた“寂しさ”や“傷”が、いっぺんに浮かび上がってくる。

それが今回の、チョン・ミンとの再会だったと思う。

でもボムは──違った。

彼は、過去に寄り添うんじゃなく、“今”の彼女にちゃんと触れてくれる。

記憶じゃなくて、体温であたためてくれる。

ふとしたときの「食べた？」とか、「疲れてる？」っていう気遣いが、

チョン・ミンにはなかった“日常の優しさ”になってるのよね。

そしてヨンジュも、少しずつだけど、自分から差し出すようになってきた。

「この人なら、私の手を握り返してくれるかもしれない」って、どこかで信じてる。

料理を通して、人を見つめるヨンジュ。

その視線を、料理の先じゃなく、ボムという人間そのものに向けたとき──

それがきっと、彼女の恋の“本当のスタートライン”。

「好き」より先にあったのは、罪悪感──ボムの恋は“償い”から始まった

ボムの恋は、最初から“ときめき”じゃなかった気がする。

最初はレシピを盗もうとして、無理に契約を迫って、
気づいたら自分だけが傷つけた側に立っていた。

そして彼は、その“負い目”を、どうにかして埋めたかった。

「助けたい」は、「許されたい」と同じだったのかもしれない

レストラン“ジョンジェ”を救いたい。

そう言い出したとき、ボムの表情にはどこか焦りがあった。

それは、純粋な「助けたい」気持ちだけじゃなかったと思う。

「自分が壊しかけたものを、自分の手で立て直さなきゃ」
──そんな焦燥感が、彼の言動ににじんでいた。

そしてそれが、いつの間にか“恋”にすり替わっていった。

恋って、最初は“理由のない好き”じゃないといけない──そんなことない。

ときには、「ごめん」が「好き」に変わることもある。

自分の罪悪感と向き合う過程で、その人を大切に思うようになる。

それって、すごく誠実な恋の始まりじゃない？

“いい人”になりたかっただけのボムが、“誰かの人”になろうとするまで

ボムは、これまでずっと「いい息子」「いい経営者」「いい御曹司」って、
誰かにとっての“役割”を演じてきた。

でもヨンジュに出会って、はじめて「誰かひとりのための男」になりたくなった。

彼女が困っていたら、自分が動く。
落ち込んでいたら、理由なんて聞かずにただそばにいる。

それは、誰に求められたわけでもない“自分の意志”。

彼にとっての恋は、“自分の過ちを取り戻す旅”だったのかもしれない。

だけど今はもう、そこから一歩進んでる。

「愛されたい」じゃなく、「愛したい」になった。

それって、恋の成熟だと思う。

「君が他の男といるのがつらい」っていうあのセリフ──

あれは嫉妬じゃなくて、「もう後戻りできない」っていう、愛の決意表明だったんだよね。

だから私は思う。

この恋は、ふたりの“失敗”から始まったかもしれないけど、
終わりには、ちゃんと“信頼”が残るはず。

料理と一緒で、最初は焦がしても、丁寧に火を入れれば美味しくなる。

──それが、ボムの恋。

「隠し味にはロマンス」第5話ネタバレまとめ｜涙の理由と、恋の伏線

第5話は、まさに「ヨンジュという人間」を深く知るための回だった。

過去の痛み、償いきれない恋、そして誰かを信じることの怖さ。

それでも、彼女は前を向こうとしていた。

第5話はヨンジュの心の揺れと、三角関係の始まりを描いた重要回

ヨンジュの元カレ・チョン・ミンの登場は、ただの“元恋人”というポジションではなかった。

彼は、ヨンジュが「過去の自分」に戻ってしまいそうになる誘惑そのもの。

一方で、ボムの存在は“今”の彼女を見て、受け入れてくれる人。

この2人の間に立ったヨンジュの迷いが、静かな三角関係を生んだ。

でもその迷いは、彼女が恋をしている“証”でもあるのよね。

この三角関係は、ただの取り合いではない。

“自分が誰といるときに一番「自分らしく」いられるか”という、アイデンティティを問う物語でもある。

キスは恋の始まり？それとも忘れられない人への決別？

第4話ラストのキス──あの余韻を引きずったまま始まる第5話。

「これは過ちだった」

そう言い切ったヨンジュの言葉の裏には、“まだ信じるのが怖い”気持ちが透けて見えた。

でもそのキスがあったからこそ、元カレとの再会に揺れながらも、彼女の心は前に進んだ。

そして、視聴者として私はこう思った。

このキスは、「過去との決別」と「未来への布石」──両方だったんじゃないかって。

愛はいつも不器用で、タイミングも完璧じゃない。

だけど、そういう瞬間の積み重ねが、やがて“本当の恋”になっていく。

そしてこの物語の“隠し味”は、きっとその「不完全さ」にあるのだと思う。

次回、第6話では札幌へ──舞台も恋も、いよいよ本格的に動き出す。

ヨンジュがどんな選択をし、誰と未来を作ろうとするのか。

その答えを見届けるために、また来週もキッチンの奥に耳を澄ませてみようと思う。