【考察】VIVANT続編ロケ地はなぜアゼルバイジャンなのか？“石造りの回廊”が語る物語の舞台裏

「VIVANTの続編はどこで撮られているのか？」その問いに対して、SNS上ではある一枚の“石造りの回廊”が話題となり、ロケ地がアゼルバイジャンのシェキにあるキャラバンサライだと特定され始めました。

超親日国、神話と伝説が息づく地、関西万博参加国──制作陣が残したヒントを紐解くと、その全てがアゼルバイジャンに重なります。

この記事では、VIVANT続編のロケ地がなぜアゼルバイジャンに選ばれたのか、ロケ誘致の背景や物語との親和性を徹底的に分析します。

VIVANT続編のロケ地はアゼルバイジャン・シェキのキャラバンサライで確定か？

その一枚の画像が、すべてを物語っていた。

TBS公式X（旧Twitter）に投稿された1枚の写真。そこに映っていたのは、アーチ状の石造り回廊──まるで物語の中から飛び出してきたかのような、重厚で静謐な空間。

ファンはすぐに気づいた。「あの場所、見覚えがある」。瞬く間にSNSで拡散され、数時間後には“ロケ地特定”のワードがトレンド入りした。

公式ビジュアルと一致する“石造りアーチ”の正体

まず、注目すべきはキービジュアルに映り込んだアーチ構造だ。

それは、アゼルバイジャン・シェキに実在する歴史的建築「Upper Caravanserai」と、ほぼ完全に一致していた。

石畳の中庭、左右対称のアーチ、そして光の差し込み方まで──あまりにも“そのまま”過ぎて、もはや偶然とは言えなかった。

キャラバンサライとは、かつて隊商たちが旅の途中に宿泊した宿泊施設のこと。中東から中央アジアにかけて広く点在するが、シェキのそれは保存状態が極めて良好で、現在もホテルやカフェとして利用されている。

つまり、“生きた遺跡”だ。

この場所が物語の中心に据えられる──それは、ただのロケ地選定を超えている。

VIVANTという作品が描こうとしている「記憶」「継承」「運命」といったテーマが、このキャラバンサライの石の壁に刻まれているように感じるのだ。

SNSで特定された「Upper Caravanserai」とは何か

SNSによるロケ地特定は、もはや“ファンの儀式”のようになっている。

今回も、VIVANT公式アカウントが投稿した写真に対し、視聴者はすぐにGoogle Street Viewや旅行サイトの画像と照合を開始。

「シェキのUpper Caravanseraiと完全一致」とする比較画像が投稿されると、その拡散速度は爆発的だった。

このキャラバンサライは、18世紀末に建てられたもので、シルクロードを行き交った商人たちの休息地として、戦火と交易の記憶を抱え続けてきた場所だ。

現地では“石の静寂”と呼ばれることもあるという。

──石は喋らない。だが、そこに“人がいたこと”は確かに残る。

そんな場所を、VIVANTは選んだ。いや、物語が自然と、この場所を要求したのかもしれない。

また、福澤監督が語った「神話と伝説が残る」「超親日国」「関西万博パビリオン参加国」というヒントも、このアゼルバイジャンという国をピンポイントで示している。

それはもう、制作陣からの“回答”に近い。

VIVANTの舞台は、偶然選ばれた観光地ではない。

「物語の記憶」が風景に焼きついている場所──それが、Upper Caravanseraiなのだ。

石の回廊を抜けたその先に、彼らの“もうひとつの過去”が待っている。

なぜアゼルバイジャンがロケ地に選ばれたのか？制作陣の5つのヒントを読み解く

VIVANT続編の舞台がアゼルバイジャンである──それは、単なる美術的な選定ではなかった。

作品の深層構造に“物語の背景としての国家”を据えるために、福澤監督ら制作陣が残した5つのヒントが意味するもの。

そこには、地理ではなく「物語装置としての国家」という概念が透けて見える。

ヒント①：「超親日国」──ビザ免除の特別待遇と親日感情

福澤監督の発言の中でも最も多く引用されたワードが「超親日国」という言葉だ。

この“言葉の強度”を丁寧に分解してみよう。

アゼルバイジャンは、旧ソビエト連邦から独立した1991年以降、日本と友好関係を築いてきた国だ。

その友好姿勢は制度にも現れている。日本人はビザ不要、またはオンラインで即日発給が可能。しかも無料。

これは、他国の多くが煩雑な審査や手続きが必要な中で、日本だけが「例外」とされる極めて珍しいパターンだ。

それはつまり、“あなたたちを歓迎しています”という国からのメッセージ。

そして、映像作品という“大規模な文化輸出”において、このような国が舞台になるというのは、撮影上の障壁が低くなるというだけでなく、作品に対する“国の理解”があるということでもある。

親日国という言葉の裏には、「異文化に踏み入る際の安心」が含まれている。

それは、舞台の選定だけでなく、キャストやスタッフの精神的安全基地としても機能する。

ヒント②：「日本人にはあまり知られていない」──未知なる地が生む没入感

もう一つのキーワードは「日本人にはあまり知られていない」というセリフだ。

これは裏を返せば、「舞台そのものに“異物感”があることを前提としている」と言える。

中央アジアや中東に近い文化圏でありながら、西洋的な街並みも併せ持つアゼルバイジャンの都市群──そこは、“どこでもない場所”としての強度を持つ。

VIVANTという作品は、常に「ここはどこだ？」という感覚を視聴者に与え続ける。

それは、物語の虚構性を逆に強調するための構造だ。

だからこそ、既視感のないロケ地が求められた。

そして、アゼルバイジャンという国は、“物語の舞台”としては未開拓のフロンティアである。

これはつまり、VIVANT続編における「驚き」と「没入感」を最大化させるための演出設計だ。

視聴者は、画面に映るその景色に対し、「これはどこだろう？」「何が始まるんだろう？」と問いを抱えたまま引き込まれる。

──その“わからなさ”が、物語への吸引力となる。

そしてそれこそが、VIVANTという作品がずっと提示してきた「謎を問い続ける」という姿勢そのものなのだ。

ヒント③：「関西万博パビリオン参加国」──国策としての露出強化

制作陣が挙げたヒントのひとつに「関西万博にパビリオンを出している国」という一文がある。

この条件に当てはまる国はいくつかあるが、その中でもアゼルバイジャンが急速に注目されているのは、2025年の大阪・関西万博を「国の広報戦略の軸」に据えているからだ。

実際、アゼルバイジャン政府は観光やビジネス面での日本市場開拓に極めて前向きであり、万博出展もその一環と見て間違いない。

そんな中で、TBSの超大型ドラマが自国の風景を世界に発信してくれる──これは、もはや外交的案件レベルのメリットである。

つまり、VIVANTの続編はただのロケーション選定ではなく、「国と国が利害を一致させて実現した、メディア連携プロジェクト」である可能性が高い。

制作側は壮大なスケールを維持しつつ、国際的な支援を得て撮影できる。

アゼルバイジャン側は世界的な注目を浴びる“ドラマの舞台”として、地名度・観光・経済への波及効果が見込める。

ロケ地は、もはや“作品の舞台”ではなく“戦略的な選択肢”となった。

ヒント④：「神話と伝説が残る土地」──火の国が持つ宗教的背景

「日本にも神話があるように、あの国にも伝説が息づいている」──これは福澤監督のコメントであり、視聴者の耳に深く残った言葉だ。

アゼルバイジャンには、確かに“物語”がある。

古代からゾロアスター教（拝火教）の影響を受けてきたこの土地には、「火の神殿（アテシュギャーフ）」や「地面から炎が噴き出すヤナル・ダー」など、神話と自然が交差する神秘のスポットが存在する。

中でも注目すべきは、“火”がこの国の精神的シンボルであること。

そして火は、VIVANTが描こうとする「浄化」「破壊」「再生」の象徴として極めて意味深なモチーフとなる。

火の大地に降り立った主人公たちは、どんな過去を焼き、何を燃やして進むのか──。

この土地が持つ神秘性は、物語の主題そのものに呼応している。

言葉にならない“何か”が漂っている──それを視覚化するために、神話の地は選ばれた。

ヒント⑤：「撮影協力が得られるインフラ体制」──国を挙げた映像支援制度

アゼルバイジャンは今、国を挙げて“映像大国”を目指している。

撮影許可の簡素化、税制優遇、現地スタッフの確保、宿泊支援など、映画誘致に向けた制度整備が驚くほど整っているのだ。

そしてこの背景には、政府主導の「アゼルバイジャン映画委員会」や観光省の存在がある。

彼らは、海外作品を積極的に誘致する戦略を展開中であり、VIVANTのような高額制作ドラマがロケ地に選ばれることは、国の成長戦略と完全に合致する。

VIVANT側としても、3か月以上に及ぶ長期海外ロケを実行するには、こうした“受け入れ体制”が不可欠だった。

つまり、物語の舞台に選ばれたのではなく、「物語が撮れる国」として選ばれたのだ。

そう考えたとき、アゼルバイジャンは、VIVANTという“火と記憶の物語”にふさわしい場所だった。

物語の舞台としてだけでなく、世界に発信するための“作品の拠点”として──。

VIVANTの世界観とアゼルバイジャンの不気味な親和性

なぜ、あの国なのか──。

なぜ、あの風景がVIVANTに選ばれたのか。

その答えは、ただの景色の美しさではない。もっと深く、物語の体温と風景の温度が一致している、という直感的な必然にあった。

幻想と現実が交錯する石造建築群の美学

アゼルバイジャン、とくにシェキに残る石造りの建築群──その美しさは、ただ古いだけではない。

幻想的な左右対称の構造と、朽ちかけた質感の間にある「時間の歪み」こそが、VIVANT的である。

キャラバンサライ、バクー旧市街、火の神殿、そしてゴブスタンの岩絵群──そこには、人の営みと神話、国家と個人、記憶と裏切りが積層している。

現実があまりに異質になると、それはもはや幻想になる。

VIVANTという作品が持つ“謎”と“暗号”の美学は、この国の風景に宿る抽象性と完全に呼応している。

観る者に「ここは現実なのか？」「これは過去か未来か？」と問いかける構造。

その疑念すらも物語の仕掛けとして機能するのが、VIVANTの“風景力”なのだ。

“知られざる国”が持つ、物語装置としての強度

観たことのない場所、聞いたことのない国、触れたことのない文化。

それらが連なることで、物語の没入感は、現実と切断される。

VIVANTが描こうとするのは「陰謀」「記憶」「選択」「孤独」だ。

そのいずれにも、“知られざる土地”は最高の舞台装置となる。

誰もが知っている街では、主人公の孤独は画面越しに薄れてしまう。

だが、文化的に何も予測できない風景の中でこそ、人間の感情はむき出しになる。

言語の壁、習慣の違い、街の匂い、時間の流れ──

それらが、視聴者の感覚を“再構築”する。まるで、自分が異国に置き去りにされたように。

その違和感こそが、ドラマという虚構を現実に変える力を持つ。

そして、それができる国は多くない。

アゼルバイジャンという未知なる舞台は、VIVANTの“感情装置”として、あまりに強すぎるのだ。

まるで物語の方が、この国を必要としていたように。

実は複数ロケ地の可能性も？シェキ以外に浮上する候補地

VIVANTの続編におけるロケ地は、果たしてアゼルバイジャンのシェキ一択なのか──。

そう思っているとしたら、少しだけ想像力が足りない。

なぜならVIVANTという物語は、“国家をまたぐ移動”そのものがドラマの構造になっているからだ。

首都バクー：近未来的な景観と石畳のコントラスト

アゼルバイジャンの首都・バクーは、まるで矛盾の象徴だ。

湾曲するガラスの超高層ビル「フレイムタワー」が立ち並ぶ一方で、旧市街「イチェリ・シェヘル」には石畳の路地と中世の城壁が生きている。

その対比は、美術では作れない。

まさに“この国にしか存在しない景観”だ。

VIVANTが前作で、砂漠・都市・密林と多様な背景を使い分けたように、今回もバクーを「情報都市」や「諜報機関の中枢」として活用する可能性は十分にある。

たとえば──

• 国際会議の裏で進む取引のシーン
• 無人ドローンで監視される高層ビル街の攻防
• 旧市街で行われる“鍵”の受け渡し

この都市は、VIVANT的スリラーにおいて、最も都市らしくない「都市」として機能する。

それがまた、たまらなく美しい。

ゴブスタン：泥火山と岩絵が語る“VIVANT的”神秘性

もう一つの候補地として浮上しているのが、ユネスコ世界遺産に登録されている「ゴブスタン」だ。

ここには、約6000年以上前の岩絵群が残り、“語られなかった物語”が大地に刻まれている。

そしてそのすぐ近くには、泥火山がいくつも点在している。

大地の裂け目から“泥と炎”が噴き上がるという自然現象──。

──まさに、VIVANTが描いてきた「地中に埋められた記憶の爆発」とリンクする。

物語のクライマックスが「人間の内面がむき出しになる場所」だとすれば、ここは絶好の舞台になる。

泥にまみれ、火に囲まれ、誰が誰を信じていいか分からない──そんな極限のシーンが、この荒涼とした台地に重なる瞬間。

それは、もはやロケ地ではなく「物語の核を燃やすための場所」だ。

VIVANT続編が、複数の地理的レイヤーを用意しているなら、バクーとゴブスタンはその中で確実に“鍵”になる。

一国を多層的に使う。それが、VIVANTの“地理的伏線”の貼り方なのだ。

実は複数ロケ地の可能性も？シェキ以外に浮上する候補地

VIVANTという物語において、ひとつの国だけで完結するという前提は、もはや成立しない。

前作でも、日本・モンゴル・ドバイと舞台を縦横無尽に移動しながら、視聴者の“地理感覚”を解体した。

ならば、続編もまた──「複数ロケ地」である可能性がきわめて高い。

そして今、アゼルバイジャンという地においても、“シェキ”だけでは足りないという声がささやかれ始めている。

首都バクー：近未来的な景観と石畳のコントラスト

もし物語に「陰謀」「諜報」「国家権力」が絡むならば、舞台は田舎町ではなく都市でなければならない。

そこで浮上してくるのが──首都バクーである。

カスピ海沿岸に位置するこの都市は、近未来的なフレイムタワーと、ユネスコ世界遺産に登録された旧市街が共存する、不思議な場所だ。

そのギャップこそが、VIVANTの世界観に合っている。

整備された都市のなかに、石畳の小道が続き、背後には曲線美を誇る高層ビル。

──まるで、過去と未来が同時に交差しているかのようだ。

バクーは、謎の取引、監視カメラ、交錯する国家の思惑──といったシーンに完璧にハマる。

都市の風景であっても、舞台としての“詩情”を失わない。

それが、バクーという街が持つ最大の魅力だ。

ゴブスタン：泥火山と岩絵が語る“VIVANT的”神秘性

一方、VIVANTには必ず「謎に満ちた場所」が必要になる。

それが、今回で言えば──ゴブスタンという選択肢だ。

ゴブスタン国立保護区は、数千年前の岩絵（ペトログリフ）が残される、まるで“時の記録装置”のような場所。

地表から泥が噴き出す“泥火山”という自然現象もこの地域の特異点で、風景全体が非現実に包まれている。

ここで描かれるのは、きっと“過去”だ。

主人公たちのルーツ、国家の秘密、歴史の改ざん──そうした記憶の断片を映し出すには、この地の“異質さ”が不可欠になる。

画面が乾いた砂地を這い、遠景で岩山の影が揺れる──そんなショットだけで、観る者の意識は時間の底へと沈んでいく。

そして、火山の噴出音が「記憶の目覚め」のスイッチになるのだ。

ゴブスタンは、風景そのものが“伏線”として機能する、極めてVIVANT的な土地である。

こうして見ていくと、アゼルバイジャンの中だけでも複数ロケ地構成が可能であり、それぞれが“役割”を持っている。

シェキ＝静寂と遺産
バクー＝現代と陰謀
ゴブスタン＝記憶と神話

この国は、ひとつの国家で、物語の全構造を映像化できる“舞台装置”になっている。

続編で期待される展開と、ロケ地が持つ“感情の伏線”

VIVANT続編──その物語が、なぜアゼルバイジャンを選んだのか。

それは単なる視覚美や撮影環境ではない。

そこに“語られるべき感情”が残されていたからだ。

風景が舞台になるとき、それはもう“場所”ではなくなる。

主人公たちの記憶を揺さぶり、運命を問い直す、感情の伏線そのものになる。

続投キャストが訪れる意味──物語の深部へ潜る舞台装置

堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、役所広司──前作のメインキャストの続投が噂される中、もし彼らが再びアゼルバイジャンの地を踏むとすれば、それはどんな意味を持つのか。

彼らが“知らないはずの場所”に既視感を持つ──その違和感が、物語を開く鍵になるのではないか。

たとえば、乃木（堺雅人）がこの地で“自分の過去”と再会する。

あるいは、別班の任務と“古い記憶”が交錯し、「任務か記憶か」を選ばされる。

続編の舞台が完全な異国であることで、キャラクターたちは“感情のルール”を失う。

それは、視聴者にとっても同じだ。

「正しいはずのこと」が揺らぐ、「信じていたもの」が崩れる──

アゼルバイジャンという、文化も宗教も風土も違う場所で、それが起こる。

つまりこの舞台は、“揺らぎを受け入れざるを得ない場所”として選ばれている。

「火の国」で回収される“運命”のテーマ

アゼルバイジャンは、火の国。

ゾロアスター教の聖地があり、ヤナル・ダーでは大地が炎を噴く。

火は、清め、燃やし、残し、照らす。

前作の最終話、乃木は「次の任務」を受け取って物語を閉じた。

だとすれば、続編の主題はこうなる──「その任務に、自分を焼き尽くしてでも従うのか」。

火は、選択の象徴だ。

燃やすのか、抱えるのか。

それとも、誰かの代わりに自分を燃やすのか。

この“火の国”で、彼らが見つけるのはおそらく──物語の最初に隠された「決断の代償」だ。

それは、回収される伏線ではなく、「燃え尽きる伏線」なのかもしれない。

VIVANTという作品が、なぜアゼルバイジャンを選んだのか。

その答えは、この国に宿る“火”が、物語そのもののメタファーだからである。

VIVANT続編ロケ地の全貌と、今後の最新情報チェック方法

VIVANT続編──それは映像作品であると同時に、視聴者と制作陣の“謎解きゲーム”でもある。

今回明らかになったロケ地アゼルバイジャンは、そのゲームの第1ステージに過ぎない。

今後の展開を“見逃さない”ために、私たちが張っておくべきアンテナはどこにあるのか。

公式XとTBSサイトでの伏線投稿に要注目

まず第一に、公式X（旧Twitter）の投稿は、すべてが伏線だと思っていい。

VIVANT制作陣の特徴として、“意味深な写真を言葉なく出す”という手法が定番化している。

前作でも、モンゴルロケ地の空撮映像や、乃木の背後に映る建造物から「ここはどこだ？」と考察が加熱した。

今回も既に“石造りアーチ”の投稿がトリガーになり、アゼルバイジャン特定の波が起きた。

つまり次に投稿される“何気ない一枚”こそが、物語の地図を更新する。

画面の隅に映る壁の模様、影の向き、風景のぼかし──その一つひとつが、答えを隠している。

また、TBS公式サイトのニュースリリースや番組情報にも注目を。

特に、ティザー映像が公開されるタイミング（おそらく2025年末〜2026年春）は、最大の情報解禁ポイントになる。

旅行会社の“聖地巡礼ツアー”の動きにもアンテナを

そしてもうひとつ、“視聴者が動く”ことで見えてくる情報がある。

それが、旅行会社によるロケ地ツアーの動きだ。

実際、現在すでに一部旅行業者の間で、シェキやバクーを巡る「VIVANTロケ地想定ツアー」の商品開発がスタートしているという。

これは、単なるファン向けの企画に見えて、裏では現地との撮影交渉や許可申請の動向を反映している可能性が高い。

つまり、“どこが商品化されたか”を見ることで、物語のキーポイントが予測できる。

「聖地巡礼」が始まる頃、VIVANTの続編は、観るだけの作品から“体験される物語”へと変貌していく。

風景が、伏線になる。

移動が、感情の起爆装置になる。

それが、VIVANTという物語の持つ“リアルを侵食する力”なのだ。

ロケ地の“空気”が生んだ、言葉にならない沈黙たち

VIVANTという作品のすごさは、セリフがない時間も“語っている”こと。

それを強く感じたのが、今回のロケ地候補──アゼルバイジャンの風景を見たときだ。

キャラバンサライの石の回廊や、ゴブスタンの荒涼とした大地は、ただの舞台じゃない。あの空間には、沈黙が宿っている。

そしてその“沈黙”こそが、今回の続編で描かれるであろう、言葉にならない葛藤や痛みの容れ物なんだと思う。

沈黙が多いドラマほど、人間関係は複雑になる

言葉数が少ない関係って、たいてい面倒くさい。

誤解が誤解を呼んで、すれ違って、でもどこかで通じ合ってる。

前作の乃木と野崎、薫と別班、それぞれの間にはそんな“沈黙”があった。

で、続編の舞台がアゼルバイジャンになったとき──

この“言葉の通じなさ”が、現実的な言語の壁とリンクしてくるんじゃないかと思った。

異国の地、通訳なし、文化も違う。誤解が前提、緊張が続く。

そこに置かれた登場人物たちは、ますます言葉を失っていく。

でも、目の動きとか、ちょっとした間の取り方とか、そういう“非言語”がむしろ雄弁になる。

そういう脚本と演出を、福澤組は平気でやってのける。

沈黙が続くほど、心の声が浮き上がる。

そんな演出のために、今回のロケ地はある──気がしてならない。

観る側の“感情の翻訳力”が試されるシーズンになる

これは予感だけど──今回の続編、セリフのない名シーンが増えると思ってる。

なぜなら、言葉が通じない国で、心を通わせるしかない状況が描かれるから。

そのとき、必要になるのは「この人、今どう思ってるんだろう？」って考える力。

つまり、視聴者側の“感情の翻訳力”が問われる。

VIVANTって、ある意味でめちゃくちゃ“観る力”を試してくるドラマだ。

台詞より、背中。セリフより、呼吸。

今シーズンはそこに、“文化の違い”というフィルターまでかかる。

観てる側が「分からない」を受け入れて、“なんとなく感じ取る”ことを楽しめるかどうか。

それが、続編を100％味わい尽くすための鍵になると思う。

だからこそ──アゼルバイジャンという舞台。

それは、壮大なロケーション以上に、“沈黙を聞くための空間”として存在している。

VIVANT 続編のロケ地とアゼルバイジャンが示す“物語の地図”まとめ

ただの舞台じゃない。

ただの風景でもない。

アゼルバイジャンという地名が、ここまで読んだあなたの中に残ったなら──それは、風景が“物語の一部”になった証拠だ。

「舞台はただの背景ではない」──それは感情を揺さぶる設計図

VIVANTが描くのは、任務の物語でも、謎解きでもない。

“感情が揺れるとき、人はどうするか”という問いだ。

その感情を揺さぶるために、舞台がある。

だから選ばれた、アゼルバイジャン。

石造りのキャラバンサライは、記憶を閉じ込める箱。

ゴブスタンの岩絵は、時代を超える声なき声。

バクーのビル群は、過去と未来が重なる点。

どの場所にも“ドラマの理由”がある。

それをロケ地と呼ぶには、重すぎる。

それは、心の設計図だ。

VIVANTが見せるのは、地理でなく“心の地形”の物語

この続編が進むにつれて、たぶん僕たちは“位置”を失っていく。

ここはどこ？ 誰を信じる？ 何が真実？

画面が映すのは確かに「どこかの国の風景」だけど──

実はその奥で描かれているのは、人間の内側にある“地形のゆがみ”だ。

信念の断層。

正義と命令の境界線。

記憶という名の地雷原。

VIVANTが旅するのは、そういう“心の地図”の上だ。

アゼルバイジャンは、その地図に刻まれた「深い谷間」のような場所。

誰かがそこに降りて、何かを見つけて、何かを失って、また戻ってくる。

それを見届ける準備は、できてるか？

──次の「沈黙」が何を語るのか。

VIVANTという旅の、続きを待っている。